ナンプレふぁんのひとりごと

ナンプレは初級から上級に行くにつれて解きにくいですね。

簡単な新しい原則を見つけましたので、是非ご覧ください。

「米蘭」

2020-08-28 08:18:07 | X(ツイッター)より

外国の国名や都市名を漢字表記する場合があります。日本でも中国でも聞こえ方による当て字を使用していますが、大部分は同じ漢字を充てています。では、表題の「米蘭」は都市名ですが何と読むのでしょうか。中国では米という字は mi と発音するそうです。ですので、ミランと読み、日本ではミラノと読みます。

 

今回の題材もツイッターからで、イタリア旅行の際現地で買った問題集に載っていた問題で、次の図です。

        

他の問題は全て解けたのに、この問題だけは家族総出で考えても無理だったそうです。私はこの問題をイタリア産ということで「米蘭」と名付けました。とても難しい問題で、紙媒体で鉛筆を使ってチョチョイと解けるレベルではありません。まず、解き易くします。

        

整理すると幾つかの数字が決まります。ですのでそんなに難しい問題には見えません。

        

ここまでは誰でも進みますが、急ブレーキが掛かります。有効な手段を考えてみてください。

        

使うロジックは Nishio です。の強リンクが有ります。従って、のどちらかが確定します。

        

が入るとが入りが入り、そしてが入ります。そうするとではが消えますので、5が入ります。

        

また、が入るとが入りますので、には5が入ります。

        

が入ってもが入ってもが入りますので、が確定します。こんな処から数字が決まるとは想像が付かなかったのではないでしょうか。5で進めて、

        

2で進めて、

        

今度は Nishio の変形です。が入るとが入りますので、には3と8のどちらかが入ります。

        

また、が入るとには3と8のどちらかが入ります。

        

つまり、の中に3と8のどちらかの一つが入ることになります。

        

中段ユニットで、が入るとが入ります。3数字固定では無いですので、9はに追い出されます。

        

また、が入るとが入りますので、が入ります。

        

8と9は一回同居で異種が確定しましたので、に別れて入ります。

        

には1と7が確定していて8または9のどちらかが入りますので、入れないは削除されます。

        

進めて、

        

では7が確定し8と9のどちらかが入ります。4は▢▢で5と三回同居で4-5の磁石候補です。また、▢▢で4は6と一回同居で4と6は異種です。どちらかは誤りですので、5と6は同種になります。同種は同居しませんので、は削除されます。

        

進めて、

        

中側ユニットで、1はで5と三回同居で1-5の磁石候補の時、8と同居しないので1と8は同種です。また、で1は5と一回同居で1と5は異種です。どちらかは誤りですので、8と5は同種になります。同種は同居しませんので、は削除されます。

        

進めて、

        

7で進めて、

        

二国同盟で、

        

Nice Loop です。が入りますとが入ります。

        

続けて5と6と7が入ります。

        

最初のが入らないとが入りますので、Loop が出来上がります。赤グループと青グループのどちらかが確定しますので、は削除されます。

        

進めて、

        

二つ目の Nice Loop です。が入りますとが入ります。

        

続けてが入り、やはり赤と青の数字のどちらかが確定しますので、は削除されます。

        

進めて、

        

6の奇数個連鎖です。から左下へ 強・強・強・強・強・強・弱 で、が確定します。

        

6で進めて、

        

8で進めて、

        

1で進めて、

        

9で進めて、

        

5で進めて、

        

7で進めて、

        

6で進めて、

        

3で進めて、

        

8で進めて、

        

2で進めて、

        

正解です。

 

難しかったですね。このレベルになると日本の辛口問題集には絶対に載っていません。何故なら既存のロジックだけでは解けないからです。ですので、問題集だけに目を向けていると「井の中の蛙」になってしまいます。「天才」が公開された時には、殆んどの方が2個の数字しか確定出来なかったでしょう。ご自分独自の考え方も必要だと思います。

 

次回はツイッターで、いちごナンプレ研究所さんが「2時間楽しめて解けたら、名人クラスです」と紹介された作品で、次の図です。

        

作家さんは ろばくん さんで、「基本的な解き方だけでは解けません」と記して有りました。私は2時間という表現から、この作品を「時辰」と名付けました。基本的な解き方がどのロジックを指しているのかは不明ですが、出来るだけ簡単な手法で解いてみました。

 

ご覧頂きまして有難うございました。


「獣医」

2020-08-18 08:17:56 | X(ツイッター)より

ツイッターの投稿者に、これまでに公開されている様々な作品を独自のロジックで検証して、難易度数値の確かさを確認された方が居られます。ポイント数値で表されていて数値が大きい程難問ということになります。漠然と数値を並べても判断が出来ませんので、比較の対照となる作品を挙げますと、フィンランドの数学者の「世界一の難問」は 466Pで20位でした。。私としては「紫電一閃」や「昼行燈」のような一手詰めの難問作品のポイント数値が知りたいですね。

 

今回の題材は、その難易度ランキングで 653Pで10位の次の図の作品です。

        

私はこの作品を第10位なので「獣医」と名付けました。作者は、いちごナンプレ研究所さんでポイント数値を比べると「世界一の難問」より遥かに難しい作品となります。まず、解き易くします。

        

整理して、

        

この図になりますが、尋常な手段では手の出しようがありせん。  

        

5個+1個型まぼろし です。上段ユニットで、親の6と絶対に磁石にならない数字は、1と3と4と7と8です。これらの5数字が6と同居しないとすると赤色の場所に入ります。この図をA図とします。

        

次に、これら5数字が6と一回同居するとすると青色の場所に入り、2が6と一回同居した場合も青色の場所に入ります。この図をB図とします。

        

A図とB図を重ねます。

        

5個+1個型まぼろし では珍しく二択と一緒に二国同盟が現れました。

        

赤色と青色のどちらかは確定しますので、は削除されます。

        

進めて、

        

上段ユニットで、1はで5と同居しないので1と5は同種です。また、で1は5と一回同居ですが3とも一回同居ですので、1と3は異種です。どちらかは誤りですので5と3は同種になります。同種は同居しませんのでは削除されます。

        

3で進めて、

        

8で進めて、

        

7で進めて、

        

上段ユニットで、2はで3と三回同居で2-3の磁石候補ですが、では6と三回同居で2-6の磁石候補です。この時点で2-3の磁石と2-6の磁石はどちらかが誤りですので、2を物差しとした作業はここでは進められません。

        

は6と8が決まっています。1はで8と三回同居で1-8の磁石候補の時2と同居しないので、1と2は同種です。また、▢▢▢で1は8と一回同居で1と8は異種です。どちらかは誤りですので、2と8は同種になります。同種は同居しませんので、は削除されます。

        

進めて、

        

中側ユニットで、4はで5と同居しないで4と5が同種の時、2と一回同居で4と2は異種です。また、で4は5と一回同居で4と5は異種です。どちらかは誤りですので、2と5は異種になります。異種は一回同居しますので、が入ります。従っては削除されます。

        

進めて、

        

中段ユニットで、には5と7のどちらかと6と9のどちらかが入り、には1と3のどちらかと6と9のどちらかが入ります。

        

9はでもでも6と同居しないので9と6は同種が確定しています。

        

に6が入ると7が入ります。6はで7と三回同居で6-7の磁石候補です。そうすると▢▢▢で6は7と一回同居で6と7は異種にならなければなりません。そうするとが入りますのでは削除されます。。

        

進めて、

        

7の四辺形の原則では削除されます。

        

二国同盟で、

        

9で進めて、

        

4で進めて、

        

7で進めて、

        

多国同盟で、

        

二国同盟で、

        

下段ユニットで、3はで5と同居しないで3と5が同種の時、8と同居しないので3と8は同種です。また、で3は5と一回同居で3と5は異種です。どちらかは誤りですので、8と5は同種になります。同種は同居しませんので、は削除されます。

        

進めて、

        

中段ユニットで、8はで5と三回同居で8-5の磁石候補の時、2と同居しないので8と2は同種です。また、で8は5と一回同居で8と5は異種です。どちらかは誤りですので、2と5は同種になります。同種は同居しませんので、は削除されます。

        

進めて、

        

二国同盟で、

        

XY-Wing です。 で、の1は削除されます。

        

進めて、

        

二国同盟で、

        

進めて、

        

AICです。 で、が入るとが入りが入らないとが入ります。のどちらかは必ず確定しますので、のそれぞれと共通の領域に在るの7は削除されます・。

        

7で進めて、

        

9で進めて、

        

6で進めて、

        

4で進めて、

        

1で進めて、

        

2で進めて、

        

3で進めて、

        

7で進めて、

        

9で進めて、

        

1で進めて、

        

7で進めて、

        

4で進めて、

        

2で進めて、

        

正解です。

 

400Pを超えると上級より難しいとの記述が有りましたが、600P超えは流石に「まぼろしの手法」を使わないと無理でした。私の体感難度でも「世界一の難問」より難しかったです。この作品より上位に19作品が存在するということになりますが、全てでは無いですが折を見て記事にしたいと思います。

 

次回もツイッターからです。イタリア旅行で現地で購入した問題集の中で、家族総出で考えてみても解けなかった問題で、次の図です。

        

イタリアということで、私はこの問題に「米蘭」という名を付けました。中国発の当て字ですが読めますでしょうか。

この問題は超難問です。日本の問題集には絶対に載っていません。特定の方にしか解けないからですが、実力UPのためにも挑戦してみてください。

 

ご覧頂きまして有難うございました。


「迷宮」

2020-08-08 08:22:48 | X(ツイッター)より

迷路と迷宮の違いをご存じでしょうか。私は知らなかったので調べてみました。簡単に言うと、迷路は出口が有るとわかっているもので、これに対して迷宮は出口が無いように思えるものだそうです。これをナンプレに当てはめると、唯一解で解くのが難しい問題と唯一解には思えないが唯一解の難問になります。

 

今回の題材は、ツイッターで見つけた条件付きの作品で、次の図です。私は条件付きナンプレは対角線といちご以外は手を出さなかったのですが、ヒント数字が8個だったので挑戦してみました。

        

条件は、縦・横・対角線とブロックでは無く九色に色分けされた箇所(陣地とします)に1から9までの数字が入ります。

私はこの作品を「迷宮」と名付けました。とても唯一解には思えませんが、この図にはあるヒントが隠れています。それは、点対称であるということす。180度回転してみてください。ヒント数字と陣地が重なります。1と9、2と8、3と7、4と6が対称位置に在りますが、5だけが単独です。ですので、180度回転しても動いてないと見える処に入ります。その一つは中心なのですが、いきなり5を決めては仮置きになってしまい、面白いことに中心にヒント数字で5が入ってしまうと理詰めでは解けないのです。前振りはこれくらいにして、まず、解き易くします。

        

縦と横を整理するとこの図になります。

        

陣地を整理するとこの図になり、これから解き始めますが、背理法命の方は何処に目を向けるのでしょうか。

        

数字8は7列と8列と9列ではの陣地にしか入れません。従って、は削除されます。

        

同じく2は1列と2列と3列ではの陣地しか入れません。従って、は削除されます。

        

攻め処はです。(説明のためいろいろな色を使いますので、お見苦しい点はご容赦ください。)

        

が入りますとではが消えますのでまたはが入ります。

        

またはは同グループ(一緒に入るという意味)ですので、またはのそれぞれと共通の領域に在るが対抗して入ります。のどちらかは必ず確定します(強リンクです)ので従って、との同じ領域に在るは削除されます。中心にヒント数字5が入っていると、この手法は使えません。

        

またはと同じ領域に在るは削除されます。

        

の8は1列と2列に入りますので8は削除されます。

        

が入りますとが入ります。そうするとには8が入るマスが無くなります。従って、は入れませんので削除されます。

        

が入るとが消えが入りますのでは同グループです。その時も消えます。

        

が入るとやはりが消えが入りますのでは同グループです。状態は変わっていないので、やはりその時が消えます。

        

が入りますとが入りますので、のどちらかが確定します(強リンクということです)。同じ領域に在るは削除されます。

         

が入ると対角線でが消えが入り、のそれぞれと同じ領域に在るが対抗として入ります。従ってと同じ領域に在るは削除されます。

        

8の奇数個連鎖です。より下へ 強(縦)・強(越境)・弱(対角線)・強(横)・弱(越境)で、が確定します。

        

進めて、

        

8の奇数個連鎖です。より右上へ 強(陣地)・弱(対角線)・強(縦)・弱(越境)・弱(縦)で、が削除されます。

        

のどちらかが入りますのでは削除されます。

        

8の奇数個連鎖です。より右へ 強(陣地)・強(縦)・弱(対角線)で、が確定します。

        

進めて、

        

8の奇数個連鎖です。より上へ 強(縦)・強(陣地)・弱(横)で、が確定します。

        

進めて、

        

をご覧下さい。

        

が入りますとではが消えますのでまたはが入ります。

        

またはは同グループですので、またはのそれぞれと共通の領域に在るが対抗して入ります。従って、との同じ領域の有るは削除されます。

        

またはと同じ領域に在るは削除されます。

        

8列と9列の2はに入りますので、は削除されます。

        

が入るとが入ります。するとはどちらかが確定しますのでそれぞれと共通の領域に在るは削除されます。

        

8行には2が一つですのでが確定します。進めて、

        

7行9行では、が入るとが入りが入るとが入ります。の共通の領域に在るは削除されます。

        

2の偶数個連鎖です。から右へ 強(横)・弱(対角線)・強(陣地)・弱(縦)で、は削除されます。

        

2の偶数個連鎖です。から右下へ 強(陣地)・弱(横)・強(対角線)・弱(縦)で、は削除されます。

        

が確定しましたのでで進めて。

        

対角線でまたはが入りますのでは削除されます。

        

2の奇数個連鎖です。から上へ 強(縦)・強(陣地)・強(対角線)・強(陣地)・弱(横)で、が確定します。

        

2で進めて、

        

のいずれが確定しますのでは削除されます。

        

のいずれかが確定しますのでは削除されます。

        

のどちらかが確定しますので、は削除されます。

        

が入るとではのどちらかが入ります。そうするとのそれぞれの共通の領域に在るが入ります。4列ではのどちらかが確定しますので、は削除されます。

        

が入るとではのどちらかが入ります。そうするとのそれぞれの共通の領域に在るが入ります。6列ではのどちらかが確定しますので、は削除されます。

        

が入ると列と陣地でが消えが入ります。

        

は同グループですので、それぞれと同じ領域に在るが入ります。のどちらかは必ず確定しますので、は削除されます。これも井桁と云うのでしょうか。

        

が入ると列と陣地でが消えが入ります。

        

上の3と同じ論理でのどちらかは必ず確定しますので、は削除されます。

        

を介しては同グループになります。

        

のそれぞれと同じ領域に在るが入ります。従って、は削除されます。

        

3で進めて。

        

ご覧の通り中心から5以外の数字が消えていきます。▢では3はのどちらかに必ず入ります。のそれぞれと同じ領域に在るは削除されます。

        

5列でが確定します。進めて

        

では7は一ヶ所にしか在りませんのでが確定します。進めて、

        

では7は1列にしか入れませんので、は削除されます。

        

2列では9はのどちらかにしか入れませんので、は削除されます。

        

1列では9はのどちらかにしか入れませんので、は削除されます。

        

9列では1はのどちらかにしか入れませんので、は削除されます。

        

7列では7はの一ヶ所もしくは二ヶ所に入りますが、全ての場合では削除されます。

        

右上からの対角線では、7はのどちらかに入りますので、のそれぞれと同じ領域に在るは削除されます。

        

4列では、7はのどちらかに入りますので、は削除されます。

        

3列では、7はのどちらかに入りますので、は削除されます。

        

7で進めて、

        

の4はのどちらかが入ります。この3個のとそれぞれ同じ領域に在るは削除されます。

        

の4は9列に入りますので、は削除されます。

        

二国同盟(縦)で、

        

二国同盟(陣地)で、

        

の6はのどちらかに入りますので、3個のと共通の領域に在るは削除されます。

        

二国同盟(縦)で、

        

二国同盟(陣地)で、

        

の6は1列のどちらかに入りますので、は削除されます。

        

4はが入ると強リンク(横と陣地)でが入ります。

        

は同グループですので、のそれぞれと同じ領域に在るが入ります。従って、は削除されます。

        

▢の4は3列ののどちらかにに入りますので、は削除されます。

        

が入ると(横・陣地の強リンクで)が入ります。

        

は同グループですので、のそれぞれと同じ領域に在るが入ります。従って、は削除されます。

        

7列では、6はの6のどちらかにしか入れませんので、は削除されます。

        

6の奇数個連鎖です。より左下へ 強(陣地)・強(横)・強(縦)・強(横)・弱(越境)で、が確定します。

        

6で進めて、

        

4の奇数個連鎖です。より右上へ 強(陣地)・強(横)・強(縦)・強(横)・弱(越境)で、が確定します。

        

4で進めて、

        

二国同盟(縦・陣地)で、

        

1で進めて、

        

4で進めて、

        

9はではが確定していますので進めて、

        

6で進めて、

        

1で進めて、

        

正解です。     

 

目に見える強リンクを探すのでは無く、とても強リンクが有りそうもない場面で強リンク作成するという発想が、まさに迷宮脱出のカギとなりましたね。そしてこの手法は、私の知る限り過去には誰も発表していないと思います。

 

ツイッターで、ご自身が採用した難度の基準でコンピューターに計算させて、作品の難易度ランキングをポイント数値で公開されている方が居ります。その中でも上位推されているのが次の図の作品です。

        

これは、いちごナンプレ研究所さん作の超難問です。作品名は付けてありますが、それは次回の本文で。

 

ご覧頂きまして有難うございました。