ナンプレふぁんのひとりごと

ナンプレは初級から上級に行くにつれて解きにくいですね。

簡単な新しい原則を見つけましたので、是非ご覧ください。

「強靭」

2023-08-28 08:16:46 | ブログより

前回の 隠れ二国同盟考 は如何でしたか?本当の隠れ二国同盟はとても有効な手段ですが、大手出版社の問題集やスマホアプリでは使用する機会は滅多に無いでしょう。

ナンプレを解く秘訣は、ご自分の実力より少し上の問題に挑戦することです。このマスの1が消えてくれたらとか、あのマスの2が決まったらとか考えて、そのようになる手筋を見付ける事が上達への近道だと思います。

 

今回の題材は、numpl_npm さんに紹介して頂きました、外国の方のブログ(HPかな)で公開された作品で、次の図です。

        

私はこの作品を「強靭」と名付けました。難易度ポイント数は SE11.9 Pです。横文字はからきしダメな私ですが、多分何かの秒数だと思います。

        

このヒントはお役に立ったでしょうか。前振りに記した様に私の解き方ですとこの三ヶ所が急所です。

        

候補数字を入力しますと、幾つかの数字が確定します。

        

左下ブロックの1で進めて、

        

中下ブロックの6で進めて、

        

左中ブロックの8で進めて、

        

四国同盟(Hidden Pairs)で、

        

の2を削除します。

        

に2の強リンクが有ります。

        

2の強制 Loop を造ります。2本出来ます。

        

2本出来ますので、どちらかが正しい Loop となります。従って、は削除されます。

        

「本当の隠れ二国同盟」です。に6の強リンクが有ります。

        

が決まりますと、が消えて1・9の二国同盟が出来て、が決まります。そして、が決まります。

        

にはが入ります。

        

確認します。が決まりますと、が消えて1・9の二国同盟が出来て、が決まります。

        

に色を変更します。

        

「本当の隠れ二国同盟」が出来ました。

        

1・9の二国同盟ですので、領域内のは削除されます。(は有りませんが)

        

二つ目の急所です。折角造った二国同盟を崩します。

        

最初の急所のを削除したお陰で2の Loop が出来ています。

        

「本当の隠れ二国同盟」の結果、は2・6の二択マスです。

        

Loop と二択マスが合体すれば、共倒れです。2と6の接触マスである第1行のは削除されます。

        

赤色数字は誤りなので、全て削除されます。2で進めて、

        

6で進めて、

        

8で進めて、

        

1で進めて、

        

急所の9で進めて、

        

7で進めて、

        

二国同盟で、

        

9で進めて、

        

三国同盟で、

        

右中ブロックの4で進めて、

        

第8列の7で進めて、

        

ここで止まります。でも、誰も想像しない新手が有ります。

その新手の名は Radio Control 略して「RC」です。

        

に4・5の二択マスが有ります。これは二つ目の急所の結果9が削除されたマスです。このマスをドローンとみなします。

        

に2の強リンクが有ります。左右の2をコントロールレバーとすると、これが送信機です。

        

右のレバーでを確定させますと、から左へ 強・弱・強・弱・弱 で、が削除されます。

        

この時は別色になります。

        

左のレバーでを確定させますと、から左へ 強・弱・強・弱・弱 でが削除されます。

        

この時は4とは違う別色になります。これはが二択マスだからこその手順です。に9が残っている場合には使えません。の4と5が同色の可能性が有るからです。

        

「RC」の結果は削除されます。

        

の共通の領域に有るは削除されます。

        

9で進めて、

        

三つ目の急所です。の3を削除させます。これはさほど難しくはありません。

        

Nishio です。は3・9の二択マスです。

        

が決まるとが決まります。

        

そして、が決まると第9列でと決まり、が決まります。

        

が入ってもが入っても、が決まります。7で進めて、

        

5で進めて、

        

9で進めて、

        

4で進めて、

        

3で進めて、

        

正解です。

 

この、急所を見付けてそれに沿って手筋を考える手法は、numpl_npm さんに教えて頂きました。達人さんと私では解き方がまるで違いますが、とても有効な考え方だと思います。

 

おまけです。強制 Loop 考についてです。

 

ある数字の強制 Loop が1本の時は、謀反が使えます。これは何度も記しています。

 

強制 Loop が2本の時は、

        

本文に記載されている様に、どちらかが正しい Loop になります。

では、数字3の場合は

        

何故、強制 Loop が2本の手法を使わなかったか、疑念を抱いた方がいらっしゃると思います。

        

実は、を起点した3の強制 Loop はもう1本有るのです。3本のうち2本が誤りなので、手法になりません。この場合において先の2本が誤りで後の Loop が残った場合は、謀反にならずその Loop が正解となります。

        

ちなみに、数字2は2本のままです。

 

次回も外国の方のブログ(HPかな)で「強靭」と同時に公開された作品で、次の図です。

        

上段ユニットは「強靭」と全く同じヒント数字配置です。兄弟と思いましたので、私はこの作品を「精悍」と名付けました。難易度ポイント数は SE11.9 Pで同じです。解き方の半分は「強靭」と同じですので、挑戦してみてください。 SE11.9 Pは最高難度ですので、解けると嬉しいですよ。

 

ヒントとしては、「RC」は使いません。上段ユニットの正解図は数字が違います。

 

ご覧頂きまして有難うございました。


「頑固」

2023-08-18 08:17:22 | HPより

ナンプレを始められた方が最初に出会うロジックは、たぶん二国同盟だと思います。ある領域で例えば1・2の二択マスが2個在った時には、その領域の他のマスから1と2が削除されると云う手法です。ところが巷では Hidden Pairs と云うロジックが通用しています。これはn国同盟を処理して出現した同じ数字の二択マス2個を指すようです。ですので、和名で「隠れ二国同盟」と称する方もいらっしゃいます。

でも、Hidden Pairs はn国同盟であって二国同盟の仲間では無いと思います。理由は、領域で消せる数字はn国同盟を構成する数字であって、二択マス2個を構成する数字では無いからです。従って、Hidden Pairs を隠れ二国同盟と訳すのは誤りだと思います。

 

そこで、新手の「本当の隠れ二国同盟」を公開させて頂きます。

 

今回の題材は、「超難問も解ける数独ページ」にて第9位で紹介されている作品で、次の図です。

        

私はこの作品を「頑固」と名付けました。

        

候補数字を入力しますが、二択マスは有りませんので、攻め処を見つけるのに苦労します。   

        

に6の一心同体が有ります。

        

に6の強リンクが有ります。

        

の6をに色付けします。

        

強リンクのの6をに、の6をにしますと、この図になります。この図をA図とします。

        

そして、の6をに、の6をにしますと、この図になります。この図をB図とします。

        

A図とB図を重ねますとは二ヶ所ののどちらかに決まります。従って、は削除されます。

        

第7列の6はのどちらかに決まります。の6との6は一心同体ですので、の6との6は強リンクです。従って、は削除されます。

        

の6との関係を調べます。共通の領域に有る2個には6は居ません。

        

従って、にはが入ります。

        

中央ブロックの6の強リンクの色分けが決まりましたので、は削除されます。

        

には強リンクでが入ります。

        

との共通の領域に有るが入ります。従って、は削除されます。

        

強リンクでが入ります。これ以上6の色分けは進みませんので、色を消します。

        

お待たせいたしました。「本当の隠れ二国同盟」の出番です。は5・8の二択マスです。

        

が入りますと、

        

が入ります。

        

ここで、が入ってもが入れば Nishio ですが、いくら考えてもそうはなりませんでした。

        

考え方を変えます。に9の強リンクが有ります。

        

が入りますと、が消えて3・4の二国同盟になり、が決まります。

        

の8はでしたので、が入ります。

        

第7列のをご覧ください。のどちらかが必ず決まります。どちらが決まっても残るマスは3・4の二国同盟です。これが「本当の隠れ二国同盟」です。

        

二国同盟ですので、同じ領域のは削除されます。Hidden Pairs との違いがお分かりでしょうか。

        

との共通の領域に有る2個のどちらかにが入ります。従って、は削除されます。

        

謀反です。に3の強リンクが有ります。

        

強制 Loop を造ります。これは偶数個連鎖になりませんので、

        

片方の強リンクの色分けを反転させます。従って、は削除されます。

        

右下ブロックの3で進めて、

        

左中ブロックの4で進めて、

        

色分けを戻します。これから Bahamut へ一直線です。そして、本当の隠れ二国同盟の構成員であるが主役です。

        

片方の色が決まっている二択マスでは反対色が入ります。

        

にはは入れませんので削除されます。

        

右上ブロックのは削除されます。

        

第8列の3の色分けはこの様になります。どちらかのは削除されます。

        

は強リンクですので、は削除されも削除されます。

        

第8列の1の色分けはこの様になります。どちらかのは削除されます。

        

強リンクでが入ります。

        

右下ブロックの3個の6はが入りますので、の6はどちらの色でもダブります。従って、削除されます。

        

はどちら色でも入れませんので、削除されます。

        

第8列の2はのどちらかに確定しますので、は削除されます。

        

6で進めて、

        

第7列の7で進めて、

        

三国同盟で、

        

に7の強リンクが有ります。

        

が決まるとが決まります。

        

ではありませんので、に色替えします。従って、は削除されます。

        

上段ユニットのはこの様になります。

        

にはもは入れませんので、削除されが入ります。同じ様ににはもは入れませんので、削除されが入ります。

        

第1行ではにはは入れませんので、が確定します。

        

9で進めて、

        

片方の色が決まっている二択マスには反対色が入ります。

        

は9の強リンクですので、が入りは削除されます。

        

Bahamut です。に9の強リンクが有ります。

        

が入っていますので、にはが入るのが通常ですが、第9行には主役のが居座っています。従って、にはは入れませんので削除されます。

        

そして、青色数字は誤りですので全て削除されます。主役のは討死です。1で進めて、

        

2で進めて、

        

3で進めて、

        

4で進めて、

        

5で進めて、

        

6で進めて、

        

7で進めて、

        

8で進めて、

        

9で進めて、

        

1で進めて、

        

3で進めて、

        

4で進めて、

        

7で進めて、

        

9で進めて、

        

2で進めて、

        

正解です。

 

序盤の不要な6の削除、本当の隠れ二国同盟を使い Bahamut で仕上げました。この作品も嫌われ者の最たるものの一つで、既存のロジックで使ったものは三国同盟一つだけです。でも、何度も記していますが超難問は新手順の宝庫です。誰にでも見つけるチャンスが有ります。嫌われ者を嫌わないで下さい。

 

おまけと云うか本文に記さなかった「本当の隠れ二国同盟」の威力を。

 

        

の3マスで、のどちらが決まっても残るマスは3・4の二国同盟です。「隠れ二国同盟」はこの図だけです。

        

同じ領域の別のマスのが削除された、この図のの3マスは「本物の二国同盟」です。

詳しくは、他の手順の結果での3・4のどちらかが確定するか削除されるまでは二国同盟状態が続くと云うことです。

        

ですので、3の謀反の結果の3が削除された図ですが、この図でも二国同盟は活きているのです。

        

で8が消えると4が確定し、二国同盟は崩れてしまいます。

        

二国同盟を活かすにはを確定させなければいけません。Petite Bahamut で赤数字が正しいことになります。本文をこれで進めたら、疑念を抱く方が多かったでしょうね。でも、これが「本当の隠れ二国同盟」の威力です。

 

次回は、numpl_npm さんに紹介して頂きました、外国の方のブログで公開された作品で、次の図です。

        

私はこの作品を「強靭」と名付けました。numpl_npm さんがよく使われる数値の SE11.9 が難易度ポイント数だと思います。以前に記事にした「くノ 一」が SE11.8 でしたので、こちらの方だ難しい問題と云うことになります。

挑戦される方に急所を3マス公開します。

        

順に、から2を削除して、から1を削除して、から3を削除するように進めると解けるかな。

 

ご覧頂きまして有難うございました。


「七夕」

2023-08-08 08:14:33 | ブログより

前回の おまけ の続きです。5の Loop と6の Loop と4の Loop を重ねて二択マスを造った図が次の図です。

        

更に二択マス・四択マス・強リンクマスを造り、

        

に5が入らないことを見付けました。この構想は、確定数字がなかなか見付けられない問題図にはとても有効だと思います。でも、この手順は「在来線各駅停車」なのです。つまり最少工数ではありません。

いちごナンプレ研究所さん はこの作品を中級問題として公開されています。ですので、敢えて「新幹線」を使いませんでした。でも、こういう考え方も有るんだと云う事を頭に入れて下さい。

 

「新幹線」それは「隠れ共倒れ」です。

        

5の Loop上に4・5と5・6の二択マスが在り、他の数字は入れないことを確認して、

        

5の Loop上に8が絶対に入れないマスをに色付けすると、2個のが残ります。つまり5と8の接触マスになります。

        

接触マスに5と8のみが入っていますが、二択マスが確定している訳ではありません。どちらかが、共倒れマスになります。

        

どちらが共倒れマスでも、に5は入れませんので、の5が確定します。

        

5と4と6は全て確定します。

        

8個のによりに3が確定します。

        

3は全て確定し、残りの7・1・9・2・8も芋づる式に確定します。

「在来線」が誤りと云う訳ではありません。あくまでも「新幹線」は工数が少ないと云う事です。じっくりと解きたい方は数字と数字の絡み合いを楽しみながら解く事をお薦めします。

 

今回の題材は、Ameba ブログ「趣味人の数独・ナンプレ」に公開された対角線ナンプレで、次の図です。

        

作家さんご自身がこの作品を「七夕」と名付けられています。残念ながらツイッターでの難易度ポイントは不明ですが、かなりの難問だと思います。上級の方でも相当に苦労するのではないでしょうか。私はこの作品を、予告で「対角線ナンプレの大傑作」と記していますが、この作品ほど対角線を利用して解いた問題図は過去にも有りません。

        

候補数字を入力します。

        

対角線を整理すると、幾つかの数字が確定します。

        

中上ブロックの8で進めて、

        

中上ブロックの1で進めて

        

第6列の4で進めて、

        

この図から解き始めます。(この図には滅多に出現しないロジックが有るのですが、お分かりでしょうか。それは、左上からの対角線での2・3・4・5・6・7・9の七国同盟です。でも、敢えてその処理をしません。)

        

8の奇数個連鎖です。から上へ 強・強・強・弱・弱 で、は削除されます。

        

2で進めて、

        

1の偶数個連鎖です。から右上へ 強・強・強・弱 で、は削除されます。

        

第2列の1で進めて、

        

8の偶数個連鎖です。から右下へ 強・強・強・弱 で、は削除されます。

        

1の奇数個連鎖です。から左へ 強・強・弱 で、が確定します。

        

1で進めて、

        

左上からの対角線の8で進めて、(これで、七国同盟は埋没されました。)

        

9で進めて、

        

3で進めて、

        

3の偶数個連鎖です。から上へ 強・強・強・弱 で、は削除されます。

        

9の奇数個連鎖です。から左下へ 強・弱・弱 で、は削除されます。

        

2の奇数個連鎖です。から左へ 強・弱・弱 で、は削除されます。

        

2の奇数個連鎖です。から左上へ 強・強・強・弱・弱 で、は削除されます。

        

右中ブロックの2で進めて、

        

2の奇数個連鎖です。から右下へ 強・弱・弱 で、は削除されます。

        

第1列の2で進めて、

        

5で進めて、

        

7で進めて、

        

2で進めて、

        

9で進めて、

        

4で進めて、

        

第5列の3で進めて、

        

7の偶数個連鎖です。から上へ 強・強・強・弱 で、は削除されます。

        

4の奇数個連鎖です。から左下へ 強・弱・強・弱・弱 で、は削除されます。

        

4の奇数個連鎖です。から左下へ 強・弱・強・弱・弱 で、は削除されます。

        

第8列の4で進めて、

        

7の奇数個連鎖です。から上へ 強・強・強・弱・弱 で、は削除されます。

        

第7行の7で進めて、

        

7の奇数個連鎖です。から左へ 強・強・弱 で、が確定します。

        

7で進めて、

        

6で進めて、

        

4で進めて、

        

3で進めて、

        

6で進めて、

        

1で進めて、

        

正解です。

 

ご覧の通り、基本手筋と芋づる式を除けば使ったロジックは、奇数個連鎖が10回と偶数個連鎖が4回です。そして、その全てに対角線が絡んでいます。私も多くの作品を解いていますが、初めて出会いました。正に対角線ナンプレの頂点に位置する作品だと思います。それも 77 の特殊ヒント数字配置でです。ナンプレ作家さんは凄い方だらけですね。

 

次回は、「超難問も解ける数独ページ」にて第9位で紹介されている作品で、次の図です。

        

管理人さんが付けた難易度ポイント数は15.6924Pです。第10位の「世界一の難問」が15.5665Pですので、同じぐらいの難しさに見えますが、体感難度はこちらの作品の方がはるかに上回るようです。最初の数字がなかなか確定出来ません。ですので、私はこの作品を「頑固」と名付けました。

 

ご覧頂きまして有難うございました。