脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

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覚醒のKG -関学大vs立命大-

2011年09月24日 | 脚で語る大学サッカー
 太陽が丘球技場Bにて行われた関西学生リーグ1部の後期第1節の第2試合は、5位・関学大が8位・立命大と対戦。この試合終わってみればなんと6得点の猛攻で関学大が6-0と大勝。来季G大阪に入団が決まっている阿部(4年)が4得点、コンビを組む三ノ宮(3年)も2得点と2トップが大活躍。2人ともこれで得点ランキングトップに躍り出た。これで関学大は、リーグ戦6試合無敗。対する立命大はリーグ戦6試合未勝利と対照的な2チームの試合だった。

 

 1点を争う大体大と阪南大の1試合目と打って変わって、関学大のゴールラッシュになった2試合目。関学大は比較的主力に4年生が多い中に、名古屋ユース出身の小幡、そして福森と1年生コンビが先発出場。対する立命大は左SBに篠原(4年)でなく武田(2年)を起用。直近5試合で2得点得点力不足が顕著なだけに昨季のリーグ得点王坂本(3年)の爆発に期待をかけたい後期初戦だった。
 しかし、試合が始まるとその出来の対照的なこと。関学大は常にフィニッシュをシュートの意識で阿部を中心に攻め立てる。立命大の攻撃を許すことなく、関学大は攻めまくった。19分に阿部がゴールラッシュの口火を切る1点目を奪取すると、36分には三ノ宮の突破から最後はゴール前にこぼれたところを再び阿部が決めて2点目。その直後には阿部が完全にフリーで抜け出してシュートという場面があったがシュートは無情にもバー直撃でハットトリックは後半にお預け。43分には左サイドから駆け上がった津田(4年)の折り返しを三ノ宮がヘッドで決めて前半だけで3-0とする。

 
 もちろん試合の主役は阿部浩之。
 無双状態の得点力で4得点と大活躍。

 
 関学大は1年生の小幡が印象に残った。
 小柄ながら間違いなく将来のチームを支える選手。

 
 関学大は前線ももちろんのこと、中盤で関(2年)が奮闘。
 攻守に強さを見せ、存在感の大きさを感じさせる。

 “手も足も出ない”と言わんばかりに好き放題攻められた立命大。後半から大型FWの前岡(1年)を投入して建て直しを図るが、後半も相変わらず関学大が攻守にペースを握る。63分には阿部がハットトリックとなる見事な抜け出しからの3点目で4-0とすると、71分には、今度はエリア右手からノーステップ気味にループめいたシュートでゴールの高い位置に決めて自身4点目。来季J屈指の攻撃陣を誇るG大阪入りを納得させる見事な存在感。その4分後には三ノ宮がこの日2点目を決めて関学大が6-0とそのリードを広げた。

 
 特別指定選手として既に東京Vでもプレーする梶川(4年)。
 その非凡なパスセンスと攻撃センスは関学大の要。

 
 この日は三ノ宮も爆発。
 遠慮なくハットトリックといきたかった。

 
 前半からキレのあるプレーを見せていた高松(4年)。
 関学大で最も気になる選手の一人。

 打つ手無く惨敗を喫した立命大は、これで6試合もリーグ戦での勝利に見放されることとなった。ほとんど決定的な場面を作れなかったのが残念。特に坂本がずるずると中盤までボールを引き寄せにいかなければならない展開が苦しかった。速い時間帯から1年生の前岡を入れるが、これがほとんど功を奏さなかったのは中盤の構成力の差というべきか。とにかく覇気の無さも含めてかなり気になる試合運びだった。次節は、前期接戦の末に敗戦を喫した大体大と対戦。なんとか浮上のきっかけを掴みたい。


 終始苦しい戦いを強いられた立命大。
 前期の序盤こそスタートダッシュは良かったが…

 
 エース・坂本は来季の今頃どこに去就が決まっているか。
 立命大の復調には彼がゴールを決めないと。

 
 小柄ながらテクニックのある戸高(2年)。
 劣勢の中でも好プレーは見せた。
 
 対して、覚醒のKGこと関学大。加茂総監督もおそらくご満悦の6点圧勝劇で、これで後期も上位陣にしっかりしがみつくことができそう。勝点が切迫した上位陣はどこが振り落されるかという勝負なだけに、この勢いでリーグ優勝も狙いたいところ。関西大、桃山大と直接勝負となる11月が勝負どころとなりそう。何にせよこのカテゴリーでは阿部は少しレベルが違う存在。常にゴールへと向かうその姿勢は今からJでどんなプレーを見せてくれるのかという妄想を掻き立てられる。また、同じくゴールでアピールした3年の三ノ宮もJ入りを意識してこのまま活躍を期待したい。また、主力に4年生が多い関学大は、小幡を中心に1年生選手など下級生戦力のアピールも欲しいだろう。11人中5人も4年生で構成されているのは来季のことを考えると少し心配の種かもしれない。

 
 来年の今頃は、この姿がG大阪のユニフォームで見られるか。


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