ひたちなか3日目の第2試合は、ここまでの戦績で勝点はトップ、グループ突破の最有力と見られていたS.C.相模原と連敗を喫して2日目に1次ラウンド敗退が決まってしまったレノファ山口との対戦。早々に2点を先行した相模原が試合をそのまま決めてしまうかと思われたが…
Aグループ最大のドラマはこの試合で起こった。
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両チーム共に多くのサポーターが声援を送る。
スタンドでも選手を後押しする戦いが始まっていた。
JFA優遇枠とはいえ、この大会に出場する相模原の強さは全社の戦いぶりからしてもある程度見えていた。キックオフ1分、正確には1分経っていない時点で相模原は山口から先制点を奪い取った。右サイドの金澤からのクロスを森谷が頭で決める。続いて、7分には富井のスルーパスに抜け出した森谷が山口DFを振り切ってGKとの1対1を落ち着いて決めた。開始7分間で2点をリードした相模原。この後はひたすらマイボールをロストせずに繋ぎに徹する。山口の運動量を落としにかかったのか、無理なロングパスを控えて前がかりにならずに試合を進めた。機を見て確実なチャンスに決定的な3点目を狙っていたのだろう。そのパス回しの前に山口の選手たちはほとんどボールを奪えない。まるで“鳥カゴの中の鳥”のようだった。なんと前半の山口のシュートは「0」本だった。
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開始1分経たぬうちに森谷が頭で決めて相模原先制。
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7分には再び森谷が決める。
これで勝負の大勢は決まったかに思えた…
後半に入って、その鳥はカゴの綻びを見つけ出す。相模原に疲れとミスが目立つようになってきたこともあってか、山口は徐々にリズムを掴めるようになっていった。主将・福原を中心に前半以上のプレスで相模原のボールを奪いにかかった。
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前半、相模原はDF工藤を中心に山口を封じ続ける。
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“あきらめない”という言葉がにじみ出る。
福原を中心に山口は前を向き続けた。
試合を決める追加点を焦り出す相模原を尻目に、68分に山口は右サイドを駆け上がった碇野のクロスから柏原がヘディングシュートを決める。山口はなんとこれが68分間で初めてのシュートだった。前半からスペースさえあれば、攻め上がっていた碇野の献身的な攻撃参加がここで効いた。76分にはFW吉田を投入して、更にもう1点を狙いにかかる山口。1点を返して、勢いが出た。選手たちが見違えるように動くようになっていた。試合の流れは完全に山口だった。相模原にとっては1日目のHOYOに2点のリードを追いつかれた光景が浮かび上がる。
78分、また碇野のクロスからだった。相模原はこのクロスボールに金澤と鷲田が対応したが、重なってしまいクリアボールが中途半端な方向へ。味方である工藤に当たって跳ね返ったボールはなんと山口MF田村の元へ。とっさに反応したのだろう。田村のヘディングシュートはゴールに吸い込まれた。
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田村が決めた山口の同点場面。
奇跡的に彼の頭にボールは飛んできた。
2-2の同点になって、相模原の動揺は明らかだった。それまで決定機を全くといって良いほど許していなかったチームが瞬時に崩壊したのだ。83分に秋葉とジエゴ・カンポスを同時投入して一瞬のチャンスを狙う。だが、山口の集中力はぶれなかった。
一旦山口に傾いた流れは傾くことはない。不思議なほどこれまで決定機が全く無かった山口に得点の予感を感じてしまう。ラスト10分は本当にそんな展開だった。
そして87分、山口は中盤にできたスペースに左サイドバックの安田がドリブルで持ち込む。田村へ送るとすぐに田村はエリア内へロビングボールを蹴り込む。マーカーの相模原MF坂井を越えてそのボールは柏原の頭にぴったりと合った。次の瞬間、メインスタンドはこの3日間一番の独特な雰囲気を放った。1点を返したあたりから一層チャントのペースが増していた山口のサポーターは狂喜、涙している人もいた気がする。そして、山口の勝利を確信したかのように「レノファ山口」コールを送るY.S.C.C.のサポーター、対極的に逆サイドでは、「まだ終わっていない」という逸る気持ちを抑えるかのように声量が増す相模原サポーターの姿があった。
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逆転弾のきっかけはこの安田のドリブルから…
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田村の浮き球のパスに柏原が再び頭で決めた。
レノファ山口、逆転。
試合は3-2と山口の勝利で終了。これでY.S.C.C.のグループ1位突破が決定。12月5日より市原で3日間行われる決勝ラウンドに進出する。S.C.相模原はワイルドカードにすら手が届かず来季のJFL昇格のチャンスは潰えた。
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本当に前半だけを観ていれば、非常に歴然とした差があった試合で、相模原で決まりだなと途中で帰った人もおられるかもしれない。それだけ山口の逆転劇は凄まじいものだった。それが証拠に公式記録を確認すると、山口の放ったシュートはゴールネットを揺らした3本のみ。結果的に2チーム共、来季JFL昇格のチャンスは消えたが、この試合は後々語り草となり、2チームが上を目指していく上でかけがえのない経験になるだろう。
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山口のサポーターは連敗してもチームを応援・鼓舞し続けた。
最後に勝利をサポーターに届けて選手たちも安堵の表情。
Aグループ最大のドラマはこの試合で起こった。
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両チーム共に多くのサポーターが声援を送る。
スタンドでも選手を後押しする戦いが始まっていた。
JFA優遇枠とはいえ、この大会に出場する相模原の強さは全社の戦いぶりからしてもある程度見えていた。キックオフ1分、正確には1分経っていない時点で相模原は山口から先制点を奪い取った。右サイドの金澤からのクロスを森谷が頭で決める。続いて、7分には富井のスルーパスに抜け出した森谷が山口DFを振り切ってGKとの1対1を落ち着いて決めた。開始7分間で2点をリードした相模原。この後はひたすらマイボールをロストせずに繋ぎに徹する。山口の運動量を落としにかかったのか、無理なロングパスを控えて前がかりにならずに試合を進めた。機を見て確実なチャンスに決定的な3点目を狙っていたのだろう。そのパス回しの前に山口の選手たちはほとんどボールを奪えない。まるで“鳥カゴの中の鳥”のようだった。なんと前半の山口のシュートは「0」本だった。
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開始1分経たぬうちに森谷が頭で決めて相模原先制。
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7分には再び森谷が決める。
これで勝負の大勢は決まったかに思えた…
後半に入って、その鳥はカゴの綻びを見つけ出す。相模原に疲れとミスが目立つようになってきたこともあってか、山口は徐々にリズムを掴めるようになっていった。主将・福原を中心に前半以上のプレスで相模原のボールを奪いにかかった。
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前半、相模原はDF工藤を中心に山口を封じ続ける。
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“あきらめない”という言葉がにじみ出る。
福原を中心に山口は前を向き続けた。
試合を決める追加点を焦り出す相模原を尻目に、68分に山口は右サイドを駆け上がった碇野のクロスから柏原がヘディングシュートを決める。山口はなんとこれが68分間で初めてのシュートだった。前半からスペースさえあれば、攻め上がっていた碇野の献身的な攻撃参加がここで効いた。76分にはFW吉田を投入して、更にもう1点を狙いにかかる山口。1点を返して、勢いが出た。選手たちが見違えるように動くようになっていた。試合の流れは完全に山口だった。相模原にとっては1日目のHOYOに2点のリードを追いつかれた光景が浮かび上がる。
78分、また碇野のクロスからだった。相模原はこのクロスボールに金澤と鷲田が対応したが、重なってしまいクリアボールが中途半端な方向へ。味方である工藤に当たって跳ね返ったボールはなんと山口MF田村の元へ。とっさに反応したのだろう。田村のヘディングシュートはゴールに吸い込まれた。
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田村が決めた山口の同点場面。
奇跡的に彼の頭にボールは飛んできた。
2-2の同点になって、相模原の動揺は明らかだった。それまで決定機を全くといって良いほど許していなかったチームが瞬時に崩壊したのだ。83分に秋葉とジエゴ・カンポスを同時投入して一瞬のチャンスを狙う。だが、山口の集中力はぶれなかった。
一旦山口に傾いた流れは傾くことはない。不思議なほどこれまで決定機が全く無かった山口に得点の予感を感じてしまう。ラスト10分は本当にそんな展開だった。
そして87分、山口は中盤にできたスペースに左サイドバックの安田がドリブルで持ち込む。田村へ送るとすぐに田村はエリア内へロビングボールを蹴り込む。マーカーの相模原MF坂井を越えてそのボールは柏原の頭にぴったりと合った。次の瞬間、メインスタンドはこの3日間一番の独特な雰囲気を放った。1点を返したあたりから一層チャントのペースが増していた山口のサポーターは狂喜、涙している人もいた気がする。そして、山口の勝利を確信したかのように「レノファ山口」コールを送るY.S.C.C.のサポーター、対極的に逆サイドでは、「まだ終わっていない」という逸る気持ちを抑えるかのように声量が増す相模原サポーターの姿があった。
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逆転弾のきっかけはこの安田のドリブルから…
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田村の浮き球のパスに柏原が再び頭で決めた。
レノファ山口、逆転。
試合は3-2と山口の勝利で終了。これでY.S.C.C.のグループ1位突破が決定。12月5日より市原で3日間行われる決勝ラウンドに進出する。S.C.相模原はワイルドカードにすら手が届かず来季のJFL昇格のチャンスは潰えた。
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本当に前半だけを観ていれば、非常に歴然とした差があった試合で、相模原で決まりだなと途中で帰った人もおられるかもしれない。それだけ山口の逆転劇は凄まじいものだった。それが証拠に公式記録を確認すると、山口の放ったシュートはゴールネットを揺らした3本のみ。結果的に2チーム共、来季JFL昇格のチャンスは消えたが、この試合は後々語り草となり、2チームが上を目指していく上でかけがえのない経験になるだろう。
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山口のサポーターは連敗してもチームを応援・鼓舞し続けた。
最後に勝利をサポーターに届けて選手たちも安堵の表情。
詳細なレポをありがとうございました。
お陰様で、現地に参戦できなかった私も試合や会場の様子をかなり具体的にイメージできました。
コメントありがとうございます
現地の雰囲気が伝わって何よりです。
また決勝ラウンドもこちらでアップしたいと思います。