脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

本命不在?を突破する

2011年10月20日 | 脚で語る地域リーグ
 第47回全国社会人サッカー選手権大会がその5日間の日程を終えた。3位決定戦ではShizuoka.藤枝MYFCが愛媛FCしまなみを2-1で振り切って勝利し、3位の座を射止め、関東勢同士の対戦となった決勝戦では東京都1部リーグの東京23FCが関東2部リーグでJリーグ準加盟のS.C.相模原を1-0で破って初優勝を果たした。都道府県リーグ勢の優勝は、96年の教育研究社(京都府1部)以来15年ぶり。Jリーグから数えて4部だった当時に比べると、現在はJ1から数えて6部。かつ5試合全てを無失点で乗り切るというまさに前代未聞の快挙となった。ちなみに無失点で優勝というと昨年の優勝チームであるカマタマーレ讃岐(現・JFL)が記憶に新しい。

 大会後に11月より開幕するJFL昇格への前哨戦、全国地域リーグ決勝大会の組み合わせ抽選が行われ、各グループの顔ぶれとそれぞれの会場が決定した。それぞれの組み合わせは以下の通り。
 【Aグループ】会場:福井・福井テクノポートスタジアム
 ・JAPANサッカーカレッジ(北信越/新潟)
 ・NPO横浜スポーツ&カルチャークラブ(関東/神奈川)
 ・バンディオンセ加古川(関西2/兵庫)
 ・Shizuoka.藤枝MYFC(東海/静岡)

 【Bグループ】会場:兵庫・淡路島アスパ五色
 ・クラブフィールズノルブリッツ北海道(北海道)
 ・奈良クラブ(関西/奈良)
 ・福島ユナイテッドFC(東北/福島)
 ・SC相模原(優遇措置/神奈川)

 【Cグループ】会場:高知・高知県立春野運動公園球技場
 ・デッツォーラ島根(中国/島根)
 ・HOYO AC ELAN OITA(九州/大分)
 ・黒潮フットボールクラブ(四国/高知)
 ・東京23フットボールクラブ(社会人大会/東京)

 日本サッカー協会/第35回全国地域リーグ決勝大会大会概要

 奈良クラブに話を絞れば、北海道リーグ王者、東北リーグ王者、そしてJリーグ準加盟を果たしているチームとの同居。なかなかタフなグループに入ったといえるだろう。どのチームが来ても申し分ないが、間違いなく「楽勝」とは形容できない。限りなく苦戦を強いられる組み合わせだ。しかし、先日の関東遠征で0-6と惨敗を喫した相模原をはじめ、ほとんど対戦実績のないチームばかり。相模原のテストマッチも3日目で臨んだことを考えれば、もう一度同条件下で真剣勝負を仕切り直したいところだ。間違いなく初戦から重要な戦いになる。チャンスは十分にある。相手に不足はない。挑戦者の意識を持って大会に挑まなければならないだろう。

 他のグループに目を向けると、全社枠のスライドによる地域補充枠で出場を掴んだ加古川が北信越リーグ王者・JSCと関東リーグ王者・Y.S.C.C.と全社3位で東海王者の藤枝MYFCと同居することになり、こちらも厳しい組み分けとなった。
 Cグループでは、しまなみの辞退によって出場を果たすことになった黒潮FCが全社優勝の東京23、九州王者のHOYO、中国王者の島根とどれほど戦えるか。その点では全社でビッグサプライズをもたらした東京23には一気に注目が集まるだろう。

 抽選が発表されると、いよいよという感じが漂ってくる地域決勝。「本命不在」と謳われるが、その中でいかに生き残れるか。「本命」である必要はない。何が起こるか未知の大会。この「本命不在」をいかに突破するかだ。


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2 コメント

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Unknown (カナマル)
2011-10-25 18:02:55
奈良クラブが、被災地の方々に希望と夢を届けたいと意気込みが強いであろう福島ユナイテッドと同グループになった事は、戦いを特に難いものにするかもしれません。いずれにしても予選リーグ、決勝リーグを戦い抜いてJFLへ・・・
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Unknown (yoshi:D5)
2011-10-25 23:51:06
>カナマルさん
コメントありがとうございます。

そうですね。確かにそういう意味では福島の団結力は侮れません。
でも、逆を返せば最高の相手と戦えることでもあります。
ここを突破できれば、必ずや決勝ラウンドも勝ち抜けると信じています。
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