脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

唯一無傷の3連勝で予選リーグ1位突破

2011年11月03日 | 脚で語る奈良クラブ
 KSLカップは予選リーグの最終節を迎え、大和高原ボスコヴィラでは2連勝の奈良クラブがラランジャ京都と対戦。終始試合のペースを握った奈良クラブが4-0で勝利し、終わってみれば全グループで唯一の無敗突破。5日からの決勝ラウンドに駒を進めた。

 カップ戦ではここまで全試合で微妙にメンバーやポジションを入れ替えつつ戦う奈良クラブ。この日も日野、牧、蜂須賀をベンチに温存して新たな布陣。特に檜山と辻村剛を前線で組ませたコンビは前半から縦横無尽。開始1分で檜山がGKと1対1のチャンスを作れば、その直後にCKに三本菅の強烈なヘッドでゴールを強襲。直後に辻村剛のシュートがバーを叩くなど序盤から大きなチャンスを立て続けに作った。これらが決まっていれば試合はまた大きくの展開を変えていただろう。案の定、この後先制点を奪うのに苦労することになる。

 ただ、スロースタートなチームのことを考えると非常に安定感のある試合だった。守備でも随所でGK星野、橋垣戸、眞野が好プレーを披露。いつも以上に守りも盤石で、それほど攻守にバタバタする時間もない。相手の運動量が落ちるのを待って…ということも含めて得点数は期待できる試合だった。
 30分に、左サイドを駆け上がった吉田の速いライナー性のクロスをゴール前でフリーになっていた辻村剛が走り込んで合わせる。これで先制することに成功。それまでに決定機逸の場面が目立ったものの、これでようやくリードを掴み余裕ができた。

 後半に入って次々に選手を替えながら、運動量の落ちてきたL京都相手に攻め込む。相手の守備がルーズになってかなりスペースが空くようになっていたので、嶋がスピードを活かして加点すれば、辻村剛が岡元とのワンツーから抜け出して更に1得点。それらはどれもが途中出場した選手による貢献度が高い得点場面だった。
 そして、試合終了直前のアディショナルタイムに差し掛かる頃、大塚がカウンターから裏へ抜け出してGKとの1対1を制す。昨年の天皇杯奈良県予選決勝以来の得点で、このカップ戦での完全復活を印象付ける得点だった。後半途中からの投入後、常に前線でのチェイシングを厭わず、相手の運動量を削いではそのドリブルとパスセンスで相手守備陣を蹂躙。何度かオフサイドで得点機を逃したものの、その存在感は十分。これまで1年間厳しいケガとの戦いに耐えてきた彼がようやく安堵できる瞬間がやってきたのかもしれない。地域決勝前に大塚の完全復活はこれ以上ないプラス要素だ。

 予選リーグをこれで3連勝で突破。すぐ2日後に迎える準々決勝の相手は、奇しくも地域決勝に共に駒を進めたバンディオンセ加古川。9月の桃源郷での敗戦もあって、これ以上ないタイミングでの再戦だ。他のカードはDiv2のチームがDiv1のチームに挑戦するという構図だが、このカードはDiv1の1位対2位の直接対決。満を持して地域決勝前に素晴らしい真剣勝負の場が与えられたものだ。内容にこだわってしっかり戦ってほしい。


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