脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

Eu sabia!!

2008年01月07日 | 脚で語るJリーグ


 心待ちにしていたプレスリリースが飛び込んできた。今季よりFC東京からFWルーカスが完全移籍にて、そしてインテルナシオナル(ブラジル)からDFミネイロが入団することが正式に発表された。

 おそらく昨年末から水面下で決定していたであろうが、クラブの仕事初めに合わせてというタイミングであろう。とにかくこれで今季のチーム編成が少しずつ見えてきた。これでマグノの電撃退団とシジクレイの退団を補うピースは揃ったわけだ。
 ルーカスに関しては、運動量豊富に前線の高い位置からフォアチェックを怠らず、ポストプレーに長けている。かつ昨季は12得点、J1通算48得点と得点能力も申し分ない。セカンドトップとして非常に計算の立つ選手で、バレーを1トップとして充分にそのコンビネーションを発揮してくれるだろう。元来FWの選手であるルーカスは2006年にFC東京の監督を務めたガーロ氏の方針で、そのシーズンからトップ下にコンバートされたが、個人的には最前線より1列下がったところでこそ脅威となり得るプレイヤーだと思う。もちろん、戦術的に彼自身の1トップやバレーとフラットに配置する2トップも可能だろう。昨季再三見られたマグノとバレーの間にあったぎこちない関係はこれでもうおさらばだ。
 前述したように、ポストプレーを中心にルーカスは周りを生かせる選手。エゴを前面に出すストライカーとは一線を画し、「誰が得点してもいいからチームが勝つことが大事」と本人も語るようにアシスト役も惜しまない。その温厚な人柄が3年間に渡って彼をFC東京でプレーさせたようにフォア・ザ・チームを体現してくれる選手だ。バレーがもう一皮剥けるためにも最高のパートナーとなるだろう。

 DFのミネイロに関してはまだ情報が少ないが、百聞は一見にしかず。とにかく早くG大阪、というよりも日本のサッカーにフィットしてもらいたい。184cmとその上背はシジクレイの後釜にふさわしく、得点能力も兼ね備えているというから心強いばかりだ。経歴を見ていると2006年にオペラリオから移籍したアラゴアノで1年経たずにアトレチコ・パラナエンセにレンタル移籍で出ている。また1年経たぬうちにインテルナシオナルに落ち着いているわけだが、要は扱いにくい選手であれば問題ない。そこは気になるところだ。

 ここ数年、G大阪は一貫して日本国内で実績を残した外国人選手に特化して、その補強対象としてきた。もちろん、それは日本のサッカーに順応できている計算の下に即戦力として早々に活躍を見込めるという点が大きいのだが、逆に日本初参戦となる選手には正直「蓋を開けてみないと・・・」という一抹の不安が拭えないのは正直な心境だ。2004年に加入したフェルナンジーニョ以来、西野体制では即戦力に相応しい外国人枠で、日本国内で実績を残した選手以外は獲得していない(2006年に在籍したルーカスはほぼ練習生同然、対象外とする)。これまでMFマルセリーニョ、DFチキアルセ、MFガレアーノといった日本初参戦となる外国人選手が西野体制では在籍したが、いずれの選手もシーズンをまたぐことは無かった。その中で今季獲得した日本初参戦となるミネイロには長い目で見てもチームの主軸となってもらい、その悪しきイメージを払拭してもらいたいものだ。

 今季はリベンジとなるACLを戦い抜くためにも選手層の厚みの幅は必須課題となる。W予選を控える日本代表勢を多く有するG大阪にとっては例年以上にタフなシーズンになる。そのためにもチーム編成で歪みは許されない。前述のこの2選手がチームにフィットするのを願うばかりだ。
 また、連日スポーツ紙を賑わす日本人選手の補強も問題なく決定していくだろう。快足が持ち味で右サイドのバックアッパーとなる佐々木勇人、そして是非とも前線に1枚欲しい大分の山崎雅人。彼は元ユニバー代表にも名を連ねた運動量豊富なチャンスメイカーだ。あと展開力に長けたかつての宮本恒靖を彷彿とさせるDF福元洋平あたりが現実的に正式決定を待つ駒である。

 とにもかくにも、ようやく今季のチームの骨格が見えてきたことでサポーターは安堵の溜め息を吐いていることだろう。例年のグアムキャンプ開始まで1ヶ月もない。今季は「ゼロ」からチームを組み立て直し、真に飛躍を遂げるべき年。まだG大阪は真の強豪にはなりきれていないのだから。
 
とにかくルーカス、ミネイロの2人に歓迎の意を込めて。
 Acaba com o jogo!!


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