脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

サッカーでも厳冬到来

2009年11月02日 | 脚で語るJリーグ
 この不況下で何とも寂しいニュースが続けて飛び込んできた。

 まずは、来季からのJ2降格が決まってしまったJ1・大分が資金難のためにJリーグから約2億円の融資を求める準備に入っているとのこと。これは公式試合安定開催基金という名目で資金難のクラブにリーグ側から資金調達を図るというものだ。
 これまで、J2では草津と岐阜がこの融資を受けたことがあるが、J1のチームとしては初めてのことになるという。そういえば、先日の京都戦でもアウェイ席のサポーターの多くが、長らくメインスポンサーを務めたマルハンに感謝の意を示すゲーフラを掲げていたのは記憶に新しい。現在、大分の累積赤字は推定で7億円ともいう。来季から降格する大分にとって、この財務状況で今後のインセンティブ減少はクラブ存続にも関わる死活問題。皮肉にも明日はナビスコ杯決勝戦。昨年のその舞台でカップを掲げた彼らの暗転ぶりは信じられない限りだが、主力選手の動向を含めてサポーターにとっても今季のオフは気が気でない冬になりそうだ。

 

 続いて、JFLに所属する三菱水島FCが今季限りでのリーグ撤退を表明した。三菱自動車水島の不況下による影響が原因とだいう。今後もチームは存続するようで、どのリーグに属するかは現状では未定のようだ。
 これは企業チームという問題だけでなく、万全な活動資金が確保できていないアマチュアクラブにとっても「明日は我が身」という話題である。特に今後Jリーグを目指す地域クラブにとっては、こういった企業チームが撤退するご時世に活動資金を集めること自体が至極困難なのだ。JFLといえどもアマチュア最高峰の全国リーグだけに、その加盟料や遠征交通費を考えると年間でかなりの支出額になる。幸い三菱水島はチーム自体が存続するが、地域リーグレベルのチームであれば一気にクラブの存続に関わる事態になっただろう。

 こちらの奈良でもひしひしと感じるスポーツへの厳しい逆風。この不況の煽りを受けて寒さの厳しい今冬が待ち受けている気がする。


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