脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

醍醐味増した天皇杯

2009年09月18日 | 脚で語る天皇杯
 いよいよ明日から今季の天皇杯が開幕する。第89回を迎える今大会からはレギュレーションが一新。J1も含めたJリーグ全クラブが2回戦から登場することになった。各47都道府県代表チームは1回戦を突破すれば未曾有のマッチアップを期待できる。つまり、地方の社会人チームや大学・高校チームなどがJクラブと2回戦で顔合わせすることが確実になった。これまでより早い段階で、この大会の醍醐味である「ジャイアントキリング」を見られる可能性が高まったのだ。

 全国の地域リーグや都道府県リーグに属する発展途上の社会人チームには、これほどの発奮材料はないだろう。かつてはJの舞台で名を馳せた、または不完全燃焼に終わった男たちの再起の場になる可能性もある。自らの就職活動にも繋がる大学や高校チームもこれまた然りである。各地域での存在感や知名度を上げるためにも2回戦でJクラブが待ち受ける今大会の組み合わせは魅力的だ。

 こちら奈良県から初出場のチャンスを掴んだ奈良クラブも関西リーグ勢としては唯一の出場となるが、地域リーグのカテゴリーに特化すると、全国の有力チームが軒並みその名を連ねている。東北1部のグルージャ盛岡、福島ユナイテッドFC。全国最強エリアの北信越からはJAPANサッカーカレッジ、松本山雅FC、ツエーゲン金沢、サウルコス福井といった強豪揃い。四国からはカマタマーレ讃岐、徳島ヴォルティス・セカンド。中国からはレノファ山口。九州からは沖縄かりゆしFCといった錚々たるラインアップだ。
 特に昨季の大会で湘南を破り、4回戦まで進んだ松本山雅、その彼らと切磋琢磨する金沢の2チームは今大会ジャイアントキリングの主役候補。陣容はJFLのそれを上回る勢い。中国を制した山口や讃岐も十分何かを起こしてくれそうな気がする。上を目指すクラブが増え、地域リーグのカテゴリーも市民権を得てきた今日、これらのチームの奮闘が天皇杯序盤戦の盛り上がりには欠かせなくなってきた。

 さすがに最終的にタイトルを奪うのはJクラブであることは間違いないだろうが、少しでも格下チームが反旗を翻す「大金星」に期待したいところだ。