脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

欧州リーグ終演 -リスタートはいかに?-

2009年06月04日 | 脚で語る欧州・海外
 今更ながら今季のUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦は面白かった。まさに世界最強の2クラブが繰り広げた総力戦。アビダル、D.アウベスを欠きながらも圧倒的な総合力を見せつけたバルセロナの戦いぶりは今季の欧州シーンのハイライトとなるだろう。特に右サイドで奮闘したカーリーヘアの闘将・プジョルの活躍が印象に残っている。EUROを制した勢いそのままに中盤ではシャビ、イニエスタのスパニッシュコンビが躍動し、メッシはバロンドールをほぼ手中にする大活躍。リーガでの戦いも含めて、求心力著しいグアルディオラのカリスマぶりも三冠という結果に表象されている。

 CL史上初の連覇とはならなかったマンチェスター・Uも結局は国内を制した。リバプールとの優勝争いはエキサイティングだったが、やはり彼らの地力の強さは群を抜いている。CLの決勝にパクチソンがスタメン出場を果たしたことでアジアでの彼らの人気にも拍車がかかるだろう。
 そんな赤い悪魔に対抗馬として一歩及ばなかった今季のチェルシー。危なげない試合運びでFAカップ優勝を果たし、何とかヒディンク体制での“結果”を最後に出すことができた。アネルカがプレミアリーグでもトップスコアラーに輝きその能力の高さを証明。ランパードはおそらくキャリア全盛期ともいえる出来を披露したシーズンだった。故にやはりこのチームには長期にわたって指揮を執る監督が必要。スコラーリの解任とヒディンクの暫定指揮は改めてその問題を浮き彫りにしてくれたといえる。5月6日のスタンフォードブリッジであれだけ圧倒しながらアウェイゴールの1発に沈んだバルセロナ戦は、そんな彼らが越えられなかった壁だったのかもしれない。来季からはアンチェロッティの就任が発表された。本格的に腰を据えてチームを栄光に導く指揮官になれるのか注目だ。

 マルディーニ、フィーゴ、ネドベドと、往年の名選手がそのキャリアに終止符を打ったセリエAでは、モウリーニョ率いるインテルがきっちりと結果を残した。サラゴサから加わったD.ミリートに導かれたジェノアの躍進がカルチョを沸かせ、ボローニャのベテラン・ディバイオも最後まで得点ランキングトップを争い魅了した。最終的にはスクデットを奪取したイブラヒモビッチの抜きん出た才能がひたすら目立ったが、そんな彼らもUEFA CLの舞台では振るわなかったのはイタリア勢の悩ましい現実である。

 各リーグ終了後、早くも新監督、選手の移籍など動き出している欧州のシーン。“プレミア天下”の潮流をストップさせたバルセロナの改革は他クラブにとっても大きな刺激となったはず。彼らに続けとばかりに各国の列強クラブが財力と知恵を振り絞って来季にどう臨んでくるか、これからのストーブリーグも目が離せない。