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脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

フルスロットルの30分 -G大阪VS柏-

2010年11月18日 | 脚で語るガンバ大阪
 第90回天皇杯全日本サッカー選手権大会はJリーグ勢のみでの4回戦に突入。万博では前回まで連覇中の王者・G大阪が延長戦まで柏ともつれ込みながら4-1で勝利。ベスト8進出を果たした。

 

 気温は10度を切るナイター試合。観客は寂しいながらも試合は延長に入ってからG大阪お得意の大味な展開が待っていた。101分のレアンドロの退場もあって柏の運動量が落ちたこともあって、スコアレスで折り返した前半が嘘のような延長戦での3得点奪取だった。

 
 古巣との久々の対戦となった明神。
 この試合でもピッチを縦横無尽、コンディションの良さを感じる。

 
 ベテラン・北嶋を中心に来季のJ1昇格を決めたばかりの柏。
 破竹の快進撃を見せるJ2の勢いそのままに王者に挑む。

 2日前のリーグ・広島戦のメンバーからMF橋本、FW宇佐美に代わって、MF二川、FW平井が先発に名を連ねたG大阪。前半から決定力に欠けた展開で、試合のペースを握るもののゴールは遠い。14分、イグノの左からの折り返しを遠藤がシュートするが、わずかにゴール左へ。26分には二川、42分には明神が加地の折り返しにシュートを見舞うがわずかにゴールには届かない。前半は非常に閉塞感の漂う45分間となった。

 
 前半からポストプレーに徹したイグノ。
 動きは悪くなかったが、57分にルーカスと交代。

 
 柏の林は明治大時代に天皇杯で活躍(3試合出場5得点)
 19分には決定的なチャンスも。

 
 前半から柏はMF栗澤を軸にしたカウンターを展開。
 中盤のスペースを彼に再三ドリブルで持ち込まれた。

 スコアレスで折り返した後半、先制したのは柏だった。50分に左サイドからの藏川の折り返しをレアンドロと繋がれ茨田にシュートを決められる。前半から再三カウンターを仕掛けられていたにも関わらず、相手のミスで助かっていたG大阪だったが、ここでビハインドを負うこととなった。

 
 柏が50分に茨田のゴールで先制。
 ユース出身の19歳。

 
 1点を追いかける状況で宇佐美が57分に登場。
 果敢にボックス内で勝負を仕掛けた。

 
 同じくルーカスも57分から登場。
 緩急つけたボール捌きで前線に躍動感を与える。

 結果的に前述した広島戦との変更点である二川、平井の動きはミスも多くイマイチだったが、約1ヶ月前に万博で行われた3回戦・栃木戦同様、75分に投入された佐々木によってチームは大きく変化した。81分に同点弾を決めると、延長終了間際にはルーカスの4点目を右サイドからアシスト。運動量の落ち込む柏に対して、躍動した佐々木の存在は延長戦でのG大阪の戦いを大きく支えた。

 
 81分に同点ゴールを佐々木が決める。
 二川、遠藤のコンビネーションから相手の裏に飛び出した。

 
 攻撃よりも守備面での奮闘が光った安田理。

 
 昨季までG大阪でプレーしていたパクドンヒョク。
 積極的なプレスで古巣に牙を剥く。

 
 
 延長に入って3分、宇佐美が倒されてPKのチャンス。
 キッカーはもちろん遠藤、難なく決めて逆転。

 
 101分には、2枚目の警告でレアンドロが退場処分。
 1点を追う柏はかなり戦況が厳しくなる。

 
 
 カウンターから宇佐美がGKとの1対1を制す。
 得意のパターンで試合を決するには十分な一撃。

 
 終了間際にはルーカスが決めて4-1に。
 延長戦だけで3得点の巻き返しでG大阪が逆転勝利。

 栃木、柏とJ2勢に連続で苦戦しながらも、3連覇へジワジワ勝ち進むG大阪。これでベスト8進出となったが、次の相手はナビスコ王者・磐田を僅差で破った浦和(対戦は12/25)。この週末にその前哨戦ともいえるリーグでの試合を控えている。勝点差で首の皮一枚繋がっているリーグ、そして3連覇を狙う天皇杯とシーズン終盤になって、好敵手・浦和の壁を乗り越えなければいけない展開となった。

その男、ルーカスにつき -G大阪VS広島-

2010年11月15日 | 脚で語るガンバ大阪
 J1も残すところ5試合。初優勝へ向かって独走する首位・名古屋とそれを追走する2位・鹿島、3位・G大阪までわずかに優勝の望みは残っている。30節の今節は下位陣では、最下位・湘南と17位・京都が共に敗れて来季のJ2降格が確定。まだ優勝にわずかな望みを残すG大阪はホーム万博で広島を迎えた。

 

 夏以降あまり負けの込んでいない好調な両チーム。直近10試合ではG大阪が6勝1分3敗、広島は5勝4分1敗。特に広島は11月3日のナビスコ杯決勝では磐田にこそ敗れたものの、得点を量産する李を中心にかなり好調。残り5試合負けられないG大阪にとっては厳しい試合となった。

 開始序盤こそ広島に押し込まれるが、10分に相手のミスパスを受けたイグノがそのままゴールへシュート。これが決まって幸先良くG大阪が先制する。しかし、その後は攻めきれず、むしろ広島の好機をことごとくGK藤ヶ谷の好守で切り抜ける危うい展開が続いた。

 
 
 10分にイグノが先制点を挙げる。
 相手のミスをきっちり逃さなかった。

 
 久々の万博凱旋となった広島FW山崎。
 レンタル移籍ながら広島では主軸になっている様子。

 
 その山崎と幾度となくマッチアップした中澤。
 守備の要としてしっかり最終ラインを統率。

 凡戦の感が否めない試合は、G大阪にとっては先制点以降なかなかチャンスを掴めない。後半に入ってすぐにイグノがヘッドで広島ゴールを強襲するものの、広島の守護神・西川がそこには立ちはだかる。そして、後半の開始時からG大阪には動きの芳しくなかった宇佐美に代えて、負傷から復帰後、久々に万博へのカムバックとなったルーカスの姿があった。彼が停滞気味の凡戦に物足さを感じていた観客に大きな歓声を与えることになる。

 
 前線では思うようにボールを受けられない宇佐美。
 相手の執拗なマークにも苦しんだ印象。

 
 相手ボールになった際に最初のチェックが速かった武井。
 明神らを十分カバーする存在に。

 
 広島はパフォーマンスでお馴染みの槙野がキーマン。
 後半には何度も強烈なシュートを見せた。

 61分、左サイドからのFKを得たG大阪は、このチャンスに遠藤のキックからルーカスが見事に頭に合わせて追加点を生み出す。最近、彼に関しては来季の去就を巡る噂が飛び交ったばかり。“退団濃厚”とも伝えられる彼のゴールに万博は沸く。思わず、彼が中心となってアジアを制した08年シーズンの情景を思い出してしまった。凡戦の中で光る彼の存在感は、この得点で改めて万博の観衆に刻みつけられただろう。

 
 
 
 追加点の遠い展開にあってルーカスの一撃は光った。
 苦しい試合で決めてくれるといえば、彼だ。

 
 無失点で90分を切り抜けたのは彼の活躍によるもの。
 再三のビッグセーブでチームの勝利に貢献。

 2-0とリードした後も再三広島にチャンスを作られるが、前半から続くGK藤ヶ谷のファインセーブもあってこれを切り抜ける。その結果、2-0で広島を下したG大阪が優勝前線に何とか留まる勝利。首位・名古屋と2位・鹿島を追走し続ける残り4試合となった。

 
 前半限りで交代となった宇佐美。
 正直、もう少し見たかったところ…

 
 在籍3年目のルーカス。
 今季、彼が得点を決めた試合は無敗。
 果たして来季の去就は…!?

勝利できれば全て良し -京都VSG大阪-

2010年10月24日 | 脚で語るガンバ大阪
 J1は第27節を迎え、西京極総合運動公園陸上競技場ではJ1残留を目指す17位・京都と逆転優勝を狙う3位・G大阪が対戦。前半こそ京都の奮闘でスコアレスで折り返す展開となったものの、後半は途中出場の佐々木と得点ランキング2位の平井が今季14得点目となるゴールで加点。京都の反撃を1点に抑えて逃げ切った。

 

 9月11日の神戸戦で勝利して以降、また厳しい戦いを強いられている京都。前節からボランチを染谷と安藤の2人が起用されており、その清水戦では終了間際に追いついて何とか1-1と追いついた。しかし、そこに立ちはだかるのが現在8月からの12試合でわずか2敗しかしていないG大阪。首位・名古屋とのポイント差は26試合終了時点で8ポイント。2位・鹿島と猛追する構図になっているが、この試合で星を落とすことはほぼ優勝前線からの完全な脱落を意味する。ルーカスこそ負傷で欠くものの2試合で3得点と復調気味のFW平井と今季完全にレギュラーに定着しつつある宇佐美の2人で試合を決めたいところ。

 
 西京極のアウェイスタンドは完全にG大阪サポーターで埋まる。
 ホームを圧倒するこの力を背に落とせない試合。

 試合は予想以上に京都が積極的な攻撃を仕掛ける。ルーズボールをしっかり拾う京都がディエゴ、ドゥトラ、渡邉、中山らを軸にサイドから攻め立てた。G大阪には元気がなく、遠藤や前線の平井、イ・グノがほとんどボールに触れない時間が続く。3分のドゥトラのボレーシュートはわずかに枠外に難を逃れたが、6分にはそのドゥトラとの連携からディエゴが放った強烈なシュートをGK藤ヶ谷が何とかセーブする。

 
 試合開始3分、京都FWドゥトラがこのシュート。
 中山の折り返しをボレーでG大阪ゴールに迫った。

 
 すっかり欠かせない存在になってきたDF高木。
 カバーリングとフィードで最後尾からチームに貢献。

 
 前半から攻勢の京都を安田理が体を張って阻む。
 ナイスクリアも含めて大忙しとなった前半だった。

 前半にG大阪はシュート2本と京都に抑え込まれた。加地と安田理が守備に追い込まれ、ほとんど前線に顔を出せない。宇佐美のドリブル突破からチャンスを見出したいG大阪だったが、まさかの完全沈黙で前半を折り返すことに。

 
 DF増嶋が加地とマッチアップ。
 CBながら攻撃参加。

 
 華麗なワンタッチプレーで周囲にボールを捌く。
 柳沢は気迫に満ちたプレーで京都を引っ張る。

 
 橋本はボールキープの際にもなかなか前を向けない。
 インパクトを残せず、なんと前半で交代することに。

 
 攻め込みながら1点が遠い京都。
 先制点を取れないことは大きく後半の行方に響いた。

 完全に抑え込まれているG大阪、西野監督は後半に武井、橋本に代えて佐々木、明神の2人を投入。すると、早速46分に安田理のドリブルから放り込んだクロスに宇佐美が頭で合わせて京都ゴールを強襲、50分にはイ・グノのパスを受けた遠藤が惜しいミドルでゴールを狙うなど徐々にリズムが生まれてくる。後半のG大阪の著しい復調には後半から入った明神の存在が大きかった。持ち前の運動量でフリーになってボールを受けることが多く、また彼自身もフリーでボールを左右前方に散らしていく。守備時には前半京都に譲り渡す場面が多かったセカンドボールを彼が拾うことでマイボールに繋げることができた。

 
 ディエゴを後半から出番となった明神がマーク。
 後半の流れを一転させる要因に。

 
 G大阪のスーパーサブ・佐々木。
 後半から登場するなり、ドリブルでリズムを作る。

 
 こうなれば、前半存在感の無かったイ・グノも元気に。
 時折ドリブルで速攻の起点になった。

 前半と見違えて自分たちのチャンスを量産するG大阪は、66分に相手ボールをカットしたイ・グノからボールを受けた遠藤がセンターサークル付近から一気にエリア手前の佐々木にスルーパス。これに直接走り込んだ佐々木が直接シュートを決めて待望の先制点を奪う。完璧な遠藤のパスがピッチを縦断。前半には全く見られなかった光景だった。

 
 66分、この遠藤の狙い澄ましたパスから…

 
 
 
 
 佐々木が走り込んで先制点となるシュートを決める。
 看板を飛び越えてサポーターの前で歓喜。

 この先制点で勢いづいたG大阪は、69分にも見事な連携で追加点をゲット。相手のロングパスをカットした明神から遠藤、イ・グノへ繋ぐと、エリア右から中央の宇佐美へ折り返す。これを宇佐美がコントロールしてシュートを放つと、京都GK守田が一度は弾くが、このこぼれ球に平井が詰めた。今季14得点目と得点王争いに大きな1点となった平井だったが、何よりもエリア内の狭いスペースで見事にワンタッチでシュートへと持ち込んだ宇佐美の能力が光ったシーンだった。

 
 69分、ほぼ宇佐美の得点という場面。
 平井が詰めて貴重な追加点。

 
 本当に18歳とは思えない宇佐美のプレー。
 ドリブルの姿勢とシュートへの振り抜きが速い。

 G大阪が先制した後、京都は西野、中村太、中村充と積極的に選手を入れ替え、79分に安藤が1点を返して一矢を報いる。その後もあと1点を追いかけるが、リードを得たG大阪は崩れない。

 
 京都も安藤(左)が1点を返して反撃態勢といきたかったが…

 
 
 81分には佐々木のスルーパスを受けたフリーの平井が…
 GKとの1対1を決められない…

 結局、2-1で逃げ切ったG大阪が内容が悪いながらも、後半だけでその強さを見せつけた試合となった。昨日神戸に勝った名古屋との差は依然8ポイント。2位・鹿島とは同ポイントで得失点差の激しい争いが続く。しかしながら首位の名古屋も調子を落とす気配は無さそう。既に鹿島、名古屋との直接対決が終わったG大阪としては逆転優勝には厳しいながらも現在の調子を維持するほかない。明神の帰還、平井の復調、イ・グノの本領発揮は大きなプラス材料。山形戦のような取りこぼしは避けたいところだが、調子が上向きになったところでポロっと星を落としてしまうのがG大阪の悪癖。果たしてあと7試合を経た今季の終わりにはどうなっているのだろうか。

夏場は負けない -G大阪VS鹿島-

2010年08月18日 | 脚で語るガンバ大阪
 非常にタイトな夏場のJリーグ。J1は19節に突入し、火曜日開催の4試合が行われた。上位への足掛かりを狙う6位・G大阪は3位に位置する鹿島と対戦。約1か月ぶりの万博での試合は満員の観客に埋め尽くされながら1-1でドローに終わる。これでG大阪はACLも含めて万博で12試合連続無敗となった。

 

 14日に仙台を3-1で下し、リーグ4連勝中のG大阪。清水との首位決戦を落として7試合ぶりの黒星となった鹿島は、前節FC東京に1-1の引き分けとややブレーキ気味。どちらも土曜の試合からわずか中2日の強行日程ながら、リーグ屈指の人気カードがこの時期にアサインされているとあっては観客も集まる。注目の一戦は双方上位を狙うためには譲れない試合となった。

 
 試合前には前節300試合出場を果たした二川へ花束が。
 本当に代表に縁が無いことが不思議でならない選手だ。

 G大阪は加地が警告累積による出場停止で、代役に抜擢されたのはなんと武井。王者・鹿島相手に何ともギャンブルな采配だったが、これが序盤に試合を動かすこととなった。6分、鹿島の左サイドのスローインから興梠が簡単に中へ折り返す。すると、ニアサイドへ走り込んできた大迫が角度のないところからヘッド。これが決まって鹿島が早い時間帯に先制する。リスタートの後に興梠に対する武井の寄せが甘かったが、スローインの際にゴール前で高木を置いていった大迫の動き出しも見事。昨季から全く勝てていない鹿島にG大阪は早速先制パンチをお見舞いされる。

 
 
 リスタートからゴールを狙った大迫の先制点。
 まだ今季は3得点目というのが意外なところ。

 いきなり1点を追う展開になったG大阪は、なかなかファーストシュートまで辿り着けなかった。遠藤がほとんど自由にボールを持てず、鹿島の最終ラインを突破できない。おそらくファーストシュートは17分の明神のミドルだっただろう。しかし、それを機に徐々にリズムを掴んでいくG大阪。19分には橋本のパスを受けた平井のシュートがわずかにゴール右へ外れる場面。21分には左サイドからの二川によるクロスに2試合ぶりに先発のイグノが飛び込むが惜しくも決まらない。22分には遠藤、26分には橋本がミドルを放つなど、例年攻撃力が売りのG大阪がいつ同点にしてもおかしくない展開が続く。

 
 前半の序盤から遠藤が抑え込まれる。
 鹿島のプレスは慎重だった。

 
 2試合ぶりに先発のイグノ。
 万博での移籍後初ゴールが期待されたが・・・

 
 二川はこの日もチャンスを再三演出。
 昨季のカシマでの大敗時には一矢報いた。

 鹿島は前半にフェリペと野沢が流動的にポジションチェンジ。サイドからはジウトンが走力を生かした突破を見せるなど、緊急起用の武井にとっては厳しい戦いを強いられる。特にジウトンのアーリークロスは脅威だった。しかし、追加点には遠くどこか連戦の疲弊感が王者からは色濃く漂う。

 
 絶好調の平井には岩政の壁。
 次のW杯ではこの2人が代表の主力として躍動してほしい。

 
 中田を中心に固い鹿島の守備。
 思うようにボールを運べないG大阪。

 
 新井場は古巣との対峙。
 内田のシャルケ移籍で主戦場は右サイドへ。

 後半に入って、鹿島は小笠原に代えて青木を投入。前半の交錯プレーで頭を打ったのか交代の目的は定かではないが、疲れの見える両チームの攻防は采配の妙も大きく影響しそうな1点を争う展開。53分にはイグノが鹿島ゴールを脅かすがあと一歩ゴールが遠い。56分には見事なボールタッチで鹿島のエリア内まで侵入するなどイグノのプレーは万博を沸かす。62分には橋本のラストパスに呼応してゴールを狙うが、わずかに右に外れる。
 57分には二川に代えて宇佐美を投入。これで左サイドが大きく活性化し、チャンスボールが前線に入る場面が多くなる。時に自分でドリブルのできる宇佐美の投入は鹿島にとっては脅威。65分に鹿島・MF中田が2枚目の警告で退場処分になり、数的優位にも立った追い風のG大阪。あとはイグノにゴールが生まれるかと期待された。

 
 鹿島は後半に青木を投入。
 イグノが強烈なプレスに遭う。

 
 宇佐美は後半から登場。
 パスにクロスにドリブルに活躍。

 
 右に回ることも予想された安田理。
 気になるのはクロスの精度。

 鹿島は中田退場の影響もあって、大迫を下げて大岩を投入、守備に徹する意思表示を見せる。対してG大阪は武井、イグノを諦めての佐々木、チョジェジンの投入。守勢に回る鹿島を相手に何としてでも同点に追いつきたいメッセージの現れだった。この采配が結果的に同点弾を導くことになる。
 敗戦濃厚かと思われた後半のアディショナルタイム突入直前、左サイドで粘った安田理からボールを受けた宇佐美が中央へフィード。これをチョジェジンが渾身のジャンプヘッドで落とすと、間髪入れずに橋本が豪快なボレーシュート。これが決まってG大阪が同点に追いつく。なんと橋本は5試合連続の得点。まさに大車輪の活躍で試合を1-1の引き分けに持ち込んだ。

 
 チョジェジンと佐々木の同時投入。
 イグノは次戦以降の活躍に期待。

 
 橋本が渾身の同点弾。
 その手前で宇佐美も咆哮する。

 印象に残ったのは橋本の攻撃的な姿勢。現在のG大阪の中盤で最も躍動しているのではないだろうか。チャンスに橋本が顔を出すというぐらい攻撃に積極的に絡んでいる。5試合連続得点も頷ける気がする。W杯や同僚の遠藤の活躍にもに刺激されたか、今季の橋本は本当に一味違うようだ。
 ただ、試合は1-1の引き分けに終わったが、同点直後のアディショナルタイム、興梠にあわやという場面はいただけなかった。得点を奪った後での浮き足立った状態で食らう失点のダメージは大きい。結果的にリーグ優勝に終わったが、この1試合勝っていれば・・・という意味では05年の万博での鹿島戦(△3-3)を彷彿とさせる。
 勝てなかったことよりも負けなかったことの方が価値のある試合だっただろう。昨年同様、夏場に恐ろしく強い。まるで今季開幕当時のリーグ5試合連続未勝利というのが嘘のようだ。ここで首位・名古屋に挑めるのはタイミングが良い。

 
 次戦はいよいよ首位・名古屋との一戦。
 夏場に負けない強さ、どこまで続くか。

空と同じく曇天模様 -VS京都-

2010年07月14日 | 脚で語るガンバ大阪
 W杯が終わり、いよいよ国内ではJリーグが再開。ミッドウィークのこの日はACL参戦チームの順延分の試合が行われ、G大阪は京都とホーム万博で対戦。後半開始直後に平井の今季8点目で先制するが、追いつかれ、再び突き放せず1-1のドローに終わった。この結果、J1の18チームが12試合消化で並んだが、G大阪は3勝6分3敗という結果になっている。

 

 試合後に万博に響いたブーイングは、1-1で終わった物足りなさだけでなく、12試合で3勝しか挙げられていないチームへの不満そのものだろう。W杯中に夏期グアムキャンプを終えてブラッシュアップしたかと思いきや、前半から決定機はなかなか迎えられないG大阪。そればかりか京都のFW宮吉やドゥトラに決定的なチャンスを与えてあわや失点という局面も散見された。藤ヶ谷の好守もあって難を逃れたG大阪だったが、チャンスらしいチャンスは28分に見せた右サイドの橋本の突破しかなかったのではないだろうか。W杯後の休養で遠藤を欠いているとはいえ、代わりに起用された武井が明神と組むボランチは完全に守備的なものでなかなか前にボールを押し進められない。中断前から目立つ前線の閉塞感は相変わらずで、効果的な溜めとダイレクトプレーがなかなか見られずに苦しんだ前半だった。

 
 G大阪は11位という位置。
 遠藤を欠いた布陣で再開後初戦に臨んだ。

 
 前半の序盤から加地とドゥトラが激しくマッチアップ。

 
 明神は相変わらずの献身ぶりが光ったが報われず。

 後半に入ると、開始2分に武井のスルーパスを相手DFが処理ミス。これを平井がしっかり狙って直接ゴールに沈める。その3分後には加地のクロスにルーカスがヘッドでゴールを肉薄(これはオフサイドポジションだったが…)、58分にはペナルティアーク付近からルーカスが強烈なシュートを打ち込むなど、後半立ち上がりの攻勢でG大阪がペースを握っていくかと思われた。ところが、この直後に先に京都が一気に2枚のカード(加藤、中村)を切って修正に出る。すると60分には宮吉のボールキープから与えたFKで決定的なチャンスを許すと、その直後に京都の猛攻をクリアしたボールを角田に拾われシュートを決められた。加藤と中村の投入で明らかにボールを動かせるようになった京都。G大阪はラインが下がってしまい、相手のプランの思うつぼになってしまった。角田の同点弾の直前、左サイドを安藤にぶち抜かれてクロスを放り込まれているが、この時点で失点は覚悟という状態だったかもしれない。

 
 47分、平井がケネディに並ぶリーグトップタイの8得点目。
 中断前からの好調さを見せつけた。

 
 
 角田に決められた同点弾は62分。
 フリーの相手に完全に寄せが遅れた。

 
 二川も遠藤の分の仕事はこなせず。
 相手の執拗なマークに苦しむ。

 一進一退の攻防はその後得点が生まれず。G大阪は74分に佐々木、84分に宇佐美とチョジェジンを投入するものの、6分間では何もできない。結局流れを引き寄せられず試合終了。逆転優勝を狙うG大阪にとっては不完全燃焼の感が否めない試合となった。おそらくこのドローは京都にとっての収穫の方が大きかったのではないだろうか。

 
 佐々木が途中出場もチャンスには絡めず。

 
 宇佐美ももうちょっと早い時間帯から見たかった。

 12試合で3勝という数字は上位3チーム(清水、名古屋、鹿島)が7勝していることを考えればかなり苦しい状況だ。今節は出場できなかったがイ・グノが加入したことでFWの先発争いは熾烈なものになる。しかし、それが今から逆転優勝への勝利に直結するかというと微妙な気もする。やはり開幕からの5試合連続未勝利がじんじんと響いている。まずは毎試合のように喫している失点を減らすことが急務だろう。
 

逃げ切れない乱打戦 -VS川崎‐

2010年05月07日 | 脚で語るガンバ大阪
 徐々に若手が台頭してきたとはいえ、ACLと並走するシーズンにおいてリーグでは負傷者もあり苦戦が続くG大阪。GW最終日はACLは敗退が決まったもののここまで2連勝と持ち直している川崎をホーム万博に迎えて対戦。一時は3-1と2点のリードを手にするも、まさかの3失点で4-4とドロー。名古屋の敗退もありこのドローで2位に浮上した川崎に対して、12位と順位も下降してしまった。

 

 この数試合お馴染みとなっている山口、高木、中澤の3バックに8節のFC東京戦からルーカスが復帰。宇佐美もレギュラーとしてリーグ初得点を記録するなど、布陣変更と新旧メンバー融合が進んできたG大阪。しかしながら、これまで外国人ストライカーを軸に据えて掲げてきた「撃ち合い上等」の看板は色褪せており、それが戦績にも反映されている。この川崎戦も一時は2点のリードとしながら立て続けに失点して試合を振り出しに戻され、敗戦に近い失意の引き分け。宇佐美のリーグ2得点目や二川との好連携、遠藤の復調など好材料はあるものの全体的な守備面での修正に苦戦を強いられている。

 
 攻撃的な高い位置でプレーする加地。
 サイドからの攻撃参加だけでなく機を見てシュートも狙う。
 
 
 宇佐美はチームの得点源になりつつある。
 この試合では頭で先制点を決めた。

 
 宇佐美やルーカスと好連携を見せる二川。
 59分にはワンツーからの鮮やかな崩しで追加点を挙げた。

 
 ルーカスは復帰後好調の様子。
 63分に彼の得点で勝利をグッと引き寄せたかに見えたが。

 
 前半からMVP級のセーブを連発していたGK藤ヶ谷。
 しかし、彼の活躍が報われない展開になろうとは・・・

 
 W杯本大会を控えた遠藤も復調は明らか。
 しかしながらチームの結果が追いついてこない。

 
 3バック制となり定位置を確保した高木。
 しかしながら最終ラインが安定したとは言い難い。

 「撃ち合い上等」のG大阪を1人で打ち破ったのは川崎の楠神。71分の交代出場から20分でハットトリックを達成。特に2点目は狙い澄ましたエリア手前からのミドルシュート。82分にはG大阪が明神の得点で再びリードを手繰り寄せるものの、ロスタイムに突入した直後に山口のクリアミスを逃さなかった楠神に2度目の同点弾を許す。

 
 川崎は1-3という状況から途中交代の楠神が・・・
 レナチーニョのシュートのこぼれを押し込む。

 
 
 90分を過ぎた直後に山口のクリアミスを楠神が決める。
 4-3で試合を終えるかと思われたG大阪にとっては悪夢。

 例年「堅守」というイメージとは無縁で失点は少なくなかったG大阪。例えば昨季の同時期、同じく10試合を終えた段階での得失点は26得点15失点という内容だった。それが今季は18得点17失点。加えて引き分け及び1点差敗戦が昨季10試合中わずか3試合だったのことに比べて、今季は10試合中8試合で競り勝てていない。単純に得点が奪えず、失点を例年以上に許していれば勝てないのは当然。この状況を打開できる点取り屋も今季は核が不在というのは大きい。爆発最中で負傷離脱した平井のカムバックに期待するしかないというのが現状か。しかしながら山口を中心に最終ラインは不安定。この状況を建て直すのはなかなか難しいかもしれない。

国内初勝利 ‐VS SAFFC-

2010年03月31日 | 脚で語るガンバ大阪
 AFCチャンピオンズリーグは折り返しを過ぎ、グループステージ第4節。G大阪はホーム万博でシンガポール・アームド・フォーセズFCと対戦。安田理、平井、そしてゼ・カルロスの待望の初ゴールで3-0と勝利。Jリーグを含めて今季国内での公式戦初勝利を得た。

 
 疲労で欠場の遠藤、出場停止の中澤の穴をどう埋めるか。
 中盤では佐々木が先発。左SBに安田理、CBは山口&高木。

 
 高木は仙台戦では左SBを務めたがこの日はCBでプレー。
 山口の復帰に負けず、定位置を確保したい。

 
 ゴールを守るのは木村。無難な90分。
 徐々にチャンスを与えられるようになってきた。

 
 縦横無尽に中盤を駆け回る明神。
 遠藤が不在の中で存在感は抜群。

 
 28分、左から切り込んだ安田理が先制点を挙げる。
 できればもう少し早く欲しかった先制点。

 
 果敢にフィニッシュに絡んだ二川。
 できれば1点欲しかったところ。

 
 アウェイ戦と仙台戦に続き、平井はこの日もゴールをマーク。
 生え抜きのストライカーがいよいよ覚醒か。

 
 ラティフの突破を阻む安田理。
 今日の得点で左SBのレギュラー争いにアピールしたいところ。

 
 76分にはゼ・カルロスと大塚を投入。
 2点では足りないと言わんばかりに更にゴールを狙う。

 
 アディショナルタイム3分にゼ・カルロスがゴール。
 ここまで鬱憤を溜めていただけに歓喜が爆発する。

 
 遂に前線が結果を出し始めたG大阪。
 ホームで今季初勝利。
 平井とゼ・カルロスの今後の更なる爆発に期待がかかる。

長いトンネル ‐VS新潟‐

2010年03月20日 | 脚で語るガンバ大阪
 かなり気温も暖かくなり、J1は第3節。ホーム万博に新潟を迎えたG大阪は、今季ここまで公式戦5試合勝利に見放されている中で新潟と対戦。しかしながら0-0とスコアレスドローに終わり、その未勝利トンネルの出口は未だ見えず。

 

 今季のG大阪が苦しむ要因に「得点力不足」が挙げられる。ここまでFWの選手が挙げた得点はルーカス(河南戦におけるPK)の1得点という惨状だ。この日は、肩を脱臼した佐々木を起用するという苦しい布陣。指揮官の苦悩がフィールドに表れる試合となった。

 
 肩の負傷を押して先発出場した佐々木。
 しかし、前半のうちにチョジェジンと交代することに。

 
 新潟も開幕以降未だ未勝利。
 復帰したマルシオ・リシャルデスがゲームを作る。

 スコアレスドローとはいえ、G大阪は前半から緩慢な試合運び。ミスも多く新潟に試合を優勢に運ばれた印象だ。特にFW陣は際どいチャンスを演出することはできず、相手の堅守に阻まれ続ける。交代出場で出たペドロがわずか24分間で交代を告げられ、監督に激高しながらピッチを去るなど、今後のチームに暗雲が垂れ込めるであろう何とも後味の悪い試合となってしまった。

 
 この日も前半からフル稼働だった明神。
 「大明神Tシャツ」発売にあやかることはできなかった。

 
 W杯まであと3ヵ月を切り本大会メンバーを目指したい矢野。
 前線の起点になるもののノーゴールに終わった。

 
 サイドから中央へ良くボールに絡んでいたチョヨンチョル。
 G大阪は彼に再三中盤を切り裂かれる。

 
 明神と並んで不調のチームを引っ張る中澤。
 激しいコーチングで新潟の2トップをなんとか完封。

 
 佐々木に代わって37分に出場したチョジェジン。
 決定的な仕事はこの日もできなかった。歯痒い。

 
 わずか24分間で交代を告げられたペドロ。
 脱いだユニフォームを叩きつけ怒りを露わにする。

 
 後半に持ち直したG大阪だったが、ゴールは遠い。
 「超攻撃」と語られたチームはどこへやら・・・

 
 前線の唯一の希望であったルーカスは負傷交代。
 その状況が気にかかるところ。

 
 まだベンチが定位置のゼ・カルロス。
 チーム浮上のきっかけをこの男に託せるのか。

 ACLを併走して戦うG大阪にゆとりはない。23日にはアウェイでシンガポール・アームド・フォーシズFCとグループステージを戦う。どうやら遠征メンバーからは、ペドロ、ルーカス、遠藤が外れ、若手の大塚、安田晃、菅沼の帯同が決まったようだ。負傷と疲労を考慮してのルーカスと遠藤の処置は致し方ないとして、ペドロは懲罰的意味合いが強いのだろう。迷走するチームの方向にいち早く光明を見つけたい。西野監督も非常に頭の痛いシーズン初頭となっている。

 
 苦悶の表情を浮かべる西野監督。
 難産の9年目シーズンを迎えることになった。

 
 ホームでのブーイングは日常的な風景に。
 勝てないG大阪。容赦なく強行日程は続いていく。

4年ぶりの大阪ダービー ‐VSC大阪‐

2010年03月14日 | 脚で語るガンバ大阪
 2006年シーズン以来4シーズンぶりに大阪ダービーが帰ってきた。開幕2節で早々と対峙したG大阪とC大阪。試合は1-1と痛み分けに終わったが、37,860人が詰めかけたその盛り上がりは共に待ちわびた素晴らしい雰囲気に包まれていた。

 
 ホーム長居での開幕戦となるC大阪。
 多くのサポーターが久々のJ1をダービーで迎えることとなった。

 
 南スタンドも負けてはいない。
 勝利に飢えるG大阪サポーターもダービーを待ちわびていた。

 G大阪は中盤に明神が帰還。ここまで公式戦4試合未勝利というトンネルを脱したいところ。対するC大阪はGKに松井と最終ラインの茂庭、上本に加えてアマラウ、高橋、前線にアドリアーノという新加入選手がラインナップに名を連ねる。共に開幕戦は黒星だっただけに試合は勝利を渇望する両チームの火花が散る激しい試合となった。

 
 開始5分、G大阪が早速のチャンス。
 直接FKを遠藤をダミーに下平がゴールを肉薄。

 
 今季も乾とこの香川のホットラインは健在。
 得意のドリブルでG大阪守備陣をかき回す香川。

 
 いつもながら守備面での貢献が光った加地。
 しかしながら相手のエリア付近まではなかなか攻めきれず。

 
 その加地をサイドから再三脅かした尾亦。
 CKからも好配球を見せた。

 
 山口の代役を返上したい高木が香川を抑える。
 結果の出ないチームにあって徐々にパフォーマンスは上昇気味。

 
 0-0で迎えた65分、明神が狙い澄ましてミドルを放つ。
 GK松井が止め損ねてボールはゴールに。歓喜の先制点。

 
 
 C大阪も71分にアドリアーノが左サイドを突破。
 一気に持ち込んで同点ゴールを決める。

 
 過酷な試合日程の中フル回転する遠藤。
 この日は押し込まれた際の守備意識が光った。

 
 攻守に効いていたマルチネスと上本。
 マルチネスは深い位置から絶妙の組み立てを見せた。 

 
 かつてFC東京で共にプレーした茂庭とルーカス。
 何度もマッチアップで火花を散らした。

 
 惜しいチャンスはありながらもまたノーゴール。
 チョジェジンの覚醒は今のG大阪に最急務の課題かもしれない。

 
 アマラウと競り合う橋本。
 過酷日程も難なく乗り切る安定感は大きい。

 
 残り5分のところでC大阪は播戸と家長を投入。
 古巣サポーターからの凄まじいブーイングで迎えられる。

 天皇杯を連覇し、3シーズン連続でACLを戦うG大阪を相手に引き分けで終われたC大阪にとってはJ1復帰1年目としてポジティブな内容ともいえる試合だったかもしれない。J2時代に熟成された香川と乾からの攻撃は迫力満点で勢いを感じた。しかしながら、ACLを含めてこれで5試合連続白星に見放されたG大阪の方はかなり思案が必要な事態になってきたのではないだろうか。特に目を覆うばかりの決定力不足は深刻。これまで毎シーズン「点取り屋」ともいえる外国人FWにフィニッシュ面で依存していた事実が頭をよぎる。点を取れなければ勝利は近づかない。チョジェジンや平井の覚醒と宇佐美の積極的な起用でこの課題を打開していきたいところだが・・・
 果たして西野監督は今後どんな策を打って出るのだろうか。試合後のブーイングが表すように2カ月前に天皇杯を制したチームは早速大きな壁にぶつかっている。

生みの苦しみ -VS河南建業‐

2010年03月10日 | 脚で語るガンバ大阪
 例年より少し早く開幕したAFCアジアチャンピオンズリーグ。グループステージは第2節を迎え、G大阪は昨季中国超級リーグ3位の河南建業と対戦。3月とは思えない非常に寒いコンディションの中、1点を先取される苦しい展開で、ルーカスのPKで1点を返しながら逆転ならず。1-1で試合を終えた。今季はまだ公式戦未勝利。

 
 ペドロが戦列復帰し、左SBには下平を起用したG大阪。
 ベンチにはゼ・カルロスも。心機一転勝利を目指したい。

 
 試合はいきなり開始4分、河南が先制点を挙げる。
 このネットの突破から走りこんだチャン・ルーが決めた。

 
 中盤を所狭しとカバーする河南のMFルー・フェン。
 チェックが早く、良くボールにも絡んでいた。

 
 G大阪のGKは藤ヶ谷でなく木村が先発出場。
 天皇杯で経験を積んだ。場数をこなして成長をアピールしたい。

 
 35分にルーカスがPKを決めて1-1の同点へ持ち込む。
 閉塞感漂う前線を勢いづけたいところ。

 
 ツアーバス5台でスタジアムまで駆けつけた河南サポーター。
 ほぼ全員が鄭州からやって来たのだろうか。

 
 チョジェジンは確実に復調気味。
 落ち着いて狙ったシュートがバーに弾かれる不運も。

 
 昨季まで名古屋でプレーした河南・DFバヤリッツァ。
 守備の要としてG大阪の前に立ちはだかる。

 
 前半は封じられた加地も後半から攻撃面で貢献。
 彼の攻守における安定ぶりはG大阪に欠かせないファクター。

 
 ドリブルでチャンスを作ったペドロだったが・・・
 腰の負傷で出遅れたツケを取り戻せていない様子。

 
 河南で最も運動量豊富だったチャン・ルー。
 下平を再三苦しめた。

 
 巻き返したいG大阪。明神の代役で腕章を巻くルーカス。
 主審の判定になかなか納得できない様子。

 
 今季最大の誤算だったゼ・カルロスが後半途中から出場。
 しかし、これといった見せ場は作れず・・・

 
 伸び悩でんいる様子の安田理。
 今季もリードする下平を追いかけるシーズンになりそう。

 
 険しい表情の遠藤。
 おそらくイメージ通りのプレーはほとんどできていないのでは?
 彼の出来がチームを左右するのは言うまでもない。

 不用意なパスミス、チグハグな連携、どうも落ち着いて自分たちのサッカーが展開できない様子のG大阪。昨季からのイノベーションが思うように進んでいない。生みの苦しみといったところか。しかし、第2節を終えて2分という展開に早くもグループステージ突破への暗雲が漂ってきた。この流れを払拭する“きっかけ”をどう掴むのか。週末には4シーズンぶりとなる大阪ダービーが彼らを待っている。