恥の感覚 ③

「“幅る”“辱しさ”に“気付いて”

他に譲りたく“なる”独占に“たえられない”人間に

“なり合う”ことだと“決定しています”」

本当によくぞ意味深なキーワードを幾つも入れてくれたと思うこの文章。

他に譲りたくなる・・譲るべきとか譲るのがいいとかじゃないのは勿論で、

～りたくなる・・自分の意志でそうしたく“なる”という心の在りようは、

自然で無理がない。

「排尿したくなる」の“したくなる”のと同じだ。

排尿したくなるのはなるべくしてなっている身体の現象で、

そう“したくなる”には“なる”だけのプロセスがあるということ。

排尿したばかりでは排尿“したくならない”のは道理・・道理というほどでもないか。

本来侵す事の出来ない他の領地にまで入り込み、

他を辱めに遭わせてしまったということに気付いた、という心の経験、

それに至るそれまでのたくさんのプロセスに自覚が生まれ、

自然に出て来る心の状態が、

「他に譲りたくなる」という表現に現われているのかと思う。