歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ECJ『ロンサールの詩によるシャンソン集』

2008年09月04日 | CD 中世・ルネサンス
Chansons sur des Poémes de Ronsard
Ensemble Clément Janequin
Dominique Visse
HMA1951491

1993年録音。59分21秒。HMF。『ロンサールの詩によるシャンソン集』。フランソワ・ルニャール、ギョーム・ボニら、ほかではなかなか聴けない、マイナー作家のシャンソンが聴ける点でも貴重。ジャヌカンにもロンサールの詩に曲をつけたものがありますが、それは取られていません。

わたしはアンサンブル・クレマン・ジャヌカンが80年代?に録音していたジャヌカンのシャンソンは品がなくて大嫌いだった。でもこの『ロンサールの詩によるシャンソン集』はよかったです。かつて録音したジャヌカンのときのようなあくどさがない。洒落てる。おしまいまで楽しく聴いていられる。この録音にはソプラノがひとり加わっているんですがそのおかげかもしれない。ソプラノが入ったせいでビスのけたたましい声もやや抑え気味で、それもよかった。彼らにはいつもこんな風に歌ってもらいたい。

ボーカルは、ソプラノ、ビス自身によるカウンターテナー、テナー、バリトン、バス各1で、4声の曲では誰かがお休み。曲によってはそれにリュート、オルガン、ビオールがごく控えめに入ってきます。フランス語解説のみで、歌詞の英対訳もついてないのでくわしいことは分からないんですが…。

笹生陽子『きのう、火星に行った。』

2008年09月01日 | 本とか雑誌とか
笹生陽子『きのう、火星に行った。』(講談社文庫)読了。児童文学。中編。小学六年の山口拓馬という男の子が語り手。とくに努力しなくても勉強も運動もそこそこできちゃう男の子。この子が、体質が弱くて転地療養していた弟が久しぶりに自宅に帰ってきたことをきっかけに成長する話。

土曜日の夜中の12時過ぎてから読みはじめて、2時前までかかって読み終わりました。この手の児童文学、この夏にもっと読もうと思ってたんですけどねえ。

この拓馬という子のキャラクターがちょっとね。いい子すぎると思いました。席替えでいちばん後ろの窓際の席になって居眠りするとか、久し振りに会った弟に対して素直に優しくできないとか、そういう変化球はあるにしても、やっぱり基本的には、よくできる優等生なんですよ。勉強も運動もできて、いざとなると性格もいい子なのね。それがちょっと不満。

『篤姫』

2008年09月01日 | 演ずる人びと
きのうの『篤姫』を見ていて、家茂の役は松田翔太ではなく尾上松也あたりにやってほしかったなあとあらためて思うた。年も、松也さんのほうが早生まれで学年は上だそうですが、松田翔太と同年生まれだそうですよ。ああいう役って、やっぱり所作のちゃんとした人ぢゃないと品の良さが出ないんだよなあ。ただしあの松田公方、家茂らしい頼りなさがにじみ出てるといえば言えるか。それと、庭田嗣子の中村メイコはあれは思うに、一度だれかほかの女優さんに頼んで断られたんぢゃないかねえ。だって、庭田嗣子は、メイコさんよりももっとぐっと若かったはずなんですよ。松坂慶子の幾島ぐらいの年格好。