歌わない時間

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レオンハルト『パーセル&ブロウ作品集』

2008年09月15日 | CD パーセル
Music by Purcell & Blow
Voluntaries
Suites and Grounds
Gustav Leonhardt
UCCP-3468

1994年録音。62分31秒。PHILIPS。パーセルのオルガン曲2曲のあと、ジョン・ブロウのオルガン曲が10分くらい続いて、そのあとはパーセルのチェンバロのための曲が演奏されます。レオンハルトらしくじつに堂々とした演奏。パーセルはもうちょっとしゃれっ気もあったほうが…。でもこういうしぶい選曲のアルバムで国内盤がリリースされるのは今となってはめったにないことなので、なくならないうちにと思って早めに入手しました。

パーセル・カルテットの『パーセル名曲集』のなかにいくつかチェンバロ独奏の曲が入っていて、それがなかなか素敵だったのでほかの曲も聴きたいなあと思って探したんですが、一枚物のCDって今なかなかないのね。ソフィー・イェイツのもケネス・ギルバートのも品切れ。どうしようかと思っているところにこのレオンハルトの演奏が復活したので、とりあえずこれを聴いてみることにしたわけです。

パーセルの《チェンバロ組曲》は8曲あるんですが、ここではそのうち第2、第4、第5、第7の4つの組曲と、あとは単一楽章のごく短い独立した曲をいくつか。それぞれ、小品ながらも耳を傾けるに足る繊細な魅力をそなえています。パーセルのチェンバロ、いいですよー。フランス・バロックの影響をモロに受けてはいるんでしょうが、それだけぢゃない。なにしろイギリスはバージナルの伝統がありますからね。こうなるとほかのチェンバロ曲も聴きたくなってくる。

さいしょの《ダブルオルガンのためのボランタリー》っていうのは5分強ですがなかなか聴き応えがあります。イギリス・バロックのオルガン曲てはじめて聴いたんですが、バッハみたいな重厚長大な曲よりもわたしはこういうののほうが好きです。