歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ジョン・ギボンズ『パーセル/ハープシコードのための作品集』

2008年09月23日 | CD パーセル
Purcell
Works for Harpsichord
John Gibbons
CRC 2313

1995年録音。68分38秒。Centaur。ケンタウルスって言葉は英語ぢゃ「セントー」になるんだそうです。そのセントー・レコーヅのCDをはじめて買いました。パーセルのハープシコードの音楽のCDは、今ではエガーのも出てるんですが、このジョン・ギボンズって人のをどっかのサイトでちょっと聴きましてねえ、よかったんですよ。たまたまAmazonで購入可能だったもんで、聴いてみることにしました。8つの組曲のほかに小品がたくさん入っています。

演奏しているジョン・ギボンズについてはよく分からないです。CDの解説はギボンズ自身による簡単なエッセイみたいなもんで、略歴は載ってない。さいわいBach Cantatas Websiteに簡単ながら情報がありました。歳は書いてありませんけど、1960年代の後半に賞を受けてるってことは、だいたい40年代ごろの生まれと見ていいんぢゃないでしょうか。"The American harpsichordist, John Gibbons, received the Erwin Bodky Prize (1969), the NEC Chadwick Medal (1967), and a Fulbright Scholarship for study with Gustav Leonhardt in Amsterdam."ってことですが、最後のほうはつまり、フルブライトの留学生としてアムステルダムでレオンハルトの指導を受けたってことですか?

で肝心の演奏なんですが、よく弾いてる。音楽が停滞することなく前へ前へと進んでいく。しかも力まかせというんではなくて、曲想をしなやかに音にしていく感じ。気に入った。プレイヤーとしても充実した時期の録音だったんではないでしょうかね。

この前、ケビン・マロンの《テンペスト》を聴いて、「なかなかいいんだけどちょっとあっさりし過ぎのような気もする」と思ったんですが、同じ新大陸の演奏家によるパーセルでも、あの《テンペスト》よりこのジョン・ギボンズのほうが満足度は高いです。言うまでもなくわたしの耳の場合では、ですけどね。