歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ジョン・ルイス『バッハ_プレリュードとフーガ Vol.3』

2010年12月23日 | CD バッハ
J.S.Bach
PRELUDES AND FUGUES Vol.3
John Lewis
Howard Collins
Marc Johnson
PHCE-12003

1988年録音。60分44秒。PHILIPS。だいぶ前に買ってあったもの。なぜいきなりVol.3を買っちゃったのか、いまとなっては分からない。『平均律クラビーア曲集第1巻』のプレリュードとフーガのうち、3、10、11、13、15、19番を収録。プレイヤーはピアノ、ギター、ベースの3人のみで、ジョン・ルイスのピアノがずーっと鳴っている。ギターとベースはごく控えめに色を添えてるていど。実はわたし、原曲の『平均率クラビーア曲集』ってまだ聴いたことないんですよ。だからかな、このCDになんの抵抗もなくすーっと入っていけた。

わたしジャズについてはまったく初心者。なんにも知りません。ジョン・ルイスのこともベテランのジャズ・ピアニストってことしか知らない。でもジャズ聴いてみたいって気持ちはずっとあったんですよね。

でも、レオンハルトあたりでバッハの鍵盤曲をみっちり聴いてる人がこの録音を聴いたら、「スカスカで話にならん」て言いそう。ジャズを知らないわたしがこう言うのもナンですが、これはあくまでもジャズピアノの名盤、なのだろう。まあちょっと、ところどころ音楽が安っぽく聞こえちゃう瞬間もないではないしね。古楽マニアにはお勧めしません。わたしは古楽大好きですがバッハにはそんなに思い入れがなくて、しかも古楽以外も聞いたり歌ったりするので、それでこのジョン・ルイスを楽しむことができたのでしょう。

とにかくわたしはこの演奏気に入った。なんだろうねこの浮遊感は。はじめて味わうよ。とてもおしゃれで都会的で、でも洗練されてるばかりではなくて、心の奥の海をのぞくような深さもときどき感じた。

トラック7(Prelude No.13)とか、泣ける。バッハゆえか? それともジョン・ルイスのピアノが泣かせるのか?