歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

レコードとわたし

2010年12月08日 | 音楽について
街の子なので、実家のすぐそばにデパートがあって、その中にたしかレコード売り場があったんですよ。わたしが買ったLPはたいていそこで買ったものでした。昔のことだし、子供(中学・高校)だから、カタログを調べるなんて才覚もなかった。リステンパルトのバッハを買ったのも、カサドシュ&セルのモーツァルトを買ったのもそこ。指揮者のだれがどうとかいう情報はぜんぜんないから、なんにも悩まない。曲目と、値段で買った。リステンパルトはたしか1,000円か1,300円か、どっちかでしたよ。

カサドシュ&セルはまさにそれなんですが、SONYの2,000円のシリーズが100枚ぐらい出ていて、二三枚は買いました。ワルター&コロンビア響のモーツァルト『交響曲第40番&41番』とか、オーマンディの『田園』とか。ワルターのモーツァルトは有名でしょ。非常に雄々しい、おもおもしいモーツァルトですよね。それから、当時ワルター・カーロスの『スイッチト・オン・バッハ』もこのSONYのシリーズで出ていて、中身は聴いたことがあって、好きだったんだけど、子供心の隅に「シンセサイザーなんて邪道だ!」という思いが当時はあって、買えなかった。ま、お金もなかったんだけど。

ああ、それからイ・ムジチの廉価盤を何枚か買ってよく聴いたのをいま思い出しました。ロカテッリとか、レオナルド・レオとかね。ロカテッリの『バイオリンの技法』って協奏曲集の第1番、いちど聴いたら忘れられませんよ。イ・ムジチの音もとことん能天気に金ぴかで、よかった。『四季』はSONYのズッカーマンのを持ってたけど、これはどんな演奏だったか憶えてないです。

うーむ。同じころ読んだ本のことよか、聴いて心に響いたレコードのほうがよっぽど深く心に残っている。