歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

いま聴いてる『メサイア』

2008年12月11日 | 音楽について
12月に入ったことですし、久しぶりに『メサイア』を聴いてます。まづパールマン&ボストン・バロックのCD1を聴いて、それからガーディナーに乗り換えてCD1/3を聴いたところです。(うちのガーディナー盤は3CDの版です。)

パールマンのは、版は平均的なもので、合唱とソロは他の演奏を圧倒するというほどではないものの総じて水準よりやや上、なんですな。万人向きの演奏です。レーベルがテラークなのでマイナーなのが残念。しかしね、繰返し聴いてるとそこはかとない食い足りなさも。いい演奏なのよ。いい演奏ではあるんだけど、もうちょっと個性がほしいんですなあ。より踏み込んだ表現があったらもっとよかった。

ガーディナーのはわたしが最初に買ったCDなので思い入れもあります。1982年の録音ですがいま聴いてもまだ古くなってない。すみずみまで計算しつくされたガーディナーの演奏プランを、プレイヤーたちが緊張感をもって音にしていく。合唱の速い動きの箇所はところどころ破綻しそうになるんだけどぎりぎりセーフで最後まで歌い切るんですね。このスリルがいいの。このガーディナー盤の欠点は、細部にばかり眼が向いて、『メサイア』という作品全体の雄渾さが伝わりにくいところなんですが、何年も聴いているうちにだんだん気にならなくなりました。

このふたつ以外ではホグウッドのもまあまあ悪くないです。ピノックのは小さなキズがあちこち気になるし、パロットのVirgin盤とコープマン盤は合唱は最高なのにソロの出来が悪い。あと、まだ聴いていないものではクリストファーズ&ザ・シクスティーンの新盤には関心があります。