歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

クリスティ『シャルパンティエ/クリスマス牧歌劇』

2008年12月06日 | CD バロック
M.A. Charpentier
Pastorale
Ensemble Vocal et Instrumental "Les Arts Florissants"
William Christie
HMC901082

1981,82年ごろ録音。56分56秒。HMF。牧歌劇『我らの主イエズス・クリストの降誕』H.483と、オラトリオ『クリスマスの歌』H.414を収録。その昔、わたしがはじめて買ったシャルパンティエのCDです。わたしはこの1枚で、フランス・バロックの作曲家シャルパンティエが好きになりました。

H.483はアニェス・メロン、ジル・フェルドマン、ギュメット・ロランス、ドミニク・ビス、エティアン・レストランガン、フィリップ・カントール、グレゴリー・ラインハートの7人の歌手、器楽は指揮とクラブサンのクリスティを含めて9人。H.414は上記とほぼ同じ歌手9人に、器楽8人。2曲それぞれ、ウォルター・ファン・ハウエ、ケース・ベーケ、クリストフ・コワン、ナイジェル・ノース、コンラート・ユングヘーネルなどが参加。

H.483の内容は、羊飼いたちのところに天使が現れて、御子がお生まれになったから拝みに行きなさいという、馴染みのある話。女羊飼いのフェルドマンと第一の天使のメロンが目立ちます。それとなんといっても最初から終わりまでいたるところで吹かれるリコーダーの素朴でやさしい音色。打楽器の使い方も巧い。

H.414は12~3分くらいの短かい曲で、曲の作りはオラトリオというよりパーセルのバース・アンセムみたいです。民謡調の親しみやすいメロディーがくり返し歌われて、クリスマスの静かなお祝いの雰囲気がひたひたと高まっていく。優美で柔和で典雅なシャルパンティエの世界。

どちらの曲も終わり方がすてき。合唱のffぢゃないんですよ。最後の合唱が品よく終わったあと、短かめのリトルネロがあって、じつにしみじみと曲が閉ぢられる。

クリスティは、シャルパンティエをこつこつと録音していたHMF時代がやっぱりいいです。