企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

読んでる人は、読んでいる(あたりまえか)絶対計算のお話

2008年01月15日 | 本の紹介(ビジネス)
邦訳タイトルはどうか、と思うけれど内容はとても刺激に満ちた本でありました。古くから使われてきた統計の手法(回帰分析)を使って、様々なデータを分析してみたら、どうやら専門家の思い込みよりも正確に物事を説明できた、ということを事例を紹介しながら語っています。
医者の話、映画の話、そして本のタイトルの話、ワインの品質の話などとても興味深く読むことができました。こうした手法、ひょっとすると競馬などの公営ギャンブルにも適用できそうかも、なんて感じたりもします。紹介されている病気の症状から、可能性のある病名を挙げてくれるイザベルというソフトはなんて、じっくり見てみたいものです。しかし、日本語のサイトじゃ、なんだかあまり引っかからないなぁ。
この回帰分析ですが、もちろん、たくさんの因子について、それこそ膨大な過去データを分析して、こうこういう条件なら、どうなる!ということをはじき出すわけなんですが、その因子をどう選ぶのか?というのは重要な問題ですよね。
データ分析で多変量解析をして、この因子とこの因子が重要とか、時に線形回帰式がでてきたとして、それをどう理解するか?どうにも理解できないようなことが多々あるんじゃないか?と思うのですけれどね。
私自身は、様々な業界の企業様とお付き合いする中で、テラバイトとはいわないまでも、それなりに大きなデータを分析しております。その中で、様々な数字の関係を、リアルな観察のなかから、XとYとはこういう関係にあるんじゃないか?とか考えて検証していっているのですが・・
ある種、この本では「専門家」側の人間と捉えられてしまっているのではないか?と立ち位置について、考え直すきっかけとなりました。
とにかく、衝撃の一冊です。ぜひ読んでみてください。ビジネス本コーナーにないかもしれませんが、かなりお勧めの本ですよ。



その数学が戦略を決める
イアン・エアーズ,山形 浩生
文藝春秋

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コメント
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