企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

ラーメンはどこへ行くのか?

2007年11月06日 | 本の紹介(ビジネス)
日本の国民食といえば、寿司、おにぎり、カレー、うどん、そば、各種どんぶり、ラーメン、およびパスタというところだろうか?ファストフード系では、ピザ、ハンバーガー類も普通に食べるようになって来ているとは思うが、頻度で言えば、まだまだ先に挙げたアイテムの方が多いような気がする。こういうのは統計を見ればだいたいわかるわけだが・・。今回は、移動中につき、ネット対応も悪く、加えて食品関係の資料集も持っていないため、おいておく。
その内、うどん、そばの進化が少し停滞気味であるように思うが、それはかなり完成された食べ物であるからなのだろうか?(もっとも、一部の創作和食系のお店では、日本そばをラーメンスープに入れたり、にんにくと合わせたりしているのをみたことはあるが) 寿司は、世界に広まったおかげで、また現地から逆輸入されたものもでてきており、まだまだ進化していくように思う。カレーは、焼きカレー、スープカレーなどが広がったおかげで、新たな展開を見せようとしているし、ひょっとすると中華の火鍋などと融合していけば、更なる発展もあるように感じる。おにぎりは、専門店がまた増えていること、コンビニでの新商品開発などを見ると、まだ進化するのだろう。どんぶりも同様だ。
では、ラーメンは?というと、以上に上げた食品と比べて、とにかくバリエーションが様々で、加えて進化をどんどんしている。それぞれを産業として見たときに、職人の数がものすごく多いのではなかろうか? どんな分野においても、少数の精鋭がブレークスルーをしてからは、あとはどれだけ人が投入されたか、によってその分野の盛り上がりは決められると思う。こうした食品においては、作る人、食べる人の双方の数が、よりよいものへの進化を進めていくのだと思う。
さて、寿司、握り飯、カレー、うどん、そば、どんぶりについては、日本の食文化の一つである、と言うのは、多くの人が否定しないところではないか?と思うがどうだろうか?大衆化してしまっている、とは思うが、それぞれ流派もあり、地域色もあったりするし、まぁ食文化の断片であることは間違いない。一方、ラーメンについては、私はそれが食べられている食数といい、かかわっている人の数といい、まぎれもなく文化の行きに達しているのだと思うのだが、まだまだそうとは認識しきれない人も少なくないのかもしれない。会席、懐石などに比べると、真剣に味わって食べている人の数、そして時間、回数はラーメンの方が既に圧倒していると思うのだけれど、それでも文化じゃない、という人もいるのだから面白い。

さて、そうしたラーメンにまつわる真髄とも言える内容をまとめたのが、本書である。ラーメンに詳しい人で、この人を知らない人はまず居ないとも言える石神氏の本。なんとラーメンの写真がいっさいない。そして、各地の名店の紹介数がものすごい。文章だけだと、新書サイズでもここまで紹介できるんだ、と思ってしまったほど。

さて、表題にも書いたが、ラーメンは今後どこへ向かうのだろうか?平面的な麺、タレ、スープ、具材など素材に関する発展は、今後も続くだろうし進化としては主力であることと思う。食べさせ方(Wスープ、焼味噌、等)も、その調味料の内容と合わせ方で進化はしていくのだと思う。では、ブレイクスルーとは何か?原材料や水のこだわり?健康志向?そういうものは、すべて上にあげた発展に入るのだと思う。 ラーメンが人が食べるものであるということから考えるに(さすがに、他の動物には食べにくいでしょう)、外国の食文化との接触なんではなかろうか?と思うのだがどうだろう。
そういうと、アメリカやアジアの国々では、日式ラーメンのお店も増えている!という声が帰ってきそうだ。それはそうなんだが、その諸外国の日式ラーメンが、例えば、大根おろしスパゲッティの様に現地化しているか?というと、まだまだかな?とも思う。インスタントラーメンの世界では、かなり現地化が進んでいる一方で、普通のラーメンについては、まだまだじゃないか?と思ってしまう。
振り返って、日本の老舗や新興有名ラーメン店で、外国人が修業しているのをどれだけ見たことがあるだろうか?修行に値するような仕事をしているのは、まだまだ少ないように思われる。お店のスタッフはすべて外人で、外人向けにラーメンをやっているお店!みたいなのができてきて、それがまた日本人にも受け入れられるようになってくると、そうしたブレイクスルーにつながるんじゃないかな?とも思うのだけれど。
ラーメン愛好家の方々はどう思われますか?


ラーメンの真髄 (ベスト新書 154)
石神 秀幸
ベストセラーズ

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コメント
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