企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

教育、学力のお話

2007年11月04日 | 本の紹介(ビジネス)
教育現場からの発信。ゆとり教育、なにがどう問題だったのか?ということが書かれている本書。現場の教師たちは、とてつもなく忙しい。だから、世間知らずになってしまう。教育現場のことを知らない有識者が大半の集まりで、教育再生会議と称して改革案を作っても、現場教師には響かない。なるほど、そういう背景だったのか、と納得することが多くあった本でした。
義務教育の現場の課題を、背景含めて明確にしてくれた本です。ぜひとも、今、社会で頑張っておいでの方にも読んでもらいたい本であることは間違いないですね。

私だけかもしれませんが、最近、教育や学力についての記事や本などを多く目にするようになってきたように感じます。教育をどうするか、ということは、子供を持つ親達だけの問題でもなく、また学校の先生たちだけの問題でもない。まして、文部官僚だけの問題でもないはずなんです。なのに、親、そして先生と教育委員会、官僚ばかりが、自分たちだけの問題として片付けようとしているように見えてしまいます。
いじめ、落ちこぼれ、浮きこぼれ、などを通じて小学生の学力が落ち、中学生も、そして高校生も落ちてくることになると、大学も更に力が落ちてしまいますね。その先には、社会でも順応できない人が増えてくるということを意味しているんじゃないか? その意味では、安倍内閣で「教育」をなんとかする、と花火を打ち上げた方向性については間違っていないと思うし、評価すべきだと思いました。
だが、そのやり方がまずかったんでしょ。いろいろな人の声を聞くにしても情報が不足したんではないですか?特に義務教育下にある子供を持たない大人にとっては、現在の事実については情報が圧倒的に不足していると思います。否、子供を持つ親にとっても、限られた情報しか入ってこないだろうし、教育委員会には、本当の現場の声も響かない(らいし)です。

教育に対して、もっともっと国(全体であり、官とか政だけではない)としての資源を投入しなければならないのだろうなぁ。でも、子供だけじゃない、国民全体のリテラシーの向上とか言わないと、どうにもならんのじゃないか?とは思うのだけどね。もっとも、リテラシーと言っても、誰もが活字で勉強しなければならないわけではないですけれどね。本は読んだ方がいいとは思うけれど、本では得られない体験もたくさんある(というか、百聞は一見には勝らないですよね)。
経済成長、そして国際競争力の強化は、犠牲にはなかなかできないとは思います。一方で、短期的な競争力だけを意識しては、その先に更につらいことが待ち構えているのでしょう。
小泉元首相が訴えた「米百俵」の精神。それは大事でもある。如何にして、世界との戦い(もっとも宇宙船地球号から見たら、意味は少ないのでしょうが)を切り抜け、更に将来の繁栄の礎築きを両立させるか、ということを、もっと真剣に考えていかなければならないですね。

困った困った。勉強しなければならない領域が、また増えてしまった。やりたいことが多くて、本当に困ってしまいます。時間の使い方をもうちょっと考え直すのがよいのかな?



ゆとり教育は本当に死んだのか?―公立校再生への道 (角川SSC新書 6)
根本 浩
角川・エス・エス・コミュニケーションズ

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