企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

きものの催事のお話

2005年03月09日 | 和の話(呉服業界など)
先日、わけあって呉服の催事に直接かかわりを持った。お客様には私の知り合いもいるし、そうでない人もいる。これまでは、行われている催事に行っていろいろ気がつくことを話しただけなんだが、今回は、そうではない。いろいろな意味で気をもんだし、勉強にもなった。業界で言われていたことを身をもって体験もしたし、その意味では、催事自体の成否もさることながら、本当によい経験ができたと思っている。この機会を与えてくれた呉服問屋には本当に感謝したい。
さて、今回の催事だが、学んだことは多い。
○招客の難しさ。案内を渡すのも大変だし、催事の主旨を説明するのもかなりしんどい。当然、買ってもらうことは前提としては話しはするわけではない。すばらしい商品を持ってきてもらいました。見て下さい。もし欲しくなったら、これこれです。とやるわけだ。だが、当然のように買わされるのではないか?と警戒する人も多い。そもそも、きものなんていらない、という人が多いのも事実。興味すら示さない。親戚ってあてにならんな、とは強く思った。今回で、義理を重視する人とそうでない人とが明確に判明したのは間違いない。
○接客の難しさ。よく言われる、お友達どうしできたお客は、かならず分けること、ということ。これは今回も当てはまった。購入いただいたお客様は全て、一人で来場されたか、もしくはご夫婦連れだ。友人と来ると、どうしても人の目が気になって、決断がしにくいのだ。(高い買物だしね)
○お客様の来場時間を読むことの難しさ。だいたい、何時に行きます、と言われていても、なかなか指定した時間の通りに来場されるわけではない。自分自身だと、だいたい10分~15分のレンジで予定を伝えるが、なかなか地方であると、時間が読めないもの。特に、仕事で時間に追われるような人ほど、正確に来場されるのだが、引退された人なんかは全然だめ。
○ドタキャンの多さ。今回、来場されると答えていた人は70名程度。うち来場されたのは50名。確約取りをしたわけではないが、やはり、そのあたりは難しいものだ。仮に、確約を得ていたとしても、ドタキャンはあるのだろう。当日は、くもり、少し肌寒く、風は強く吹いていた。よほどの魅力を訴求しなければ、来場100%は難しいのだろう。。

以上、呉服関係者にとっては当たり前の話ばかりだとは思う。私が学んだことは、二つ。
○事前の説明、そして準備がもっとも重要であること
○同時に、当日の段取りを指揮できる人。問題を解決し、人に指示し、客の流れをコントロールし、クロージングまで眺めながら、必要な手を打つ人、がとっても重要であること
特に、後者は、多くの小規模呉服催事が、丸投げになっている現状、忘れ去られてしまっている機能かもしれない。前者は、計画力と想像力があれば、なんとかなるが、後者は機転が利くかどうか、そしてサービス、お客様満足をどう実現するかという意味でも難しい。現場力をどう考え、どう強くしていくか。また、いろんな人と議論したいものだ。
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鏡が汚れていても・・・

2005年02月19日 | 和の話(呉服業界など)
ある呉服屋の催事にて、気になることがあった。それは、着姿をうつす鏡が汚れていたこと。指紋がベタベタだったのだ。これは、宝飾品のコーナーにおいても同じ。こんなので商売になるんだなぁ、と感じてしまった。そこで、現場にいた販売担当などに、鏡が汚れてますよ、とお話ししたのだが、「明日、朝拭くからかまわない」という。なんとも、おおらかな業界だ。
まず、汚れはすぐに取るのが鉄則。放置すればするほど、汚れは落ちにくくなるものだ。それを、朝にまとめてやるから大丈夫、というのは違うと思う。次に、目の前のお客様に対して、申し訳ないと思わないのも気になる。きもの、って高級なものだ。それを買う際に、自分に当ててみて鏡に映す。その鏡が汚れているとどうか。ほとんどの場合、いやな気持ちを持っても、あえて言うことはしないだろう。だから、販売員は気がつかない。どうしようもないね。それで、次のお客さんを失っていることがわからないのだから。
こういうと、そんな小さいことで・・、と言うんだ、たいていの業界人は。そりゃ、販売員は、売るのが仕事。いつも売っているから、そういう場面は多くあるに違いない。でも、買う側にとっては、その瞬間が大事。たとえば、着姿を映す際に、鏡が汚れていたら「申し訳ないですが、鏡が汚れていました。少々お待ちください。すぐにお拭きします」と言えないのか、また、「こちらの鏡へいらしていただけますか」と、別の鏡を案内するのもありだ。
もっとも、汚れた鏡をお客様に見せないのが最高だ。だから、お客様とのやりとりが終わったら、必ず鏡を拭く癖をつけるのがよい。それでも、どうしても、鏡が汚れてしまっているときもある。そういうときに、きちんと応対できて初めてOKだ。

以上の話、業界の人に話をすると、二つの対応に分かれる。一つは、そんなこと気にしなくても、これまでも十分売れてきたから問題ない、というもの。もう一つは、昔はこの程度、基本と言われてみんなやっていたのに、今はそれすらできなくなったなんて、と嘆かれるパターン。前者は、基本にも気がつかないタイプだから、仮に、今、業績が向上していても、どこかで破綻を来すだろう。ほかのいろんな客商売の基本が徹底できてなくて、アンチ客をたくさんつくってしまうだろうから。後者は、言われて気がつくだけまし。だが、そこから何ができるかだ。いくら嘆こうが、既に起きている現象は変わらない。
そんなとき、業界の偉い人が、率先して範を示せばよいのだが。。。この業界のおえら方に限って、自分がやる仕事じゃない、と手を動かさないんだよね。客商売の基本がわからない人が多いこの業界。本当に客の支持を得られれば、しっかり成功していけるんだろう。敵は弱い。だからこそ攻めて出られると思うのだけど、誰もやらんのだろうか。

そうそう、呉服業界の中でもしっかり伸びている会社の社長か会長が言ったという言葉を聞いた。「あたりまえのことを、ばかにせずに、ちゃんとやる」ABCの法則だそうだ。これを聞いて、すぐ動こうとするのか。評論家になって、「やろうとしても、できないんだよなぁ」ですませるのか。何バカなこと言って、と相手にしないのか。私はすぐ動くことをおすすめしたいものだ。
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呉服 男物の小物って少ないな

2005年02月18日 | 和の話(呉服業界など)
梅田の阪急百貨店の呉服コーナーを見てきた。売場は、おちついた雰囲気のフロアづくりとなっており、各コーナーも独立している。その意味では、メーカー派遣のコンサルタントが、客の奪い合いをすることがない。基本的には、お客様にゆったりきものをご覧いただきたい、という姿勢が強く感じられる売場だった。ただ、逆に言えば、あちこちに、小物が散って陳列されていたり、たとえばプレタきものをとっても、いろいろな場所にあったりしている。時間をかけて、気に入るものを探しに行くという気持ちであれば、納得したお買い物ができるのだろう。
さて、品揃え的には、このフロアはかなり強力で幅広いものを持っているとは思うのだが、そこへ行ってみて、やはり男物関連って弱いなぁ、と感じてしまった。男物と言えば、銀座の「もとじ」なんだろう。でも、高級すぎて近寄りにくい。
まず、男物のきものを着ているときに似合うかばんがなかなかない。店においてあるのは、やわい巾着ばかり。女物の場合、あれほどまでにいろいろバッグがあるのに、男物にはない。銀座できものを着ている男性だって、お遊び的に、きものを着ているだけ。実用的な着方はしていない。あれでは、普及せんだろうなぁ、と思う。
例えば、今の時代、携帯電話に財布、そして手帳くらいは必需品だ。また、名刺入れもいる。他にもいろいろ持ち歩くものはあろう。私なんかは、携帯が2台。ポストイット、赤と黒のペン。ハンカチ、ティッシューペーパー、リステリンポケット。財布に、カード入れ。名刺入れ。全て袂に入れるのは、不格好すぎて考えられない。巾着には入るには入るが、ちょっと小さい。ほかにClieを持ち、本も持ち歩く。パソコンをもって動くのもいつものこと。これらは、いつもは背広のポケットかビジネスバッグに入れている。だが、きもので動くとなると、とたんにビジネスバッグは辛くなる。見た目が不格好。黒くて大きいバッグだから。それだけでなく、肩掛けもできるかばんだが、きものでは肩にかけにくい。
そうなると、LVのバッグ当たりがいいのだろうか。LVの家紋柄(モノグラムの、柄が大きいやつとか)とか小紋柄(柄が小さい、パターン的なもの)の方がきものには似合ってくるのだろう。だが、LVは、あまりにたくさんの人がもっていて恥ずかしい。なんか、いいバッグはないものだろうか


なお、当日、別のフロアで以下の展示会も行っていた。展示販売にしては、価格は低めに押えられていた。そしてたくさんのお客がいた。美しいきものもあれば、ちょっと過激なきものもあったが、総じていい売場に見えた。

【8階 イベントスクエア8】
●弓岡勝美「ちりめんお細工物と昔きもの展(展示販売)」
大活躍の弓岡勝美さんが連日来店。
今回は雑誌「日本の心の色」に掲載の商品をはじめ、新たな作品も展示販売。
また、ご自身がセレクトされた昔きものもご紹介します。
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呉服屋の進むべき姿

2005年02月08日 | 和の話(呉服業界など)
別の記事で、顧客は、安いという理由付けを求めている、というような話を書いた。これについて、ちょっと呉服の観点から見直してみたい。呉服業界は、お値打ち物が安く、ということを前面に出してきものを売ってきたと思う。もちろん、そのお値打ち物、というところの価格に、一部ツアー代金などが含まれていたりもするのだけれど。
一人ひとりに、一点ものがいきわたる、といってもいいほどの小ロット生産がおおい呉服においては、その人にとって最高の品というものがある。本当に、似合っているから、本当に、美しく見えるから、お世辞ではなくて、真剣にそう感じる品をお買い求めいただいていれば、安さ、なんてものがクロージングでは大きな要素とならないのでは?なんて私は思っている。(もちろん、お客様との長期のかかわりの中で、これまで、そしてこれからの付き合いを考えた上で、良い物を、適正に値引きするのはよいことだとは思いますよ)

呉服という、あなただけのため、の商品をどうやって訴求するのか、これがお客様にとっても、また小売店にとっても、互いの利益のために重視すべきこと。それをわかっていれば、安易な値引きであったり、値引きを想定しての値入なんてことはしなくてもよくなるはずだ、と思うがどうだろうか?
可能性としてではあるが、安さの言い訳を考えなくてもいい商材なわけだから、それを真に追求する小売店がもっともっと出てきてもよさそう。お客様に感謝される呉服屋、原点としては、特に高級呉服の世界ではそういうことがあったはず。
誰かが気づいて、お客様とともに成長しはじめれば、セブンイレブンのようなリピーターをたくさん持つ組織になれるのではないか?

元記事はこちらです
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車椅子でもきものを着たい・・・

2005年02月07日 | 和の話(呉服業界など)
この本の中の、チェアウォーカーのためのきもの、という箇所を読んで、本当に、著者はきものが好きなんだなぁ、と思いました。世の呉服屋で、ここまできものを好きで、お客さんに対して、提案できるところはどれくらいあるでしょうか?あまりないですよ。そんなこと、考えたことすらないというところが多いのでは。著者が、ある意味、呉服業界では異端児と思われている山野グループの人であるために、業界の人は読んでくれてさえもいないのではないかと思います。
著者が、どうきものとつきあってきたか、なんてことは確かに面白くないかもしれません。でも、せめて、この車椅子の人に対してどうきものを提案しているか、というところだけは、読んで欲しい。あ、あとは、振袖フリースタイルというのも、提案として本当にいいと思います。お客が、車椅子生活になったら、きものなんて着ないで、と思ってしまうかもしれません。でも、美しく見せたい、という気持ちは、今まで以上にあるのかもしれない。お客に感謝される呉服屋になるには、ヒントがあると思いますよ。
値段が高い本ではないですし、発見は必ずありますから、ぜひ、書店で目を通すだけでもしてみては?(書店にないかもしれませんが、ネットで買われても価値はありますよ)

ジェーンのきものスタイリング

岩波書店

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呉服屋のディスプレイ。がんばれ呉服屋。

2005年02月06日 | 和の話(呉服業界など)
いろいろblogを見ていたら、呉服屋について書いてある記事がたくさんあった。その中でも、この記事は、なかなか秀逸。呉服屋の問題を、消費者の立場から指摘しているが、そうだよなぁ、と感じたものだ。店頭のディスプレイが下手だと、展示会も。。。そう、その通り。なのに、一部の呉服屋さんなんかは、店頭はテキトーで、展示会だけで勝負しているところさえある。百貨店は、あいかわらず消費者不在で、メーカー派遣のコンサルタントが客の奪い合い。
ほんと、垣根は低いと思うのですよ。いまでも、50代以上の人は、家に結婚の時に作ったきものとかたくさんあったり。。でも、呉服を、なんか高級なところへばっかり持っていって、普段着としてのきものの提案もなければ、呉服屋も、きものを着ない。アパレル屋さんの努力に比べて、基本的には待ちの商売。やっとつかんだ顧客からは、利益をとれるだけとろうとしてしまう。粗利益率40%とか60%とか、というのは、外食など、単価が比較的安く消費の頻度が高いものであれば、まだ、なんとかまわるだろうけれど、頻度が少ないものでやってしまうと、どうしても、客が来ないお店は無理をしてしまう。ゆとりがなくなってしまうのだと思う。
もともと、高級で、サービスにも力を入れてきた商売だけに、高い粗利も許されてきたのでしょうが、サービスレベルが相対的に低下している中では、努力をしない店はどんどんつぶれていってしまうのは仕方ないですね。

そんな呉服屋さんに読んでもらいたい本を、三冊紹介します。一冊目は、カスタマー・リテンションの話。ロイヤル・カスタマーをいかに維持するかですね。顧客について考えられているウソを、しっかりつぶしてくれます。

だから顧客が盗まれる

ダイヤモンド社

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二冊目は、以前記事にも載せた、クリーニング業界の話。全うに努力している方法がわかります。

クリーニング店の秘密―2人に1人の消費者に「不満!」と言われる

東邦出版

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業界は違いますが、三冊目。デパ地下、スーパーの話ですが、顧客に対して売場でどう向き合えばいいのかがわかります。

パワーマネキン式デパ地下・スーパーマーケットの食料品完売マニュアル

文芸社

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番外編。。。これは、買ってみたい、と思った本です。私の勘なら、8割くらいの確率で良い本だと・・
スゴ腕パワーマネキンが教える!売れる営業の法則

ダイヤモンド社

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既婚者の振袖。また、振袖の販売について

2005年02月05日 | 和の話(呉服業界など)
振袖は、既婚女性でも、本当のフォーマルな場所でなければ(セミフォーマル以下の華やかな席であれば)、パーティドレス的に着てもよいものらしい。固定観念にとらわれていたため、ちょっと驚きだったが、そういうのもありかもしれない。華やかさにおいては、振袖ほどきれいなものはないからね。いくら色留袖が、と言ってもフォーマル的でおとなしいわけだしさ。振袖をパーティドレスに、というのは本当にいい提案だと思う。年齢なんて関係ない、既婚・未婚なんて関係ない。女性には、美しさ、華やかさを追求してもらいたいものです。

既婚者の振袖は、きもの人のメルマガで紹介されていた。ここのメルマガは、本当に勉強になっている。振袖は未婚者の第一礼装。留袖が既婚者の第一礼装、とのきまりはあるので、きちんとした場では、それぞれの装いをするのがよいらしい。だけど、出ていくところによっては、既婚者だろうが、振袖でもいい。との話。へぇ、と思ってしまった。最近では、振袖は成人式、というイメージができてしまっているけれど、例えば、カンバラクニエなど、年齢層が高い人むけでもある振袖が出て来ている。なるほど、そういうことだったのか、と理解したのだった。

紅白歌合戦で、小林幸子が振袖を着ていたが、彼女の場合は未婚なのでかまわない。。。そんな話を聞いたことがある。でも、別に、結婚している女性が着たっていいわけだ。当然、既婚者独身の人々だって、振袖で着飾っても問題ないわけだ。きもの、って似合う、似合わないというのがすっごいある商品だと思う。数十万円する衣服で、これほどまでに柄を選べるものってないだろう。(世界的に見てもあまりない)
特に、振袖については、それこそ多種多様な柄がある。色目も違えば、素材の感覚も違う。帯も含めて考えると、ものすごい数の組み合わせになるだろう。その意味では、本人にあう、もっともいいきものを探せるのだと思う。数十万円で、人生は買えないし、人の命も買えない。でも、自分にぴったりの振り袖を着ること、そして持つことは、実は人生にとっては、たいへん有意義なことなのだと思う。じっくり、選んで、悩んで、そして納得できる振袖の販売方法。。考えないとね。

最後に、きもの人について。。。私としては、このサイトは、在庫を自分で持たずに商品の写真を借りてきて(もしくは、商品を借りてきて写真を撮っている)販売サイトに載せているように思えてならない。あれだけ、全部買い取りでやっていると在庫がすごいことになってしまう。まぁ、だからといって、商売として間違っているわけでもない。ただちょっと値段が高いような気もしている。同じものを百貨店で購入したら、ものによるかもしれないけれど、安い場合があるのでは?と感じる値付けがあると思えるのだ。そのあたり、専門家に聞いてみようかな?
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きものの催事のありかた

2005年01月31日 | 和の話(呉服業界など)
きもの人という高級きもの販売サイトがある。ここのメールマガジンを購読しているのだが、きもの催事についてとっても興味深い内容が載っていたので紹介したい。なぜ、催事がきもの選びにおいて良いのか、ということをまとめてあるのだ。このまとめ方を見て、うなってしまった。確かにそうだなぁ・・・と。
1)大量で見ごたえがあるきものと帯(量と質)
2)きものと帯に付随する帯揚げ・帯締め・草履・バッグなど(付随品)
3)アドバイズ出来る産地の作り手やアドバイザーさん(知識)
4)着せつけが出来るアドバイザーさん(着せつけ)
5)きれいにご覧いただけるような用具(見栄え)
6)心地よく満足感が高い施設(庭園・和室・食事など)

そして、産地に行けば3はあるが、他がない。問屋にいっても1はあるが、他がない。(まぁ、3,4がある問屋もあるでしょうが、そういう問屋は2はあまりなかったりします)、確かにそうだわなぁ。
全部がそろうのは展示会であるとのこと。但し、展示会の弊害というか、行きにくいということについては、
1)敷居が高い
2)高級なものばかりを扱っている
3)値段が高い
ということをきちんと提示しています。展示会を開催するためには、どうしても会場を借りなければなりません。加えて、設営費がかかります。だから多少は、コストが価格に転嫁されてしまうわけです。ただ、数多い商品を見たかったり、そして展示会でもなければ出品されて来ない様な一品ものと巡り会うためには、展示会場に足を運ばざるを得ないのでしょう。

上にあげられている6つの利点ですが、6つ目の満足度が高い施設、というのがどれくらい重要かなぁ?と私は感じてしまいます。もっとも高級な商品を購入するのに、風が吹くような広場では問題でしょう。また、殺風景な倉庫でもよいのか、といっても、やっぱり違いますね。例えば、庭園がなぜよいのか、というと、庭園というのはきものを着ていく場所でもあるからなんですね。そう、きものを着用する機会にあった、購入場所が必要だ、ということなのでしょう。本当かなぁ?消費者の心理、そこがわからない。だから、みんな経費がかかる催事をやめたくてもやめられないのでは?


きもの人
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きものの普及

2005年01月19日 | 和の話(呉服業界など)
きもの市場が、活気があるとのこと。いろいろなメディアで論じられている。市場規模が6000億。規模としては、インスタントラーメンと同じくらいではないか?きもの市場は縮小傾向にあると言っても、確かに、このところ着物姿の人を見ることが多くなった。これって、低価格商品が広く売れて、高い価格帯のものが、淀んでいるのかもしれない。きものって、価格帯は、それこそかなりある。リサイクルも含めれば、数万円で一揃えできるわけで、下はかなりこなれて来ていると言えるだろう。上はといえば、一揃えで一億円くらいか。
オートクチュールで宝石をつけずに、自分ものをつくった場合、どんなデザイナーブランドでも、そこまではいかないだろう。その意味では、本当に高級なんだと思う。実際、一億円クラスのものは、工芸品だ。で、翻って、芸術品という視点で見たら、絵画などは、1億円というものもごろごろしているではないか。なのに、きものでは、そういう商品はあまり聞いたことがない。なぜって、きものは誰かが着用して、初めて最高の価値を出しうるのに対して、絵画は、そのものでも十分価値を発揮し得るからだろう。もっとも、絵画だって、収まるところに収まらないと、価値に見合わないかもしれない。価値なんてものは、主観的なものであり、相対的なものであるから、最後は買った人次第なわけだけれどね。
で、きものの普及において、今、何が足りないか、っていうと、この超高級品が、一般の目に触れることがほとんどない、ということではないか?と思う。非売品という形で、博物館や美術館に入ることはあっても、それらは、手に入れたい、纏いたいという対象にはまずならない。値段が付いて、高嶺の端とはいっても、あこがれるようになる。そんな超高級品というのがないのだ。今のきもの業界では、限られた人々しか、高級品を知らない。
たとえば、グッチやエルメスというブランドは庶民も知っている。もちろん、庶民の目に振れないようなコレクションラインがあり、また上には上があって、個人でオーダーしたりもしている人もいることだろう。でも、ある程度の価格のものならば、誰だってショップに行けば見ることができる。絵ならば、バブルの頃ほど騒がれないにしても、オークションなどのカタログを取り寄せれば、だいたいの価格もわかるし、現物も見ることができる。だが、きものは、一般の人には、ほとんどの場合、工芸会の作家のものですら目に触れない。
私なんかは、工芸会作家のきものを、欧米のオークションに出してみたらどうか?なんて思うくらいだ。え?オークションで取り扱ってすらもらえない?確かに、そのための下準備も必要だろう。誰かが買ってくれなくてもいい。一度、オークションに出品するということだけでも、大きな話題になるだろう。また、買う人が現れれば、値段が付くわけで、付いた値段の情報とともに、きものに興味を持つ人も出てくることと思う。千總とか川島織物あたりで、やってもらえんだろうか?業界の人は、頭が固いから無理かな?
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カンバラクニエのきもの(着物)

2005年01月16日 | 和の話(呉服業界など)
SPOONという雑誌がある。それで紹介されているきものに、カンバラクニエさんというアーティストがデザインしたものがある。お値段は、振袖としては、まぁ普通というか、やや安めかもしれない。(もっとも、198000円とかのものもあるので、安いとも言えないけれど、コンセプトをもってデザインされている振袖としては安い部類に入ると思う)うららないちにち

お友達が、ここのウェブサイトの担当をしているから、記事にしているというわけではないのですが、いや、本当に、このきもの、よさげなんですね。今風というか、派手すぎないけれど、しっかり主張しているし。こんなのを着ている人って、自分のスタイルしっかり持っているのだろうな、って感じます。応援したくなる。

こっちがショッピングページ
デザインを見ていただくとわかるが、これまでになかったような色使いだ。でも、きれい。中には、袖を短くして訪問着としても十分使うことができるものもある。個人的には、うららのきみどり、が好きなんだけれどね。

今年の成人式では、まだ着ている人はほとんどいなかったのでしょうけれど、来年の成人式では・・・。楽しみですね。
成人式に限らず、振袖っていろんなシチュエーションで着ていいものだと思います。ちなみに、男は、何を着たらいいのかしら・・・。
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福田喜重展@銀座和光

2004年12月14日 | 和の話(呉服業界など)
銀座の和光に初めて入った。銀座に出向くのは、たいてい夜。もしくは、日曜日。だから、和光という店は知ってはいても、中に入ったことがなかった。何せ、開いていないのだから。この時代にあっても、6時閉店を貫き通すお店。そして日曜日も休業するお店だ。平日によることができるような客しか、相手にしていないわけだ。
店が客を選ぶいい例だと思う。日本中の百貨店が真似しようとしてもできない、そんなお店だ。
1階の時計売場と、6階の展示場しか行かなかったが、雰囲気は感じられた。自分は、展示会でもなければ、二度と行かないのだろうなぁ、と。

さて、福田喜重。重要無形文化財と言われる、人間国宝の作家。きものの世界では、かなり有名な人。でも、普通のきものファンは知らないのだろうなぁ。きものの値段は、数百万程度。高いか、と言われれば、そりゃ高いのだけれど。今の世の中、その程度を払える人は、結構いるのだと思う。残念ながら、自分には縁がないのだが(泣)
値段はちょっと、置いておこう。
展示されているきもの、へぇ、こんな柄までつくっているんだ、と思ったものが多い。例えば、虹の柄。また、清水寺などの刺繍が入ったもの。ちょっとありふれてそうな柄だけれど、あまりそういう柄の作品は見たことがない。着る人が着れば、相当映えるのだろうなぁ、と感じた。せっかくのこんなきものなのに、似合いそうな人に着用してもらえないとなるともったいない。

これぞ、という人に着てもらう。そんなことができないだろうか?和光の上得意顧客だと、どうしても年齢層が高くなってしまう。まぁ、男性が年をとっていても、一緒に居る女性が若い可能性もあるか。。。若いだけがいいとは思わないが、やっぱり、きものを指示する私としては、よく似合う人に着てもらいたいものだ。そう、きものに負けない人に。

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京町屋buson が新たなサービスを

2004年12月06日 | 和の話(呉服業界など)
以前、京町屋busonについて記事を載せたが、そこで、お茶屋がオープンしたとのはがきが届いた。また、コンサートも実施するらしい。
烏丸仏光寺の交差点から西へ向かって20m位の左側。観光ではあまり行きにくい場所かもしれないけれど、寄るだけの理由はあると思います。
そこで販売している、数々の和小物もなかなかおしゃれでいいですよ。

http://buson.jp/へどうぞ。
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反省できない組織

2004年11月10日 | 和の話(呉服業界など)
売ったら売りっぱなし。顧客へのサービスはない。販売会社の中でも、売ったら売りっぱなし。反省会もない。いや、あるにはあるが、報告だけ。根本的に、やったこと、売ったことについて何ら、あとから反省をしない。これでは、会社は、事業を存続させていくのも難しい。
例えば、メーカーからのイベント企画の場合。小売店は、メーカーから、今度、○○日かけて、××のイベントをやりましょう、という提案を受けて採用する。経費は、小売店、メーカーとも負担することになるが、小売店にとっては、自社だけでは出来ないような企画が実施できるし、メーカーも自社商品を売り込むことができる。
さて、このイベントが、予定していた予算を達成できなかったとしよう。メーカーは、小売店が頑張って償却しなかったからだ、と言うし、小売店は、メーカーの商品がよくなかった、とか、現場に案内に来たメーカー派遣の人が良くなかった、と言う。そして、ろくな反省もなされないで、次のイベントへ移っていく。
実は、これ、どこにでも見られる光景なのかもしれない。もちろん、小売店にとっては、店頭があり、また、毎月のようにイベントをやっているだろう。だから、そのイベントの成否については、もともと、重要視していなかったということも考えられる。
しかし、ここで声を大きくして言いたい。メーカー、小売店とも、イベントと言ってやる以上、そして経費を互いにかけてやる以上、それは、契約であり、また、必死で予算を達成させるべく動かねばならない。どちらも、本気でビジネスしているのだから。無駄なんてだめ、犠打なんてダメ。そういう姿勢だと、消費者にも見透かされますよ♪
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呉服屋、既存顧客どうする?vol.3

2004年11月02日 | 和の話(呉服業界など)
多くの呉服屋では、名簿というものを非常に重視している。たいてい、顧客をランク分けして、最重要顧客とか、一般顧客とか、あれこれ手を加えていることだろう。この名簿が、催事における招客のために活用されているが現実だ。
名簿と言うと、所謂、One to One Marketingが思い出される。一人一人を個客として見て、そのお客にあわせて提案することだが、呉服屋は、本来的には最もOne to Oneが働くはずの業界だと思う。しかし、現実はそうでもないようだ。
例えば、お客の家族の情報、どれくらい持っているだろう?また、誕生日や記念日の情報、手に入れているだろうか?
私が呉服屋の店主だったら、バースデーカードくらいはすぐに送る。また、節目節目の記念日には、ちょっとした贈り物をするだろう。お客の家族の状況もわかっているなら、季節に応じて、そのお客の生活をすこしでも豊にできるような情報を提供する。また、年に一度くらい、きものを着て家族で写真を撮りませんか?と、どこかの写真館と提携して紹介する。着付は無料でしてさしあげる。また、お客のご家族むけに、冬にでも浴衣の着付教室をやる。夏は、みんな覚えようとするが、冬には忘れてしまう。だから、毎年、学びに来る。
せっかく夏に浴衣を買ってくれたお客だから、冬に、メンテナンスをかねて見せてもらい、その上で、海外旅行などで夏の町へ出かける人には、浴衣の着付を教えて、旅行先で着用してもらえるようにする。

先日、ある呉服屋の催事を見せてもらったが、あるお客は、帯を70本強持っているとか言っていた。そこへ重ね売りだ。コレクターなんだろうなぁ、と思いながら眺めていたが、その70強という数、どう使っているのかなと感じた。どんな世界にも、コレクターはいるし、ヘビィユーザーと言われる人もいる。そんなお客に、買ってもらってばかりで、商売が続いていくのかどうか。その客に依存する部分が多いと、その客が転居したりするだけで大打撃となる。
だから、絶えずヘビィユーザーを育成していかなければならないのだと思う。
きものって、安いものではない。多くの人が見て、傍痛くない程度のものだと、どうしても5万円くらいはしてしまう。そういうものを売っているのに、売って終り、買ってもらう時だけ、お客を持ち上げる、そんなことをしているのだから、先がないのはよくわかる。
地元に、どんなきものについてのニーズがあるのか。また、潜在的なニーズがあるのか。そういうことを調べながら、呉服屋も進化していかなければならない。その調査については、続く・・・
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小千谷紬、小千谷縮

2004年10月25日 | 和の話(呉服業界など)
新潟県中越地震、場所によっては、神戸よりもひどかったという地震。夕べも、東京まで結構揺れた。まだまだ、安心できないし、ここからどう復興するか、本当に大変だと思う。和の業界においても、小千谷は、総体的に小さいとはいえ、有名な商品の産地である。それは、小千谷縮、小千谷紬だ。十日町も同様に、被害を受けており、この地域の、和の産地は壊滅的なダメージを受けた。
さて、和の業界への提案だが、ここで、小千谷の商品を(たぶん、流通在庫くらいしか入手できないが)、全国の店頭、そして催事で訴えられないか。そして、売上の1%でも0.5%でもいい、災害義援金として、現地へ届けられないか。懇意の呉服問屋とはそういう話をしたが、まぁ、商品があまりないためどれくらい動けるのかわからないが、そういうことをしていかないとどうにもならないと考えている。
被災地の方々の、復興への尽力に、どうにか協力していきたい。
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