アルジェリアの事件では、今だ 10人の日本人の安否が不明の状況が続いているようです。家族は、どんなに不安な日々を過ごされていることでしょう。無事に生きておられることを心から祈りたいと思います。
紛争の背景には、経済的な貧しさが根底にあるようです。アルジェリアでは、失業率が25%で、職についても少ない収入のため、経済的自立ができず、結婚も出来ず、政府や社会に対する不満を抱えている若者が多くいるとのことです。そういった不満が、過激な武装勢力であるアルカイダを受け入れ、中にはメンバーになる者もいるとのこと。アルカイダは、潤沢な資金を持ち、モスクを建てたり、経済的な支援をすることで、住民の支持を得ているとのことです。貧しさが解消されない限り、紛争の連鎖は断ち切れず、今回のような事件はまた繰り返されるのかもしれません。政府が、若者たちの不満に耳を傾け、雇用が確保され、経済的な自立ができるような社会をつくりだしていける 国際的な支援が必要とされているように感じます。
102才で 亡くなった柴田トヨさんが、次のような詩を書いています。
神様
昔
お国のために と
死にいそいだ
若者たちがいた
今
いじめを苦にして
自殺していく
子供たちがいる
神様
生きる勇気を
どうして
与えてあげなかったの
戦争の仕掛け人
いじめる人たちを
貴方の力で
跪(ひざまず)かせて
命のかけがえのなさを誰よりも感じているトヨさんだからこそ、失われた命の尊さと重さを深く受け止め 戦争やいじめのない 誰もが命を大切にできる社会でありたいと願っていたのではないでしょうか。生きるということにふれて、トヨさんは次のような詩も書かれています。
くじけないで
ねえ 不幸だなんて
溜息をつかないで
陽射しやそよ風は
えこひいきしない
夢は
平等に見られるのよ
私 辛いことが
あったけれど
生きていてよかった
あなたも くじけずに
紛争地に生きる人々の上にも、陽射しやそよ風は えこひいきせず 誰にも 等しく注いでいることでしょう。そして、いつかは 争いがなくなり 一人一人が 夢を見ながら生きていける 未来であってほしいと願います。
紛争のない平和な日本に生きる我々は、陽射しやそよ風の心地よさを肌で感じることができます。夢は、誰でも見ることができます。その恵みに感謝しながら、今ある命の輝きを大切にした日々を過ごしていきたいものです。
天声人語には、トヨさんの死を悼み、次のように書かれています。
~ 人間には、自らいたわればトヨさんのように、100年を超えて輝く力が備わっている。くじけずに全うする天寿は、愛し、愛された者への小さな花束となろう。心まで冷える冬は、誰にも巡り来る日だまりを飛び石にして。 ~
花束を受け取った一人として、感謝の思いを込めながら トヨさんのご冥福を心よりお祈りいたします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます