先日、3.11の津波で、たくさんの子どもたちと教職員が犠牲となった 大川小学校に行ってきました。鎮魂の碑の前の祭壇に、花をあげ、焼香をしてきました。
残された校舎は、建物の形はとどめているものの、むき出しになった天井や倒れた支柱などが、押し寄せた濁流のすさまじさを物語っていました。
校庭の一画にある壁面に、民族衣装をまとった世界の子どもたちが手をつないでいる姿、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に登場する銀河を巡る列車や賢治の姿などが描かれていました。そこだけが色鮮やかで明るい空間をつくり、亡くなった子どもたちの思いがそこに留まっているような気がしました。
亡くなった子どもたちと教職員の方々の心の内には、限りのない夢と希望があったことと思います。その未来を津波が一切奪い去ってしまったのだということが、重く心に覆いかぶさってくるようでした。
校庭に沿って裏山があり、倒れかけた竹林の間に人が通った跡があり、小道ができていました。もし、この道を通り裏山に避難することができたらどうだったのだろう…と思いました。
3.11を象徴するような あまりにも哀しく悲惨な出来事でした。
子どもたちの命と未来を守るために、今後どんな安全対策や避難方法が必要なのか、尊い犠牲にこたえるための方策がとられていくことを心から望みます。
学校のそばを流れる北上川は、広い川幅に沿って穏やかに流れていました。
この美しい川をながめながら、子どもたちはどんな夢や希望を語り合っていたのでしょうか。
写真の背景のきれいな青い空の向こうに、亡くなった方々の生前の笑顔が見えるように感じます。
いつもは青いきれいな海が、いつもとは違った表情で、海と同じ色の青い空の向こうに、沢山の命を連れていってしまったんですね。
昨日は阪神大震災の日でした…
母の故郷が神戸、
そして私は4年ほど仙台で過ごした時期があるので、目に浮かぶ街の風景に、感情が重なりあって苦しくなってしまうときがあります。
大川小学校に繋がりのある方々は、もっともっと苦しい想いをされているのですね。
何一つ力になれませんが、忘れずにいることだけは、私にできる大切なことだと思っています。
あの青い空のように、澄みきった心になるように…
私も大好きな歌です。
空の神様に、選ばれて逝ってしまった子どもたちは、きっと綺麗な心と澄んだ瞳で、残された大人たちのこれからの生き方を、見ているのでしょうね。
空と繋がっている青空人さんは、きっとそんな想いを感じるのでしょうか…
青い空に、恥ずかしくないように、日々の暮らしを大切にしなくちゃいけないですね。
忘れないでいること、これがとても大切なことなのだと私も思います。
大川小学校の あるお母さんが 行方不明の我が子を捜索するために、大型特殊の免許を取得して、探し続けているという 新聞記事を読んで、心を打たれたことがありました。遺体も見つからず、我が子を抱きしめることもお墓に入れてあげることもできない母親としての辛さを想うだけで、いたたまれない気持ちになりました。
いまだに 愛する人が見つからずに探し続けている家族の方がいるのだということも、忘れてはいけないことなのだと思いました。
愛する人を失った悲しみは背負うことはできませんが、背負っている人の心の痛みによりそうことはできます。
それが忘れないということでもあると思います。
もしかすると 人生は 忘れていいことより 忘れてはいけないことの方が多いのかもしれませんね。
青空の広さも 深さも 輝きも 澄んだ色合いも 忘れてはいけないものの一つなのだと思います。
青く澄んだ空を 見上げながら 少しでも 前に向かって 歩いていきたいものです。