あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

風間サチコ 展(無人島プロダクション)

2007-06-02 23:42:36 | アート系
先日、本屋さんで世田谷ライフmagazineを見ていたら見たことのある作品を発見してしまいました。

平成17-18年度文化庁買上優秀美術作品披露展で度肝を抜かれた超大作版画「風雲13号地」が掲載されていました。
(参考記事:平成17-18年度文化庁買上優秀美術作品披露展(日本芸術院会館)

はて、なんでまた?世田谷ライフに掲載?

なんと、作者の風間サチコさんが世田谷在住とのことなのです。

そして、個展のお知らせを見て、2度びっくりしました。

なんと、あの無人島プロダクションではありませんか。
(参考記事:八谷和彦”初”ドローイング展~手で描いたものしか出しません~(無人島プロダクション)

明らかに他のギャラリーと異なる視点で運営されていることにすごく好感が持てたのです。

これは行くしかありません。

早速、高円寺まで行ってきました。階段を3Fまで駆け上がると入口横のスペースにはゴルフのアイアンと田中角栄の版画が展示されていました。

こちらの作品は「日本列島改造論」('01)のものとのことです。

タイトルは「改造アイアン」「角栄さん」。

うーむ、こういうことをやってた方なんですねえ。

さて、ドアをくぐると狭いスペースいっぱいに版画作品が溢れんばかりに展示されていました。

いやー、今回初めてみた「日本列島改造論」のシリーズが面白すぎでした。

「ヨッシャー戦闘員」なる作品は造成地に立つショッカー戦闘員もどきが4人。

田中角栄の「よっしゃ、よっしゃ」をもじってこんな作品にしてしまったよう。

さらにツボだったのが「列島改造人間」

これも仮面ライダーに出てくるショッカーの改造人間ちっく。

メインの画像はDMなのですがこれが「列島改造人間」のニシキゴイン。

目白のお池のあの鯉がモチーフでしょう。

スタッフの方に言われて笑ってしまったのがこのベルトのマーク。



ちゃんと、「田中」になってます!

この「列島改造人間」は全部で5人いるのですがスペースの都合で3人しか展示されていませんでした。

展示されていたのは「弾丸レッシャー」と「センキョテロル」。

「弾丸レッシャー」は新幹線がモチーフです。

角栄さんが通した上越新幹線ですね。

「センキョテロル」は頭が国会議事堂で中からはスピーカーが突き出てて、体は選挙カー。車のフロントガラスには「4649」、ヨロシク。

全身に無数に張り付いた2つ折りの紙は投票用紙。

うわー、こんな面白いことを考えて作品にするひとだとは思いませんでしたよ。

「逆算の風景」は左に黒の棒グラフ、右には一戸建て、マンンションという8枚にも渡る作品です。

右肩上がりのグラフと高度経済成長と。

こちらは99年の作品だそうです。

そして、最後に締めくくりとなるのは「反目する遠近ー隅田川ー」。

左には高層マンション。中央に隅田川を挟んで、右側には高速道路の下にホームレスの住処。

その中からはするどい目が描かれています。

格差社会を象徴的にえぐってますね。

スタッフの方が教えてくれたのですが、この左上の雲が裏返すと日本列島に見えるとのこと。

体をひねって見てみると確かにそう見えなくもない。

ただし、風間さんに聞いてみたところそういうつもりでは描かれていなかったよう。

でも、意識せずしてそういう風に仕上げてたとするならそっちのほうがよっぽどすごいです。


これらの作品ですが版画なのに一点しか作成されなかったとのことです。

理由を聞いて納得。というのも、版画なのにインクで濃淡を出して、それでグラデーションを出してるとのこと。

雲のあたりの黒一色でなく濃淡のついてるのは確かに普通の版画ではお目にかかれません。

なるほど、20万以上するのも合点がいきました。

さて、おいとましようとしたら、いきなりガクン!

「!!」

地震です。

あわててスタッフの方に言われて、額を押さえました。

幸い作品は全て無事でした。

まさか、こんなかたちでギャラリーで額を押さえることになろうとは。たぶん、こんな経験はそうそうないでしょう。と言う訳で大変印象深い出来事でした。

風間さんの今後の活躍が楽しみです。


無人島プロダクションpresents
風間サチコ 展
6/9まで
木ー土 11am-7pm(※月ー水は事前に連絡が必要)
166-0003東京都杉並区高円寺南3-58-15平間ビル3F
tel03-3313-2170
http://www.mujin-to.com
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