平和の歌・核兵器絶滅へと戦った英雄の歌

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連続小説   青年の登竜門

2012年12月06日 | Weblog
連続小説
青春の登竜門  第3回 心の不安  作者 中道 進
         
1 優等生
 俊一は高校で優等生であった。大学も一流大学へ入学した。父は医者であった。故に、息子を医者にと思った。父 おい、俊一、勉強しているか。目指すは医者だよ。わかっているよな。俊一、わかっています。しっかり勉強しています。パパ、お願いが、最近バイクを買ったんです。少々お金がー。父 ママ言ってくれ。 俊一はあやまかされて育てられていた。大学生でバイクとは言わないが。大体若者は働いて買っている。学生だったらアルバイトで稼ぎそこから買っている。
 俊一は医者の国家試験を目指し勉強している。が、父の厳しい叱咤の元で勉強しているので心はぼろぼろであった。
 翌朝、母が俊一の部屋へ行った。母 俊一、パパから聞いたわ。バイク買ったの。いくら欲しいの。俊一 このくらい頼むよ。俊一は片手で指をいくつか差し出したのだった。

          2 幻想
 俊一は小遣には不自由しなかった。母に言えばいくらでももらえた。跡継ぎということで母は要求されたお金を出した。母の実かもお金持ちでお嬢さん育ちだった。であるので、嫁に来たときからスポーツカーで買い物をしたのだった。俊一が大学生になっても母はスポーツカーを乗り回していたのだった。俊一は、なんの不自由もしない生活であったので心には大きな負担があった。故に、心の支えに薬を飲んだのであった。薬というと心を毒化させる麻薬がある。麻薬にはアヘンを指す。アヘンはケシの実から抽出されるアルカイドを合成した薬剤のことをいう。それらは幻想を起し脳の健康を害する働きをするので国際的に規制がされている。日本では厳しく大麻取締法の特別刑法の規制がある。
 俊一は麻薬には手を出さなかった。シンナーのような軽いものに溶け込んだ。勉強、勉強では心に負担ができるのだろう。勉強ができて、家も医者でお金に不自由しないところに生まれ不足がないように思うのだが、本人には大変な苦痛が伴っているのである。人間には心の病気が八万四千あるという。人間はこの世に生まれてさまざまな境遇の人がいる。俊一のようにお金持ちに生まれてきた人は多くいない。はたして、どちらが得なのであろうか。お金持ち、お金がないが健康のひと、お金がないが自由に飛びまわれる人。あるいは、病気の多いい人。千差万別の世界である。
 
               次号へ続く

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