短編小説
服に宝が 作 国風 遊世
道夫は酒が好きだった。務めを終えると居酒屋へ直行である。仕事先でも仕事が終わるとその近辺の居酒屋であった。
晴夫 道夫、元気か。酒はほどほどにしていたほうがいいよ。
道夫 忠言、ありがとう。しかし、遅かった。首になったよ。酒の原因で暴れて会社に知られ首だ。
晴夫 ははは、他の会社はたくさんある。やり直しすればよい。お前には、10年前に宝を服に縫っといたぞ。
道夫 宝か、どこにあるんだ。
晴夫 お前、酒臭いぞ、飲んでいるのか。
道夫 心が乏しくて 将来も不安で心が寂しいのだ。酒は薬だよ。
晴夫 お前には宝がある。かちある金魂だ
道夫 宝はどこにある。
晴夫 服だ、背広だよ。
道夫 ほんとか、よし、家に探しに行こう。
二人は道夫のマンションに行く。道夫は、三着の古い背広の裏表を調べた。そして、法華経経典を探し当てた。
道夫 なんだ、経典しかないぞ。
晴夫 ははは、法華経は金以上の価値があるんだよ
短編小説 背広に宝が
道夫 ふざけんな、友人だと思ってバカにしているのか。
晴夫 ははは、法華経は価値があるんだ。釈迦が最後に説いた教えである。方便権教では功徳がないんだ。法華経を信ずれば、酒癖も治る。嫁さんも来る。願い事が叶うのである。
道夫 酒癖が治るというのか、俺は好きで飲んでいるのだ。やめる必要がない。
晴夫 ははは、そのままでは、会社も見つからない。部屋代も払えない
道夫 うぬ、かってだよ。俺の道だ。
晴夫 人間は幸福になるために生まれてきた。悩むためではない。。
道夫 お前、さっき、言ったな、願い事が叶うと。ほんとか。
晴夫 ははは、信じてみろ。実践してみろ。人間は幸になるために生まれてきたのだ。
道夫 ははは、君は笑った、愉快に、俺も、幸福になった笑いたいはははと。
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