平和の歌・核兵器絶滅へと戦った英雄の歌

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    青春の登竜門

2013年07月28日 | Weblog

     青春の登竜門                     中道 進

続 少年A
              5 暗闇
 少年は苦労しアルバイトで稼いだお金を不良に脅し取られ泣いたのだった。母親が病弱で収入がないのでアルバイトし親孝行と思ったがそれがダメになり先行きが暗闇となった。絶望となったのか、次の日から学校を休んでしまった。そして、大きな家を狙い盗みに入ったが見つかり警察に通報され御用となった。警察では簡単な取調べられたが、少年が幼いく初犯で許され母親が引き取りに来たのだった。母親や無言で涙をうかべたのだった。
 しかし、少年は、またもや盗みに入ったのだった。しかし、そこでも見つかり警察に補導された。今回は2回目ということで児童相談所に送られたのだった。
     
              6 掟
 少年Aは、のちに、薄暗く窓が鉄に覆われた少年拘置所へ拘置された。錠がある鉄のドアを入った。早速に声がかかった。新入りはこちらへ。かわいがわれるのである。俗にヤキを入れられるのであった。ヤキとは石焼きイモからきたのだろうか知らぬが、新入りをいじめて逆らえぬようにするのである。ボスの言葉に逆らえぬように恐怖を与えるのである。社会でもいじめはこのようなシステムだろう。
 さんざんにいじめておけば、その相手は恐怖でなんでもハイハイとなるだろう。話は、違うが、相撲の世界は、新入りの幕内を、強いのが稽古でさんざんに転がす。そうしておけば、本番の相撲で相手は恐怖感で負けてしまう。
 ある日、拘置所のボスに逆らった少年を、ボスの命令で全員でヤキをいれた。その少年は顔にあざが付かないように、そこだけ除いてヤキを入れた。その少年は顔は真っ青となり恐怖感で体を震わせたのだった。目の光は失い誰に対してもうつむいた表情となり話もできないようであった。誰からも相手にされず、隅でしょんぼりとしていた。環境は人間を変える。人間の心を変えてしまうのである。親元を離れたその少年は心わびしく希望を失うのであった。
 少年Aもまた心に変化が起きた。弱肉強食の心が強くなり、弱いものと見れば仲間とともに暴力を振るったのであった。凶暴性がでてきたのであった。人間の心、すなわち、親を、友人を大切にし、年配者を、先生を大切にする心を失えばどうなるのだろう。犬だって恩を知っているという。          次回へ