「山の鼻」までもう少し、という所に、初めてあの“ミズバショウ”の群落が現れました。ツレを写真に撮ろうと後ろへ下がった途端、木道の杭に足を引っかけて、脇の泥炭の中へ横倒しに落ちてしまいました。あろうことか、私のズボンはふくらはぎまでしかなく、素肌が出ていた所を深く擦りむいてしまったのです。
随分久しぶりに「ケガ」というものをしました。生来のケチなところが裏目に出て、ちゃんとしたズボンを買うようにツレに勧められていたのを無視し続けた挙げ句の出来事でした。服はずぶ濡れ、泥だらけになりましたが、幸い、ヘリを呼ぶには至らず、何とか自力で歩けたのは何よりでした。
【太い上に腫れている足】
“ミズバショウ”に長く憧れていたので、年甲斐もなく興奮してしまったようです。
昼食を済ませ、トイレに行こうとしてギョッとしました。行列が20M程もつながっていたからです。
尾瀬ヶ原へ出てしまうとトイレは無いので、誰もが「ここで済ませなければ」と必死になります、20分程で何とか順番が来て、「環境保全」のために1人100円の使用料を往復で払いました。
日帰りハイキングでは、ただでさえ時間に余裕がないのに、トイレの待ち時間はかなりのストレスになりますね。
さていよいよ尾瀬ヶ原です。(転んだ後の笑顔のない写真)
西側に「至仏山(しぶつさん)」、北には日本百名山の一つ「燧ヶ岳(ひうちがたけ)=標高2.356M」がそびえています。
そして、これでもか、というほどの“ミズバショウ”や湿地の花々!
見頃はピークを過ぎたものの、まだ十分見応えがありました。
【燧ヶ岳をバックに。】
山の鼻から1.5キロの所に、絶景の「逆さ燧」が見える所があります。そこにはベンチがあったので、私だけ残り、ツレは「牛の首」を目指しました。
どんなに先へ行きたくても、バスの集合時間が4時と決まっており、帰りの時間を確保すると「牛の首」が限界でした。
【唱歌「夏の思い出」に出て来る「浮き島」】
その後は来た道をひたすら引き返す訳ですが、帰る時間は大体一緒のようで、木道はアリの行列のように人がつながり、一歩一歩前の人の足下を見ながら進みます。今度は200Mの標高差を登る訳で、当然足の疲れもあり、私には「痛み」もあり、かなり大変でした。
そして案の定、高齢の方々はもっときつそうでした。木道脇のベンチにはギュウギュウ詰めで休んでいる人々、あまりのきつさに足が思うように上がらず、少しの段差につまずいて転ぶ人・・・。
我々は少し早めに出口にたどり着き、お土産を買ったり、傷の消毒をしたりしていると、ピーポーピーポーと救急車の音がして、運ばれていく人もありました。
腕に骨折の包帯をしている人も。私も運が悪ければどうなっていたか、悲喜こもごも、でした。
最後に、この日に歩いた歩数は30.524歩、でした!
実距離は尾瀬だけで11キロくらいでしたが、段差の低い階段も多いので、スマホには19キロと出ていました。