窓の外の軒に吊るした風鈴が、涼しげに音を鳴らしている。
これは、初代風鈴である。
つい先日まで、前にテラスに書いた、備長炭の風鈴を吊っていた。水禽窟の音のような澄んだ音色が、癒しの音として軒下に無くてはならないものだった。
4日間家を留守にした間に、備長炭風鈴に異変が起こっていた。
かえって窓を開けると、濡れ縁に炭の切れ端が、無残な姿で転がっていた。
出かけるとき、雨さえ降っていなかったので、通常の戸締りだけで家をでた。ところが紀伊半島沖で発生した台風が、足早に本州を駆け抜けたのだ。
その夜の出来事に違いない。主のいない部屋の外で、激しい風雨にさらされて、きっと激しく、音を鳴らし続けたのだろう。そして 炭同士のぶつかりの激しさに折れて落ちたに違いない。ぶつかる相手の無くなった一本だけが、本体に残った。
台風ごとに、家に入れていたのに・・・
紀州の旅の思い出の品として、惜しいことをしたと思うけれど、それ以上に、風雨にさらされながら、音を鳴らし続けたことが、可哀想でならない。拾った炭を何かに使おうと布にくるんで仕舞った。
再び軒に吊るした、南部鉄の風鈴が、炭とは違った音を奏でている。軒下の音のある風景である。
これは、初代風鈴である。
つい先日まで、前にテラスに書いた、備長炭の風鈴を吊っていた。水禽窟の音のような澄んだ音色が、癒しの音として軒下に無くてはならないものだった。
4日間家を留守にした間に、備長炭風鈴に異変が起こっていた。
かえって窓を開けると、濡れ縁に炭の切れ端が、無残な姿で転がっていた。
出かけるとき、雨さえ降っていなかったので、通常の戸締りだけで家をでた。ところが紀伊半島沖で発生した台風が、足早に本州を駆け抜けたのだ。
その夜の出来事に違いない。主のいない部屋の外で、激しい風雨にさらされて、きっと激しく、音を鳴らし続けたのだろう。そして 炭同士のぶつかりの激しさに折れて落ちたに違いない。ぶつかる相手の無くなった一本だけが、本体に残った。
台風ごとに、家に入れていたのに・・・
紀州の旅の思い出の品として、惜しいことをしたと思うけれど、それ以上に、風雨にさらされながら、音を鳴らし続けたことが、可哀想でならない。拾った炭を何かに使おうと布にくるんで仕舞った。
再び軒に吊るした、南部鉄の風鈴が、炭とは違った音を奏でている。軒下の音のある風景である。