カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

無人の駅で「さようなら」

2008年10月31日 | ★ 日々の呟き




昨日の朝9時過ぎに、この町の老舗旅館・藤井館へ、東京老人さんご夫妻をお迎えに行った。
前の日は終日正倉院展を初め、奈良市をレンターサイクルで観光されたとの、お疲れも見えないお元気なご様子での、初対面のご挨拶だった。

「初対面」ではあったが、実は1昨日研修旅行の帰り、駅前駐車場に車を取りに行った時、市内の地図板の前で、地図を見ながら話していらっしゃる、お二人と出会っていたのだった。
「もしかしたら・・・」という思いはあったが、声をお掛けすることも出来ないままに、駐車場へと急いだ。

だから、藤井館でお目にかかったとき、「あぁ、やはり・・・」と前日の夕方の駅前の事が悔いとなっていた。

ブログのご縁とは不思議なもので、長年の旧知のような雰囲気で、藤井館のご主人(おがたんさん)とともに、半日の五條の町のご案内となった。

安藤忠雄氏設計の市立博物館~栄山寺~代官所跡長屋門~古い町並み「新町筋」~堤防からの吉野川や奥吉野紀伊の山並み~幻の五新鉄道のアーチ

2時過ぎには和歌山に向かわれる予定のお二人にとっては、短い時間の五條観光だったが、最後のホテル六階から、四方山に囲まれた町と、吉野川の一すじの流れを見ながらのランチタイム(ご馳走様でした)は4人の会話が弾んだ。




何しろ1時間に1本の電車の時間帯なので、遅れては和歌山での予定が変わってしまうので、五条駅より一つ和歌山よりの、大和二見駅までお送りすることになった。
無人駅で、上下線とも同じホームという小さい駅だが、お見送りには都合が良い。



待つほどもなく和歌山行きの電車が入ってきた。
運転士のいる1号車しかドアが開かない。
ここから乗降したことがないので、同じ五條でも勝手が違う。




乗車したのは、「東京老人」さんご夫妻だけだった。

閉まりかけたドアの向こうで、奥様が手を振ってくださるのを慌ててカメラに収めたが、ドアの閉まるのが早くて、「さよなら 」の手だけが  に。


 岩本寺~金剛福寺
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源氏夢回廊 その2 明王院 田辺聖子文学館

2008年10月30日 | △ 旅 あれこれ ドライブ



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明王院 田辺聖子文学館 源氏物語と花
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夢回廊の入場券と共に貰った、イベントスケジュールのパンフレットの中の、明王院「田辺聖子源氏物語文学館」についての説明に、下のような記述があった。

<美しい現代日本語>で注釈書なしに“源氏”を読める楽しみを読者と共有したいがために現代語訳に挑戦したという田辺聖子さんの『新源氏物語』。
オリジナル源氏ともいうべき『私本・源氏物語』シリーズ、光源氏等を様々な視点で軽妙に描くエッセイ、アーティストとのコラボレーション、人気沸騰で聴講待ちの人があふれた大阪のホテルで3年に亘って開かれた講演『源氏を語る』……現代日本を代表する作家・田辺聖子さんは古典にも造詣が深く、とくに源氏物語に関する著作はバラエティーに富み、源氏物語千年紀に欠かせない重要人物です。
その田辺聖子さんの特別な協力を得て、田辺聖子源氏物語の世界を展開します。

源氏物語に出てくる多くの花の中で、この館ではちりめん織の布で作った四季折々の小花が、優しい色合いで華やいだ雰囲気をかもし出している。



GIFアニメ4画像

壁面を美しく飾っていた、六条御息所・明石・空蝉・朧月夜・若紫・末摘花の一場面と花の繊細で美しい絵も、この館を楽しいものにしていた。

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石山寺紫式部展・源氏夢回廊・その1 世尊院

2008年10月29日 | △ 旅 あれこれ ドライブ




石山寺で源氏物語の構想をする紫式部



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源氏夢回廊・その1 世尊院
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紫式部の源氏物語が世に出て千年、各地で千年紀を記念したイベントが行われている。
今回の石山寺行きは、そのイベントの一つ、「源氏夢回廊」と題したイベントを観ることだった。
普段開放されていなかった世尊院では「紫式部・千年の恋館」として、源氏物語の世界に誘われる。



世尊院庭園

岩本寺~金剛福寺
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瀬田川の畔で機織りをする人

2008年10月28日 | △ 旅 あれこれ ドライブ




GIFアニメ6画像

琵琶湖に流れ込む川は多くあるが、琵琶湖から流れ出る川はこの瀬田川だけである。
そんな瀬田川の堰が左手に見え、前にゆったりとそして川幅いっぱいに流れる瀬田川の見える場所に、その人の営むカフェがある。
ドライブの途中で、初めて休憩したお店である。
だからその人としか書くことが出来ないが、お店の名前は「ぴっころ」。
ウインナーコーヒーが美味しかった。
帰り際にカフェからガラスごしに見えたその人の仕事場には、機織機が見えた。
「紬を織っています。」
興味深そうに見ている私にそう言って、そこに入って写真を撮ることを承知してくれた。
優しい口調のママさんだった。
旅の途中のちょっとした出会いだったが、琵琶湖に行く時には、また立ち寄って、美味しいウインナーコーヒーを味わいながら、今度はゆっくり織物を見せてもらいたいなぁと~~~。

岩本寺~金剛福寺
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神の渡り場 万葉古道・飛び越え石に至るまで

2008年10月26日 | ☆ ふるさと・大和



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神の渡り場 万葉古道・飛び越え石に至るまで
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県境の落合川に、古代からの「神の渡り場」と言われている場所のあることは、聞いていた。
明日香の飛び石へ行った時から、そこに行って見たいと思っていたのが、友人の誘いで実現した。
小雨が降っていたが、歩き出した頃には、傘が必要なほどでもなく、ただ足元が濡れて滑りやすい状態なので、細い畦道になるとずいぶん気をつけて歩いた。
「飛び越え石」と呼ばれているのを、県境を越えて所からの道しるべで分かった。
古道は、現在の県境越えとかなり離れた、多分山中の道であったのだろう。
親切な道しるべがあり、やっと4度目で、下の竹藪や、木々の繁りの中から、川音が聞こえてきて目的地に着いた。



落合川の「飛び石越え」の岩
いで我が駒 早く行きこそ 真土山 待つらむ妹を 行きてはや見む  巻12-3154 飛び石越え

上の画像のサムネール右の歌碑にはこの詠が刻まれているようだが、雨に濡れているのと、湿気の多い場所柄苔が生えて、私には読み取れず、真土の万葉歌碑の中で見つけた。



真土山を越えて、この落合川を飛び石越えに渡った、古代の、大和の人や紀の国の人の息遣いが聞こえてきそうな、まさに神の渡り場である。



飛び石を越えれば、向こうに続く細い山道は大和の国。
今はこの先が途絶えていた。

真土山、真土峠と、今は書いている。
真土山、待乳山、亦打山はすべて字が違うが同じ地のことで、弘法大師伝説からの「待て乳山」とこの地の人は、この地名を大切にしている。

上野運動公園にも「待乳の森」の碑がある。

岩本寺~金剛福寺

コメント (15)
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