カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

下駄をならして

2004年08月09日 | △ 旅 あれこれ ドライブ
カラッ・カラッ

瀬戸大橋 与島PA に休憩する。南国の雰囲気の海辺に向かって急いだ。同じように、海へ向かう音がついて来る。

カラッ カラッ カラッ 下駄の音だ。振り向くと、娘は赤い鼻緒の桐下駄を鳴らして走ってくる。確か家を出るときは、スニーカーだったはずだ。

「なに?それ!!」

「この間、下駄箱の整理をしてたら、桐の下駄が出てきたの.少しカビが生えてたけど、拭けば取れたので、素足に気持ちがいいので、車に積んでおいたの」

いつ履こうという目当てもなかったが、海からの風を受けた時、急に思い出したと言う。

おおよそ 海と関係ない桐下駄なのに、素足に馴染んでいる。

娘を嫁がせるときの、荷の下駄箱の中に入れてやった、何足かの履物の一つが、こんな形で今 目の前にあることに 当時のことが思い出され胸がキュッとなった。

娘は、バンガローでの食事作りに、カラカラと下駄の音を響かせて、3日間動き回っていた。
コメント (3)
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