参道に沿った土手に咲く彼岸花は、野の花が自由に咲く無造作そのもので、開花の時期を
謳歌しているように感じます。
時期が来ると 好きなように、好きに咲く、彼岸花の一番彼岸花らしいところでしょう。
目線を上に移していきますと、柿の木にたった二つの柿の実が成っています。
赤く色付いた柿と、緑の柿です。
根方に咲く彼岸花に遠慮したかのような秋の色ですが、緑の葉陰に色づく秋を見つけたような気がしました。
ここでは、柿が主役としました。
木の葉を見ますと柿の木だと思いますが、もう古木らしく幹の皮がはがれています。
その幹に何かのツタが巻きついて参道に共生しているのも、あまり歩けなくて、見つめる範囲の狭い今だからこそ
目に付いたと思い、可笑しくなりました。
接写したくてもなかなかその姿勢にはなれない、私を励ますように「筋トレ・筋トレ」と
ヒガンバナが笑いながら言ってくれました。
ここに初めて来たカズコさんに、一言主神社にお参りして来ること、巨樹の大銀杏の
幹から多く伸びて垂れ下がる乳根を、見てくることを勧めて、私はそこまで登れないので、
この場所からお詣りをしました。
大銀杏が黄葉した時は、山麓線を車で走っていても、綺麗に見えるほどです。
蜘蛛塚伝説
古代の「土蜘蛛」に関する伝説と結びついています。
土蜘蛛とは、古代日本においてヤマト王権に従わなかった先住民をさす言葉だそうです。
彼らは朝廷から恐れられている存在でした。
神武天皇は東征の折、土蜘蛛を捕えて彼らの怨念が復活しないように頭、胴、足と別々に埋めたと伝えられます。
この蜘蛛塚の傍の彼岸花は、一輪咲いているだけで、周りには蕾が沢山見られました。