「みんな私を見つめている。」初めてこの花をここで見た時そう言って友人に笑われた。
橿原市の元薬師寺跡へ、昨日行って来た。ここではやはり「あなたに会いに」と言うべきだろう。
もう何年か前から、毎年晩夏か初秋にはきっとここに来ている。
一人の時もあれば、友達と一緒の時もある。早すぎて再度訪れることもある。
駐車場に車を置くといったん道路に出てまずこの場所から1枚ゲットする。
今年は左側に水面の空間が多すぎるようだ。9月に入ると田圃一面になるのではと思っていたが、昨夜のテレビでは「見ごろは今月いっぱいでしょう。」と言っていたので、慌てて翌日早朝に出かけたが、見頃はまだ続くような気配である。
一つの花は1日花だけれど、蕾が次々咲いてくるので、長く咲くように見える。
道路側の標識と大伴旅人の歌碑 お寺の境内の中に建っている標柱
この辺りの花は、密生していて空を映す水たまりがないので、薄紫の花の絨毯のようで美しい。
熱心に接写をしている人がいるので、暫く待ったが可愛い花との出会いを、一番気に入った美人との出会いを期待して睨めっこをしているその熱心さに、私の1枚に入って貰った。(黙って失礼)
ここは鏡池だと私は思っている。田圃1枚には何も植栽していないで、畝傍山の姿が綺麗に入るようにしてくれている。
本当はもっと畦道の真ん中の方に歩けば、畝傍山が対照的に入るのだけれど、膝を悪くしてから、バランスをとって立つことが不安定なので、もし田圃に足を踏み外すと大変で、思ったようには写せなかった。
所々にある、ホテイアオイが密生していない空間も、花たちの姿見の空間のようである。
そう思って歩いていると、どこを見ても楽しい。
少し離れたところに三脚を立てたり、レンズをしきりに覗き込んでいる集団のいるのが見えた。
あちらにも花が咲いているのかしらと、例年そこには咲いていないのだけど、好奇心にかれれて行ってみた。
大勢いるわりにとても静かだ。
みんな1っ点を見つめている。
眼鏡をしていても遠くは見えにくいので、カメラを望遠で引いてみたら、「いた・いた」鴨の親子らしい。
この写真で見えるかしら。もうずいぶん前のことだけど、あんなに遠くの方でなくて、すぐ足元で鴨の親子が遊んでいたのを写真に撮ったことがあった。2年くらい同じ場所で写すことができたが、いつの頃からか見えなくなっていた。
この子達がまた来年もここに来るといいなぁと、一つ楽しみができた。