<資生堂>12年ぶりにシャンプーで首位奪還 毎日新聞
資生堂が3月下旬に発売したシャンプー・リンス「TSUBAKI(つばき)」が、今月3~9日のシェアで、98年末から首位を守り続ける「ラックス スーパーリッチ」(ユニリーバ・ジャパン)を抜き、トップに立った。
田中麗奈、上原多香子、竹内結子、仲間由紀恵、広末涼子、観月ありさの6人のトップ女優を起用し、SMAPの曲に載せて流れるCMなら売れないわけがないと思うのだが、それでもここまで強引なCMを作る気になった商品なのだろうなと思う。
TSUBAKIのHPのCM情報のページに6人の女優さんがそれぞれCMを撮った後にインタビューされていているんだけど、その中で竹内結子が良いこと言っていて、”海外のものを鵜呑みにしてきた日本の女性達が、ふと気付いてみると自分の身近に良いものを見つけた感じがします”と言っていた。
バブル以降、僕達日本人の価値観は迷走を始めたといって良い。
物価は安定していた。
だが不景気であることにかわりはない。
僕らはじっと買い控えをして100均やユニクロで損をしない買い物で抑えるところは抑えて、自分の一番欲しいものに金をかけるようになっていった。
でもそういった生活に心が湧き上がるような楽しさはなく、良いものであるならば、今の自分の生活に潤いを与えてくれるものを探し出した。
僕らの働く日本企業は多少の浮き沈みは有りながら下降から上昇へと転じようとしている。
でも僕らはかわりに、終身雇用制度の廃止だとか、リストラだとか、派遣社員の増大だとか、正規社員の人数減と負担増だとかの将来対する不安定要素を受け入れないと、月ごとの一定収入は得られない状況に陥れられている。
僕らは一体何なのだ。
僕らは何処に生きて何処に向かうのか。
日本はどういう風になっていくのか。
それを考える糧として日本とはどのような生活をしていた国民だったかが、どのような部分に価値を求めていた民族なのか、今一度知る必要を感じたのではあるまいか。
今、各所で日本のかつてあった価値観を見直そうという動きが出ている。
日本的価値観を全面否定し、欧米に追いつくことが、真似できることが、幸せだった時代ではなくなりつつある。
僕らは僕らの文化を新しく取り直さなければならないと無意識のうちに感じているのではないかと思う。
そういう問いが僕らの中に生じたのではないか。
「NEO NATURAL」とかいうと「なんとかさんの手作り石鹸」とか出てきそうだが、僕の意図するところは、もう少し違う。
今、静岡では地場産業である下駄などの履き物が面白い。
画像はひのきの履き物なんだけど、デザイナーさんが作ったもので、フィット感がとても良いらしい。
いつでもフローリング状態なのだそうだ。
で、こんどは「セッタ・カリブソンクロス」とかいうそうで、まあ鼻緒の形と、板の部分の形状が斬新なんですね。
で、なにが言いたいのかというと、これから出てくるのはこういった、椿油とか、下駄だとかいう日本の伝統文化が形を変えて、つまり伝統にそのまま回帰するんじゃなくて今の僕らの日常生活にすんなりとけ込める状態に加工されて、新たに価値を見つけられるんじゃないかと言うことです。
その意味で「TUBAKI」の売れ行きの良さは、CMの作り方だけの問題ではないように思えるのです。
日本の伝統文化は子供の教育でも見直されていますよね。うちの子も中学の時には、お琴と三味線と篠笛を習ったりしていましたっけ。若いせいかすぐ覚えちゃってびっくりしました。新たな価値を見つけられるっていいですね。
尾崎豊の「I LOVE YOU」なんだそうです。時代ですねえ。