超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

ラスト・ライティングスの問い

2022-07-01 03:52:39 | 無題
ヴィトゲンシュタインの「ラスト・ライティングス」が来る。
痛みは会話で伝わるか、「子どもは正直だ」は本当か、
「この絵はいまウサギにみえる」と感じるアスペクトの
ひらめきとは何か、犬は痛い振りができない、
など、「探究」でも検討された問題群をめぐって
行きつ戻りつしている。
定価の2倍以上だったが、読みたいので買った。
多くの本は集めたが、学びの実が結ぶのは
かなり先になりそうだ。
フロイト派はとらないとした彼であるが、
日常的な、ことばの規則の検討、ことばの内実と心理、
他人との交流なしに私的言語を書きつける
意味はあるか、こうしたことが晩年の
彼の頭を占めていた。禅問答とか言う人もいるが、
もっと生活様式として、語の使用の現場で、
文章が意味のやり取りとして成り立つか、という
見方からの、現実的な問いかけの実践だったように思う。
彼はナンセンスの妙を解するのは、不得手のようにも思う。

その意味はピタリと人に伝わるか考え抜いた誠実な人

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2 コメント

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Unknown (まかろん)
2022-07-01 06:15:40
angelosさん、ウィトゲンシュタインはそんなことまで
考えていたのですか。
へぇ〜っと思わされました。
西洋文化圏の人ですけど、良い言霊使いになれそうな
お人だなぁ、と思いました。

正しい答えを得るには、
正しく問わないといけないと思います。

曖昧に問題をとらえて曖昧に問うと、
的外れな答えしか得られないように思います。

ウィトゲンシュタインを動かしたのは
そうした情熱だったのかもしれないですね。

正しく世界に問いたい。
そして正しく世界の問題への答えを得たい。

まあ、ただの想像ですけど😅
でも、間違いなく誠実な人ですね。

勉強になりました😊
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Unknown (angeloslennons)
2022-07-01 06:40:32
まかろんさん
コメントありがとうございます。
まさにウィトゲンシュタインは、
誠実な人です。
飛び抜けたきまじめさゆえに、人が
考えてもみなかったような、
問いの地平に立つことがよくあります。
そういうときに、じぶんは心打たれます。
超人日記
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