超人日記・作文

日々の随筆の合間に、短歌や俳句も登場します。

徒然俳句・不思議の頁

2024-10-05 00:03:21 | 自作俳句
秋暁に粉珈琲の封を切る
全身に力滴る良夜かな
ルーヴルの秋シャツを着て歯医者なり

舞踏とはぐちゃぐちゃな絵の美術展
多作なるヨアヒム・ラフを浴びる秋
ひと時を楽しむ事に気づく秋

八冊目間もなく終わる秋の筆
赤と黒二色で歩く毛虫かな
秋めくる不思議の国の頁かな

新しき看護師多し秋の歯科
手短かな秋の便りで麗らかや
倍速で季節の進む今朝の秋
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徒然俳句・旅海月

2024-10-04 00:03:23 | 自作俳句
公園に移動図書館枯れ落ち葉
凉しきと思えば戻る秋旱
町行けば丸き桂の落ち葉かな

茜色ガーベラ買いて帰りけり
人の庭袋を掛けし葡萄あり
秋の空逢魔が時の帰り道

店先に青き蜜柑が並び出し
パン屋にも栗やポテトが躍り出て
旅の秋水族館に浮く海月

手袋が相模国で売り始め
一文字セセリの様な円らな目
先月も心か揺れて神無月
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徒然俳句・友禅菊

2024-10-02 00:03:19 | 自作俳句
面影を友禅菊にふと思う
店頭にアキランサスの茜咲く
目の前に白一杯の桔梗花

人の庭赤くなりけり柘榴かな
秋涼や漸く此処に辿り着き
パソコンが一つ壊れて秋の空

パソコンを復元させる夜長なり
消え去りし文書き直す秋の筆
レジ籠に数の子わさびだけを入れ

白き葉に北を思いて初雪草
涼風に我を忘れて吾亦紅
頬を染めうつ向きがちに梅擬き
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徒然俳句・夕陽雲

2024-10-01 00:03:07 | 自作俳句
薬局の茂みにも啼く秋の虫
うそ寒や町の靴屋で探す秋
秋涼に誘われて行くパン喫茶

見上げれば黄金に燃える夕陽雲
十月の論理国語は澱みなし
庭先に気付けば秋の小薔薇かな

秋晴れに流れる雲の万華鏡
幼少の写真を眺め枯れ落ち葉
水澄みてショスタコヴィッチの演奏会

秋野から花粉を飛ばす淡き息
ロザリオ祭短髪にする美容院
人の庭一つ二つと秋の茄子
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徒然俳句・輪舞曲

2024-09-30 08:05:04 | 自作俳句
幼少の雲の遠さや巴里の秋
墓標まで登る途中の彼岸花
童顔の様なかたちの木の実かな

信号の無き車道なり秋の蝶
残されし糸瓜炒めと後半生
月の夜消し忘れたるテレビの間

秋涼や薄きジャケツが役に立ち
秋桜がオレンジ色に町を染め
唇は柘榴の色や旧校舎

里の奥落ち葉の宿に人疎ら
秋の園身を反らしつつ輪舞かな
木枯らしに舞い散る落ち葉赤子の手
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