超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

歳時記俳句・実りの束

2023-11-29 00:03:21 | 自作俳句
紫の蕾をつける寒菊や
撫子に霜の雫が光りけり
鮮やかな山の麓に寒樹林

寒暁がパンの匂いに満たされり
店内に実りの束や冬ぬくし
冬の庭柑橘類が実もたわわ

貸本車ミッフィ達の聖夜の絵
また来たる一年ぶりの雪景色
冬の水寝ぼけ眼も冴え冴えと

氷塵の乱反射する行き帰り
雪靴で歩く感触冬来たる
冬窓を遠くに見つつ蛍光灯
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歳時記俳句・天文台

2023-11-28 00:03:13 | 自作俳句
薄紅の海蘭擬き誰の頬
山眠る診療所脇ラテの湯気
聖母子を思う真冬の天文台

待ち人が来れば小春の冬御籤
神無月十五夜を待つ安普請
川蝉が池に来りて冬薬師

神隠し狐の面の冬稲荷
駅地下で元気に踊る福寿草
蝋梅や銀の刺繍の冬舞台

柊木に夢を託して冬飾り
冬届く幸の牛乳配達夫
税務署で詩人と記す十二月
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歳時記俳句・真冬日

2023-11-27 00:03:26 | 自作俳句
札幌で買いしコートで冬ぬくし
久々のコートのファスナ二重とは
厳寒の越した町にも冬時雨

寒暁にまた文字を埋め筆を置く
底冷えで相模国も真冬日に
心なし店のサンタも寒そうな

店内の栗鼠もそろそろ冬眠す
冬晴れに紫色の寒菊や
牡蠣フライ買う諸人に主来ませり

朝支度鏡に映る冬笑窪
雪晴れにパン買いに行く毛糸指
厳寒を感じさせない冬の汗
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歳時記俳句・サンタ人形

2023-11-26 00:03:17 | 自作俳句
冬色の落葉を今日も踏み分けり
冬の町思い思いに咲くすみれ
寒月にさっと飛行機横切りぬ

口開けて笑うサンタの手人形
雪だるまサンタと並ぶつぶらな眼
冬の暮れ囁き声のフォーク歌手

枯れ草が壁に映りて山水画
家路には金星光り寒月や
冬枯れに満天星も赤あかと

家々の冬のリースが幼な子に
雪積もるミュンヘン祭り白い息
月凍る家に帰りて湯浴みせり
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歳時記俳句・木枯らし

2023-11-25 00:03:46 | 自作俳句
寒菊の卒業写真庭一面
冬日向芝生の上でお弁当
寒晴れに何を思うや野紺菊

山眠る診療所にて接種せり
毛糸編む暇も無きまま就寝す
寒日の電気炬燵に足気まま

湯冷めして髪を乾かし茶を沸かす
図書室の窓から見える冬桜
寒木立木枯らし吹いて行き帰り

冬眠を起こさぬように落葉踏む
すれ違う時はいつでも息白し
一年を無事終えそうな冬花火

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