超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">流星群も遠い年の瀬</span>

2009-12-31 00:07:15 | 無題

今日は書いていた文章がひと山越える。
こうやって幾つもの山を越えて形にしてゆくのだ。
その後友人と待ち合わせているので外出する。ヘレヴェッヘとアンドラーシュ・シフとブルーノ・ワルターを買う。皆格安だった。冴えない日もあり、当たりの日もある。文章を書くのにラッセルの西洋哲学史は良い作用をもたらしている。意識に文章の波が押し寄せるのである。それが背中を押してくれる。ラッセルの書いていることは今では古臭い学説も混じっている。それでも文才があり、理路整然と語るので参考になる。
今日は友人と新宿のウシュクダルというトルコ料理屋で歓談した。その友人は最近金沢、大阪、京都と続けて旅をした帰りだという。五木寛之と金沢、みたいな本を片手に金沢に行き、内灘闘争を思わせるニセアカシアの森のトーチカで歌をこっそり録音したという。金沢はおでんパラダイスだと言っていた。大阪ではコリアンタウンで唐辛子を買い、お土産に何本かくれた。京都では源光庵の悟りの窓の枯れ野を見て、千本釈迦堂で観音様のありがたいお顔を拝み、今日帰ってきたという。
私は数日前クルト・マズアの迫力満点の第九をNHKホールで見て、その足で新宿の回転寿司屋に行き七皿食べたが九三〇円だったという話などをする。この友人には悩みや冗談を言って会うと気が晴れる。
帰って今年最後の風呂に入り、ブルーノ・ワルターやヘレヴェッヘを聞く。
ブルーノ・ワルターの音質は予想内だが、ヘレヴェッヘ・ロイヤルフィルの清澄な響きには心打たれた。シフは聞かずに取ってある。NHKのテレビで国民の歴史みたいなドキュメントを見る。徴兵を逃れて欣喜雀躍と日記に書いてあったという。表の歴史には出てこない、本音の歴史を流していた。今年は翻訳に明け暮れ、疾風怒濤の事件の多い年だった。ドリームアカデミーのプリーズ・プリーズ・プリーズを聞いて祈った小さな願い事は叶った。来年も小さな願い事を一つずつ形にする実直な年にしたいと思っている。
数々の思いを胸に暮れてゆく流星群も遠い年の瀬、という短歌を書く。



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<span itemprop="headline">グルダと切り株の聖夜</span>

2009-12-24 18:17:33 | 無題

今朝、うとうとしながら、リペア(修繕する)こそ人の課題であり、自分の仕事であり、イエスの贖いだと思うに至って目が覚めた。睡眠思考である。何か意味があるのか、寝ぼけていただけなのか微妙である。最近、眠る前にポータブルCDを聞きながら、ラッセルの西洋哲学史を読んで眠ることにしている。余り本業の役には立たないのだが、説教節みたいでテンポよくうんちくが披露されていて面白い。近頃、大きな見通しと雑学を組み合わせないと学成り難しと思うに至った。そこで、レヴィ=ストロースやバートランド・ラッセルを読んで脳の中に大きな流れを作ろうと心がけている。
今日は親の見舞いで病院に行った。最近両親とも入院中である。途中良く寄る喫茶店で森の切り株ロールという菓子を二つ買い、病院で食べた。私の過去に深い縁のある母の友達と三人で食べた。
母はブロムシュテットの第九を貸してあげているのでそれを聞いているという。第九と言えば明日はマズアの第九を聞きに行く予定である。私の青二才の頃の思い出をいくつか聞かされたので、当時聞いていたAnd I love herが脳裏に浮かぶ。
帰ってギリシア語英語対訳新約聖書を読む。今日読んだ所は、弟子が僅かなパンと魚しかありません、と言ったのに、イエスが天に祈って、パンと魚を手渡すと大群衆が腹一杯食べてまだ余りがたくさんあった、というくだりである。自分には与えるものは僅かしかないと焦ってもそれは思い込みで、実はアウトプットできるものは無尽蔵に眠っているということだろうか。示唆に富む話である。
聖書を読みながら、グルダのコンプリート・モーツァルト・テープスを聞く。誰かがグルダのベートーヴェンを評してへらへら笑って弾いているようだと言っていたが、その天真爛漫さがモーツァルトには良く合う。天使の戯れの笑い声が聞こえてきそうな、イヴにぴったりなモーツァルトである。アラウの瞑想的なピアノソナタも最高だが、グルダの天使的な軽快さも楽しい。一年を振り返って、色々思い出しながら、グルダの天使の戯れに一時心を委ねている。来年の今頃は笑顔でクリスマスを迎えられるか。シビアな思いが交錯する。
天上の響きも軽く木霊して全てを忘れ祝う聖夜を、という短歌を書く。



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