超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

28日に会う、懐疑派の友

2023-06-28 05:04:17 | 無題
28日は、近郊の街で哲科の友人と会う。
この友人は学生時代、懐疑主義を専攻していた。
そこで、思い出すのが彼が論文に使ったという
次の2冊である。
岩波文庫になっている、
「古代懐疑主義入門」(アナス&バーンズ著)
京都古典叢書になっている、
「ピュロン主義哲学の概要」(セクストス・エンペイリコス著)
である。
ピュロンの懐疑主義の哲学とは、ヘレニズム時代の「判断中止ないし
判断保留」の思想。
人の数だけ見え方はあるから、
異なる意見のどちらにも加担しない、
断定を避ける思想。ヘレニズム時代に
禁欲のストア派、快楽肯定のエピクロス派と並び、
ピュロンの懐疑主義が三大潮流となった。
ストア派の「自然にしたがって生きよ」、エピクロス派の
「隠れて生きよ(レテ・ビオーサス)」、ピュロンの
「判断停止(エポケー)」が有名だった。
この判断中止は、近世のデカルトの方法的懐疑を経て
20世紀の現象学のキー概念ともなった。
その源流のピュロンを選ぶとは、結構な猛者である。
私のよき哲科の友、相談役である。

物事の一方だけを良しとせず断定をやめ答えを保留す

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