ミョ~に、にこやかなオバちゃんに、
薄気味の悪さを感じながらも、芝居は進み、
いよいよ山場に差しかかったとき、
突然、稽古場のインターホンのベルが、
けたたましく鳴り響きました。
「管理人さんからです。
すぐに責任者が来て下さい、って」
といっても、
通しの途中で、
稽古を止めるワケにはいかないので、
演出家不在のまま、芝居は続き、
終わりに近くなったところで、
やっと主宰が戻ってきました。
そして、周りの役者に、
「ヒールのある靴は履かないように」
と、こっそり指示。
ワケのわからぬまま、
それ以降は、ヒールのある靴は履かずに、
稽古は終わりました。
「いったい、何だったんですか?」
稽古が終ると、
みんな一斉に主宰に駆け寄りました。
ダメ出しより、何より、
さっきの話が気になって仕方ない(笑)
(ダメ出しのときも、このくらい早く集まれよ)
と思ったかどうかは別として、
主宰の説明によると・・・。
「カーペット敷きの部屋で、
ヒールのある靴を履いているのがいる。
あそこは、ヒール禁止のはず!」
という通報(?)があったのだそう。
「もし履いているのなら、すぐやめて下さい。
今度、違反したら、もうウチは使わせませんから」
と、主宰は、
管理人さんに、かなり怒られたようでした。
しかし、靴って・・・。
靴?!
そうか!
これでやっと、すべてがクリアになりました。
オバちゃんの動きをたどっていくと・・・、
まず、
我々が、共有スペースに荷物を置いて、
そこで着替えていることに腹を立てた。
管理人にチクってやる!
・・・が、待てよ!
自分たちもドレスに着替えるのに、
共有スペースを使うこともある。
これが厳しくなるとマズい。
だけど、目障りだわ。
何か言ってやりたい。
あ・・・そういえば!
あそこの部屋はカーペットのはず。
あの連中、
たしかヒールの靴を履いていたような・・・。
・・・ということで、確認をとるために、
我々のところに現れたんだ。
チクるために、あんなににこやかに、
そういえば、
みょ~に靴のことを言ってたっけ。
おおおおお、おそろしや

我々のオバちゃんぶりなんか、
とても足元にも及びません。
と、みんなでビビったのでゴザイマス。
(おわり)
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