望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

誤解を避けるために、役者のアタマの中をご説明します

2014-09-28 01:22:48 | 舞台・ウラ話

こんなドタバタのウラ話を書いていて、
ちょっと心配になったことがあります。


   髪が落ちたりしたら、
   芝居がおろそかになるんじゃないか?


こんな誤解を受けると、
ちょっとつらいな、と思いまして。


なので、少し、役者のアタマの中を、
ご説明したいと思います。


基本的に、ドタバタがあっても、
芝居がおろそかになることはないんです。

それなりに経験を積んできていますから、
芝居が崩れることは、まずありません。
(と思っている)


勘違いされやすいので、
ちょっとだけ、説明させて下さいね。


<芝居に集中すること>

  イコール

<役が憑依すること>

  じゃないんです。


もちろん、たま~に、憑依型の役者さんもいますが、
かなり特殊です。

我々役者が、
役のアタマでいるのは、だいたい半分くらい。

残りの半分のアタマでは、
冷静に、いつも状況判断をしています。


だって、違う人間を演じるんですよ。

一緒にやっている相手も、違う人間を演じている。

お互いに、冷静に計算しながら、
なおかつ、役の人間として、気持ちを動かしていく。

こういう2つの作業を並行させないと、
かえってリアルにならないんです。

なーんちゃって、
それがいつも、きちんとできれば、
苦労はないんですけどね。


新人さんは、
夢中になることが集中だと、
勘違いをしている人が多くて、

その勘違いで、まったく周りが見えないまま、
とんでもないことを、
やらかしてくれたりする(笑)


夢中になるのと、集中するのとでは、
中身が違うんですよね。

夢中になる、ってことは、結局、
素の自分になってる、
ってことですから。

それ、役じゃなくなってる(笑)


これも、どこの社会でも同じ、
じゃないですか?

まぁ、違う人間になるって仕事は、
あまりないでしょうけど、

でも、周りが見えなくなって、
いい仕事はできませんよね。

この前、
談春さんの言葉を引いて、
努力の話をしましたが、     

これも同じじゃないかなぁ。


努力をすることも、夢中になることも、
ひとつ間違えると、ただの自己満足になってしまう。


恐いな、って思います。


万が一の誤解を解くために。

そして、もう一度、
自分に言い聞かせるために、

ちょっとエラそうなことを書いてみました。


ええと・・・ですね。

もうしばらく、昔のウラ話をと思ったんですが、
思いのほか、引っ張っちゃいまして

とりあえずキリのいいところで、
ここでいったん、お休みにしたいと思います。



というのも・・・月曜日から小屋入り。

明日(すでに今日だけど)も1日、稽古場なので。



・・・ま、次回こそ、詳しい話をお知らせしますね~
   (どんだけ引っ張るんじゃい!)



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