望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

早替えイロイロ

2010-05-22 21:09:44 | 舞台・ウラ話
芝居を1本やると、たいがい何人か(時には全員!)
素早く着替えて次のシーンに出る、という、
早替えをしなきゃならない人が出てきます。

今回はまったく着替えのない人間も多かったんですが、
その反面、

猛烈な早替えを要求される人もいました。


その1人が黒田大尉。
この作品の作者で演出、主宰の佐藤さんです。

このホンは、昭和20年と昭和64年の両方が、
舞台になっています。

その両方に出る人は、
この44年の差を、シーンごとに行ったり来たり、
ワープせねばなりません  


当初、台本を読んだ私たちは、みんな、

「カツラをかぶるのかな」
「衣裳だけでゴマかすか?」

くらいのことしか考えていませんでした。

そりゃ、自分のことじゃありませんからね。
無責任なモンです。


ところが・・・、


当の佐藤さんは、そういう方法をとりませんでした。

なんと言っても、この作品を書いたご本人ですから、
書いちゃった(?)時点で、
心は決まっていたのでしょう。



主宰が選んだ方法とは、


・・・全部、実際に替える・・・
 

えっ? 


みんな、耳を疑いました。

だって・・・、

あんなわずかな時間に、


髪を洗い、顔を洗い、
またイチからメイクして、
衣裳を着替えて、昭和20年の36歳に 


次に、また一気に髪を白髪に染め、
一気に老人メイクをして、ヒゲまで白く染め、
衣裳を着替えて、昭和64年の80歳に 


そしてまた今度は36歳に 

次は80歳に  


メイクとか髪って、
本番の1時間くらい前から用意を始めて、
まぁ余裕で出来上がる、ってものなんです。

それを1時間50分の芝居の中で、

繰り返すこと、なんと5回!


正直言って、一緒に出る身としては、
そでで待ちながらヒヤヒヤだったりしたんですが、

さすが主宰 

完ぺきでした。



・・・まぁ、楽屋では・・・、

「か、髪が抜けていく・・・、やばいよ 

という悲壮な声も聞かれましたけど、

そんなホンを、誰が書いちゃったんでしょうね(笑)

       

今日の写真は・・・、
これは説明しなきゃわかりませんね。



演出家が照明の状態を見るために、

女学生がおじいちゃんの衣裳をつけて、
代わりに立っているところ。

本人が立ったら、外から見られませんからね。

しかし、この姿・・・、

おじいちゃん、というよりは、
「昭和の受験生」ですな(笑)
コメント
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