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ドルフィンベルベット

高齢馬のケアと徒然日記

最後のとき

2024年12月30日 10時21分14秒 | 高齢馬のケア
クー太郎の最後のとき

23日の月曜日、その日はクラブでリモートワークをするつもりでした。
9時からの会議があり、その前にクー太郎を馬房に戻さないと、という焦りがありました。
その結果、クー太郎を転ばせてしまったのです。
本当に申し訳ないことをしてしまった、悔やんでも悔やみきれません。

それまでもよく躓いていましたが、あの日、私はクー太郎に背を向けて引き手を引いていました。
その時、躓く音と、洗い場にいらしたM2さんの「あっ」という声で振り返ると、後ろにひっくり返りそうなクー太郎と目が合いました。

「ママ、どうしよう」と言っているようでした。
慌てて引手を持ちましたが、クー太郎はそのまま尻もちをつくように倒れてしまいました。
8時50分頃です。

それでも起き上がれるのではないか、と思っていたのですが、1度目で起き上がれず、横たわってしまいました。
9時からのレッスンの下乗りも中止して、全スタッフが駆けつけてくれました。

スタッフOさんがすぐに獣医さんに連絡するように私に進言してくれました。
万が一起き上がれない、となってから連絡しても遅いから、でした。
これは本当に大事な判断でした。
クー太郎が苦しむ時間を少しでも短くすることができたので、冷静な判断をしてくれたOさんに感謝しています。
9時過ぎに連絡がとれ、獣医さんがすぐに来てくれることになりました。

そこからクー太郎の向きを変えてみたり、みんなで馬着を持って「せーのっ!」で立ちやすそうな場所に動かしてみたり。
全力でサポートしてくださいました。

クー太郎を馬場に移動できたら立ち上がれるのでは、と考えてくれたスタッフもいましたが、クー太郎は蹄底が痛かったので、馬場では跛行していましたし、前肢が踏ん張れなかったのではと思います。

クー太郎は四肢が強直していました。
驚いていたのか、焦っていたのか、わかりません。
でもそれを見たときに、これはもう立ち上がれないなと思いました。

その後、2-3回、自分で起きようとしましたが、後肢が立てず、そして最後の1回は、後肢まで立てたのですが、前肢が支えられず、再び転んでしましました。

それが9時40分くらいだったでしょうか。
途中、馬着を脱がせてしまったので、その後は引きずることもできず、そのままの状態で獣医さんを待つことになりました。

その間、私は頭が回らず、ただクー太郎を抱くことしかできなかったのですが、周りにいたメンバーさんがお水を持ってきて、タオルで絞ってクー太郎に飲ませてくれました
クー太郎、喉が渇いていたようで一生懸命水を舐めていました。
皆さんが「クーちゃん頑張って!」と応援してくださいました。
本当にありがたかったです。
バナナを口に運んでもくださいました。
それを見て、私もすり下ろしてきた人参を少し口に入れました。

私はクー太郎に「もう頑張らなくていいから」と何度も伝えました。
この日は、風もなく穏やかな日向ぼっこ日和でした。
久しぶりに横になったクー太郎に、「良かったね」と言い、いつも私の腕で寝るときのように子守歌をハミングしました。

そうして暫くはウトウトしていたのですが、10時30過ぎから激しく頭を振り出しました。
この体勢が辛かったのだと思います。
口元にあった私の脚を噛んで、苦痛を訴えました。
せめて向きを変えてあげれば良かったのですが、コンクリートの上の滑りやすいマットの上だったのでやめたほうが良いとのことでした。
獣医さんに苦しんでいると連絡しました。

クー太郎が激しく頭を振るので、少しずつ草のあるほうに移動したりしました。
クー太郎の頭が地面で擦れないように、オーナーさんが厚めのゼッケンを持ってきてくださいました。
クー太郎の頭の位置に合わせて、皆でこまめにゼッケンを移動しました。

11時10分頃、獣医さんに連絡するとあと10分くらいのところとのことでしたが、なぜか、その電話の履歴が残っていません。
獣医さんの到着までの時間が永遠のように感じられました。

11時半過ぎ、獣医さんが到着してすぐに「楽にしてあげてください」とお願いしました。
クー太郎の苦しむ姿を見て、すぐに鎮静剤を投与してくださいました。
すぐにクー太郎の動きが止まり、動けない苦痛から解放されたようでした。

獣医さんが到着されたので、これから治療が始まると思われた方もいましたが、そうではないことを伝えました。
クー太郎は11時45分、私の腕の中で、オーナーさん、スタッフやメンバーの方々に見守られながら旅立ちました。
クー太郎は開眼していましたが、本当にきれいな精悍なお顔でした。

最後のお別れをクー太郎と私と獣医さんだけにしてくださるとオーナーさんが配慮くださいましたが、周囲のかたの意思にお任せしました。
皆さん、クー太郎の臨終に立ち会ってくださり、優しい声かけをしてくださいました。

そして、私がただ泣くばかりで何もできないなか、エンジェルケアをしてくださいました。
ボロを取り、尻尾もきれいに洗って下さいました。
また鬣をきれいにといてくださいました。
クー太郎は綺麗になって、白い布をかけていただき、暖かい日差しの中で二人だけの時間をゆっくりと過ごすことができました。

その間、クー太郎の担当M2さんが、私におにぎりとお茶、甘いパンを買ってきてくださいました。
私は有難くおにぎりをいただきました。

この日のレッスンはすべて中止となってしまい、クラブに来られていた方には本当に申し訳なく思います。
クー太郎はこの後、クラブの馬運車に乗って大学に向かいました。
馬運車に乗せる時も、総勢10人以上でブルーシートで持ち上げながらでした。
最後までクー太郎のために尽力いただいた皆様に、本当に感謝いたします。

クー太郎は献体しましたので、そのことも後日ご報告します。

最後に私の膝上にあるクー太郎の苦痛の痕跡を載せます。
気持ち良い写真ではありませんのでご注意ください。

当日

翌日

亡くなった日の夜、お風呂の椅子に腰かけたときに気づきました。
クー太郎の苦しみをあらためて知ることとなり、声をあげて泣きました。
一生消えてほしくないと思いました。

ご報告

2024年12月24日 06時45分53秒 | 高齢馬のケア
12月23日11時45分 クー太郎は永眠しました
31歳7か月でした

生前、クー太郎を可愛がってくださった皆様、いつも気にかけてくださった皆様に心より御礼申し上げます

前日の治療が功を奏し、朝には熱も下がり、いつもように私の足音を察して大絶叫で迎えてくれました。
バナミンが効いているようで、とても良い歩様でした。


40分ほどお散歩をして、洗い場に戻るときに躓いて転倒し、そのまま起き上がることができませんでした。

気持ちが落ち着いたら詳細を残したいと思います

発熱

2024年12月22日 18時54分40秒 | 高齢馬のケア
今朝のクー太郎はいつものように元気にお出迎え。
30分以上のんびりお散歩を楽しんだあと、洗い場でお手入れ。
風もなく日向はポカポカ陽気だったので、そのまま日向ぼっこ。



もしかして、セロトニンが出てる?
なんて思いながら、ポカリを飲んで、小一時間過ごして馬房に帰る時に、流しでまたまたお白湯を飲んで、馬房でまたまたお水を飲みました。

そんなに暑かった?
と思いながら、朝飼いを食べるのかと思いきや、外を見てぼーっとしています。

これはおかしい、と思って熱を測ったら39.2℃!
こんな発熱初めてです。
急いで獣医さんに連絡すると、13時前に来てくださいました。

その間に熱はどんどん上がって39.9℃。
かろうじて、怒る仕草をしますが、反応は鈍いです。

診察して貰い、採血して、バナミンを静注して、ビタミン剤入りの点滴を1ℓして貰いました。
1時間後、熱は39.5℃でしたが、すり下ろしニンジンを私の手から食べました。
そこから粉乾草を食べ始め、さらにキューブも食べ始めました。

少し食べてまたぼーっとしてしまいましたが、4時半すぎ、再び食べ始めたところで帰ってきました。
熱はまだ39.5℃でした。

血液検査結果では好中球が倍増していました。
細菌感染が疑われるとのことですが、思い当たる節がまったくなく…。
今日は夕方、バナミンペーストと胃薬を与えて貰いました。
明日、また確認します。

私は熱に弱いので、クー太郎も同じように辛いのでは?と胸が痛みます。
早く解熱して欲しいです。

診察とキネシオテープ

2024年12月22日 06時31分22秒 | 高齢馬のケア
昨日は獣医さんの診察でした。
まずクー太郎の歩様と立ち方から。

平地を歩いている分には蹄を気にしているようすはないとのこと。
立ち方については、左前肢と右後肢で支えていますが、右後肢への負重は、恐らく、クー太郎が負重できることがわかっていて、その体勢が楽だから、とのことでした。
ただ、それによって右後肢の負担や捻りに繋がっていることもあり、少しでも補助になればと、キネシオテープを貼っていただきました。


年末ということもあり、剥がれたら自分でも貼れるようにコツを教えてもらいました。

あと、右肩のコリと痛みが顕著で、触っただけで怒ります。
それもあって今のような体勢になっているのかもしれません。
左前への負重も気になります。
右肩のコリはエクイサージュをあてても怒るので、とりあえず、痛み止めの入った塗り薬(人間用)を使ってみることにしました。

それと、これまでは不定期でしたが、私がいるときには痛み止めを使って楽な時間を作ってあげることになりました。

あと、心臓や肺のほうは問題なさそうです。
先生曰く「頑丈そう」と(笑)

さらに、最近気になることで、クー太郎が怒りっぽくなってきたことを相談しました。
クー太郎は、私に対して怒ると前掻きをします。
最近は、朝、早く外に出せといって、裏堀りしているときにも前掻きしたりします。
すぐに噛んできます。

すると、高齢になるとセロトニンの分泌が減ってきて、怒りっぽくなるのだそうです。
ワンもヒトも同じだそうです。

セロトニン、それはクー太郎が心地よいと思うようにしてあげるしかありません。
私の押し付けではなく、もっとクー太郎の意思を尊重しないと、と反省しました。(今さらですが…)

やっとわかってくれた?


寒さと食欲

2024年12月18日 06時34分52秒 | 高齢馬のケア
ここのところ一気に寒くなり、クー太郎はモコモコになりました。
左前の蹄底が痛いようで、砂場や馬場に入ると跛行していますが、平地ではスタスタ歩いています。

寒さのせいか、食欲が旺盛です。
私が行く日の朝は大絶叫、大興奮で、いつまでも枯れた草を食べています。

それでも、丘の上にはまだ青草が生えていて、どうしても食べに行きたいと言います。
その草も、一昨日の朝は凍っていました。


ときどき痛み止めを使って不快を取り除きつつ、好きなことをして過ごさせてあげたいと思います。

暖かかった日






日中はポカポカ陽気

2024年12月04日 06時56分57秒 | 高齢馬のケア
土日も昨日も朝は冷え込むものの、日中は日差しがあって暖かく感じました。
クー太郎は装蹄後、いくらか蹄底の痛みがなくなったようです。
相変わらず、馬場には入りたがりませんが、以前ほどの跛行はありません。

馬場の外周はぼちぼち青草が減ってきて、今は丘の上のほうが青々としています。
クー太郎の大好きな草が沢山はえていて、そこに行きたがります。
傾斜のあるところは右前に負担がかかるので避けていましたが、2日続けていってみました。



念のため、このあとで薬を1錠飲ませました。
ココの草を食べるためには、馬場に入れるしかありません。

昨日は3頭
私がクー太郎に草を取って与えていたら、ワンボ、ペルルもやってきて、3頭で仲良く食べていました。

ココで寝る?

なので昨日は
久々のゴムマットへ

虫も少なくなってゆっくりお散歩を楽しめるようになりました
秋色

装蹄(11月25日)

2024年11月28日 07時04分00秒 | 高齢馬のケア
月曜日、ブログを更新してから在宅勤務をしていると、「本日装蹄」と連絡があり、10時半からの会議が終わってすぐにクラブに向かいました。
と、その前に、クー太郎に痛み止めを飲ませてもらおうとクラブに再度連絡を入れると、すでに蹄洗場に出ているとのこと。
装蹄師Oさんに代わってもらうと、やはり後肢があげられないとのことで、痛み止めを飲ませて、私が行くまで待っていてもらうようにしました。

到着するとちょうどクー太郎が出ていました。
装蹄師Hさんが、左後ろから、時々休ませながら慎重に鉄を外し、削蹄してくれました。
私も傍でお尻を支えました。

問題は右後ろですが、挙げるとかなり不安定になるので、左後ろの鉄を履かせてからになりました。
万が一右後ろの鉄がつけられなかったら…、という心配もありましたが、Oさんが悩んだ末の決断です。

そしてつけてもらったのがこちらの鉄です。

鉄尾が少し両外側に出ています。
鉄を加工してこのような形になっているのですが、これで左右の安定感が増すことが期待できるとのことでした。

果たして、右後ろの挙げ方ですが、明らかに安定していました!
装蹄の力は凄いです!
焼き付けや鉄を打つときも、休み休みではありましたが、無事にできました。
こうして何とか後肢の装蹄を終えて、一旦お休み。

そして午後(一番最後)に前肢の装蹄です。

左前
今回

前回は取り忘れてしまったのですが、あまり変わりはありませんでした。
今回は前を少しカットしてもらい「カモノハシ」ではなくなりました。

前肢も長くは足をあげられないのと、鉄を打つときに痛いようで、前後に動いてしまいます。
なので、私は前を持ってバランスを取るようにしていました。

右前
今回

前回

こうしてみると、少しいいかも。
左前に負重できるようになったので、右前の負重が軽減されたからかもしれません。
歩様を見て、Oさんが右前のロッカーが不安定に見えるので、少し弯曲を小さくするとのことで、作り直してくれました。
あと、ACSが痛みの原因になるかもしれないとのことで、両方とも無しになりました。


クー太郎も、Oさんも、Hさんも、みんな頑張りました!
装蹄後の歩様は、私でもわかるほど良い感じでした。
スタッフKさんも「明らかに違いますね、装蹄師さん流石ですね」と言っていました。

終わってからHさんに、「命がけの装蹄ですよね」と謝ると、「まだ(肢を下したくなるときの)予兆があるからいいです」と言われました。
なるほど、クー太郎には、「これからもそれで行こうね」と言っておきました。

皆さんの支えがあってのクー太郎です。
筋力低下を最小限に抑えられるように、私も頑張ります!

獣医さんの診察

2024年11月25日 06時37分09秒 | 高齢馬のケア
昨日は獣医さんの診察の日。
特に変わったところはありませんが、装蹄間近ということもあり、時々左前を気にするようなところがあり、昨日は朝、痛み止めを飲ませました。

第一声は、立ち方が良い、でした。
やっぱりエクイサージュの効果と思います。
私がいない時も、毎日かけてくれているお陰です。
M2さんに感謝です!

歩様と全身を診てもらいましたが、大きな問題はなさそうです。
先週あたりから、再び右前(肩)の震えが時々出始めました。
そして、筋肉が硬くなっているとのことでした。
硬くなって震えるのか、震えるから硬くなるのかはわかりません、
震えの原因もわかりませんが、蹄の伸びなどが関係しているかもしれないようです。

後肢については、右の筋肉が左よりも落ちているとのことです。
見ながら説明を受けると確かに、右のほうが痩せていました。
原因はわからないけれども、股関節にも問題があるのかも、とのことでした。
昔、右後肢がばらけるような駈歩になったこともありましたが。

今週、装蹄の予定です。

若造と挨拶

ハエから避難中




雨の散歩

2024年11月25日 06時08分30秒 | 高齢馬のケア
今月に入り、クー太郎のところへは週に3回は行っていますが、ブログを更新できず、写真がたまってしまいました。

ということで、まずは13日(水)から

マッサージ中

17日(土)
帰り際

18日はお仕事でお休み。

20日(水)は雨の馬休日
クー太郎はお構いなしに、冷たい雨の中で1時間ほど自由時間を過ごしました。

後半は少し止んでいる時間もあったのですが
濡れました…

大好きな葉っぱ

飴だけど、虫がいなかったので本人は満足そうでした。

立ち方が変わったような…

2024年11月10日 21時00分38秒 | 高齢馬のケア
エクイサージュを始めてから、なんとなく立ち方が変わったような気がします。
右後肢への負重は変わらないのかもしれませんが、左右バランスよく立っています。
もしかしたら少し負重が軽くなったのか、右後肢の捻りも以前より少なくなっています。

昨日はチャンさんのレッスンのあと、10時半頃から始めました。
私が装着するのは初めてだったので要領が悪く、お腹のベルトを締めるときに怒っていました。
なので、今日は以前使っていたボアのガースカバーを使ってみたら、長さもちょうど良く、クー太郎も怒りませんでした。

ドゥさんと一緒にエクイサージュタイム



ハンドパック

ムニャムニャ

気持ちいいね!


急に寒くなったので、ハエもだいぶ減りました。
いても動きが鈍いので、お散歩時間も増えました。

エクイサージュ、良いと思います。