ドルフィンベルベット

高齢馬のケアと徒然日記

『手のひらのメモ』

2013年05月13日 21時07分58秒 | 読書日記
『手のひらのメモ』(夏樹静子著)
かれこれ2ヶ月近く前に購入した文庫本です
今ころ読み終わったのは、内容がちょっと重くて、なかなか読み進まなかったからです。

裁判員裁判の様子が描かれています。
裁判員裁判といえば、死刑や無期懲役のような重犯罪が適応となるようで、最近では残忍な犯行現場写真などによるPTSDが問題視されていますが、この物語の裁判は、シングルマザーが喘息の息子を残して仕事に行き、発作で死なせてしまうというもの。
保護責任者遺棄の容疑でした。

裁判員が主人公なので、被告の様子は裁判でしかわかりません。
夫を事故で亡くし、喘息持ちの6歳の息子と2人暮らし。
その息子はちょっとした反抗期にありました。
自身は広告代理店のクリエイティブディレクターというキャリアウーマン。

事件当日、朝から風邪気味のまま保育園に出し、その後、発熱で呼び出しがかかり、一旦退社して息子を迎え、かかりつけ医に連絡して帰宅。
いつものように吸入で落ち着いたのを確認して、大事な会議のために出社。

しかし、いつもは順調に終わるはずの会議がこじれ、その後も仕事をすることに。
仕事を終え、会社の近くに住む恋人(人の夫!)の家に行き、車で送ってもらうことにします。
しかし、その男もすぐには出られず、また将来のことで口論となり、帰宅が大幅に遅れます。

その間、2回息子に電話をしますが、出ませんでした。
きっと寝ているのだろう、と判断します。
そして、帰宅すると息子は亡くなっていました。
裁判で明らかになるのは、息子は実は夫と別の女性との子供だったこと。
それを承知で実子として育てていたのです。

争点は、被告が息子の危機を認識していたか、ということです。
検察の主張も、弁護人の主張も、そして裁判員や裁判官の考えも、どれも共感できるのです。
そこから、どうやって結論を出せばよいのか・・・、これは相当悩みます。

でも、一人で子育てして働く親の苦労がよくわかりました。
どうして子供を一人にしたのか?
どうして恋人の家に行ったのか?
子供への愛情が不足していたのでは?

でも、それって自分にも当てはまるかも 
クー太郎が心配だけど「いつものことだから大丈夫」とか自分に言い聞かせて仕事に行ったりします。
ちょっとくらい具合が悪くても、予定していた旅行なら行ってしまうかもしれません。
信頼して預けられるとはいえ、とても他人ごとは思えませんでした。

結局、被告がどれだけ息子を想っていたか、同様に息子も母を想っていたか、の証が、冷凍庫に入っていた一つの抹茶アイスでした。
息子が少し具合が良くなった時に、アイスを買いに行き、母親の分も買っておいたのです

裁判員と裁判官との評議の結果、懲役2年6ヶ月、執行猶予付きの有罪判決となります。
命を保護する責任というのは本当に重い、とあらためて思いました。

ちなみに、喘息は本当に怖い病気です。
確かに、体を鍛えることは大切ですが、時に「甘やかし過ぎ」と思われ、医療従事者でも軽視することがあります。
正しい知識を持って、正しく恐ること、が重要なのでしょう。
コメント (4)
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蟻洞?

2013年05月08日 20時58分53秒 | 高齢馬のケア

今日は装蹄でした。
朝行くと、飼いに夢中でしたが、落ち着くと、私の顔を見て啼きました
指動脈は左前が若干落ち着いたかな?という感じでしたが、まだありました。
1番目の装蹄だったので、Oさん到着まで10分ほど厩舎で引き運動をしました。
少し早めに歩いてみましたが、歩様は問題ありませんでした。

さて、装蹄では、Oさんから「期待したほどは蹄が伸びなかった」と言われました
そしてこれ
蟻洞?
両側方と蹄尖部にも少し・・・
でも、蟻洞と砂上りと白線裂とあるようなのです。
http://www.equinst.go.jp/JP/arakaruto/baji/bt58-120701.html 

前回(3月20日)

今回の肩の痛みの他には、特に問題なく来ていたので、かなりショックでした
ただ、蹄葉炎の活動期(年末から1月中)のものが、今出てきているという可能性もあるとのことで、そうであることをただただ祈っています。

蟻洞が進行した原因として考えられることは、蹄鉄に鉄芯がないので、余計広がりやすい、ということもあるそうですし、パックをした状態で運動後に毎回流水で冷やしていたので、ふやけて広がりやすくなったかも知れないし、とにかく複合的な要素が絡み合った結果ということでした。

治療では、K先生がヨードとテレピン油の反応で乾燥させ、そこにパックを充填して鉄を打ちました。
左だけ側鉄芯の鉄にして、反回ポイントはいつものように後方にしてあります。
この状態だと蹄壁で支えきれない場合もあるので、パックを入れる方法もあるようでしたが、クー太郎の運動量であれば、とりあえずパックなしでも大丈夫かもしれない、ということと、乾燥させる目的で、パックなしにしました。
良くなりますように

また、左前腕の内側はまだ少し腫れが残っているとのことで、インドメタシンの塗り薬は継続し、金曜日までは引き運動になりました。

ところで、今日に合わせて、体重計を4個購入し、クー太郎の体重を計測してみましたが、後肢を着いた時に、「メリメリ」という音がして、あえなく破壊・・・
前後を分けて図ろうとしましたが、上手く数値が出ずに、諦めました
今回は失敗に終わりましたが、実験はまだ続きます 

コメント (11)
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