ドルフィンベルベット

マイペース人馬の自由な日記

『ツナグ』

2018年08月23日 12時31分53秒 | 読書日記
辻村深月著。

スタッフHさんがお勧めしてくれた文庫本です。
『ツナグ』ってどこかで聞いたような…

そう、調べたら松坂桃李さん主演で映画化された物語でした。

使者、と書いて、ツナグ。
死者と生きている人をツナぐ役割をもちます。

死者と会えるのは、一生に1回だけ。

さて、そうなったら一体誰と会いたいかしら?

死者には再会の依頼を断ることもできます。
死者にとっても、1回だけのチャンスなのだそうです。
どうせだったら、一番会いたい人から誘ってもらいたいですが。

死後、忘れられたくないという人は多いみたいですが、「私は死んだら忘れてもらってぜんぜん構いません。
昨夜、最近のお墓事情をテレビで見ていて、「死んだら忘れていいよ」と旦那に言ったら、「もう忘れてる」と言われました(笑)

私が会いたいのは、コロちゃんかな。
最後に会えなかったので。
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『きのうの神様』

2017年07月15日 07時46分26秒 | 読書日記
同僚A子さんから借りた本。
『ゆれる』、『永い言い訳』と同じ西川美和氏が医療(おもに僻地医療)をテーマにした短編小説集です。
こちらも映画になった『ディア・ドクター』も収録されています。

さまざまな勤務地、勤務形態で働く医師の心情、患者さんと家族、医療従事者の想い、などなど。
医療現場で繰り返される人の命や人生をテーマにしたドラマは、誰にとっても身近なもので、色々と身につまされるものが多かったです。

それでも時々ぷっと吹き出してしまうような描写も多くて、テーマは重かったりもしますが、悲愴感で終わることもありません。

『ディア・ドクター』では、外科医の父親が脳梗塞で倒れ、ICUで人工呼吸器にのっている彼の傍らで、大人になってから疎遠になっていた兄弟があることで笑い合い、看護師さんに注意されるシーンがあります。
数年前に祖母のお通夜で久しぶりに姉と会い、携帯のメアドを交換しながらおしゃべりをしていて、会場の女性に思いっきり睨みつけられたことを思い出して、クスっとなりました。

同氏の小説がもっと読んでみたいです。
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『活版印刷三日月堂』

2017年07月04日 12時48分52秒 | 読書日記
ほしお さなえ氏の小説。
舞台は埼玉県の川越。

主が亡くなり一度は閉店した活版印刷の三日月堂。
そこに若い孫娘が一人戻り、再び機械を稼働することに。

活版印刷、そして、孫娘(弓子さん)を通して、人々の心のわだかまりが解けていく。
そんなあたたかい短編で構成されています。
心に残ったのは、人は死んで星になることはないけれど、その星をその人だと思えば、そうなるのだということ。
お星さまになるという夢は、かなうかもしれません(笑)

活版印刷…、というと松本清張を思い出します。
子供のころにそんな写真を見たからかな?

デジタルの時代に文字を拾って、組んで、インキ(インクではなく)を使って、押す。
そうして印刷された文字を、実際に見てみたいと思いました。


さて、久しぶりに1冊の本を読み終えました。
この前に、何か月も読み続けていた本があります。
『水鏡推理』シリーズの1冊ですが、内容が難しいのとリズムが合わないのとで、どうにもこうにも読み進まず、半分ほど読んでギブしました。
小説にも、相性があるのだと思います。
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『永い言い訳』

2017年03月06日 12時23分00秒 | 読書日記
お隣のE子さんから借りた西川美和氏の小説。
昨年末かな?映画にもなったようです。

バス事故で突然妻を失った主人公と彼を取り巻く人々の心情を描いた小説。
その言葉はすべて「言い訳」と表現していました。

人の行動には意味があります。
「私はこう思う。だからこうした」「こうしたいから、こうした」とか。
確かに、こうして自分自身を正当化したり納得させたり、なるほど、と思いました。

男性の心理というのでしょうか、とても面白く、吹き出してしまうような場面もたくさんあります。

ただ、

「もう愛してない。ひとかけらも。」

なんて、パートナーに思われていたら、あるいは、自分が思っていたら、ちょっと悲しいです。
とても考えさせられる小説でした。

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『山女日記』

2017年02月09日 20時38分13秒 | 読書日記
同僚A子さんに借りた湊かなえ氏の小説。

様々な想いや事情を抱えた山女たち。
山に登りながら自分と向き合ったり、他人と向き合ったりして、変わっていく(成長していくのかな?)過程が小気味よいです。

私も山は大好きです。

山は大きいから、小さいことで悩むのがバカらしくなります。
山からの景色はきれいだから、嫌なことも忘れます。

山は疲れるから、帰ってからグッタリして、何も考えられなくなります(笑)
それで、汗を流した後のビールがとっても美味しいです!!

山に行かなくても、言った気分にもなれる小説ですが、以前登ったことのある赤岳も出てきたりして、山小屋のごはん(そこ?!)とか、青い空とか、一人で迷子になりそうになったこととかを思い出して楽しみました。

デビ子もこの小説を読んで、「今度は白馬岳に登ってみたいね」と盛り上がりました。

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『増山超能力師事務所』

2016年11月24日 22時10分26秒 | 読書日記
またまたデビ子に借りた誉田哲也氏の小説。
『ストロベリーナイト』の作者です。
そして、この小説もどうやら来年早々ドラマになるようです。

小説ではある程度超能力や超能力者が世間で認められつつあるという設定で、探偵業と同様に事務所を構え、依頼人の仕事を請け負い、ある時は人・モノ探し、ある時は事件や事故を解決します。

事務所の超能力者たちをはじめとする登場人物の人間模様が結構面白く、そして、ちょっと切なく感じました。
他人の心を読んだり、自分の心を読まれないようにしたり、人が触れたものに触れることでその時の感情を読み取ったり、透視したり、予知したり…、能力の大きさや得意分野、各々の抱える悩みや事情はいろいろです。

私だったらどんな能力が欲しいかな…?

やっぱり、クー太郎をはじめとする動物の心が読める能力が欲しい!
あとは、テレパシーかな。
以心伝心できたら楽だなぁ~って、思います。
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『タックスヘイブン』

2016年11月17日 12時21分44秒 | 読書日記
またまたダミ子に借りた橘玲氏の小説。

タイトル通り、少し前に話題になった租税回避を背景としたサスペンス小説。
タックスヘイブンといえばマネーロンダリング。
そのマネーロンダリングという言葉を聞いただけで、怪しい、怖い、「闇の世界」を誰連想します。
重大な犯罪の根本にあるのは、お金か、でなければ怨恨、という気がしてなりません。

私は金融にも疎いので、シンガポールが世界経済の中心にあることも初めて知りましたが、そういえば、海外通販で使うPay Palもシンガポールの法人だったな、と気づきました。

さて、主人公は元銀行マンの金融コンサルタントというのかな?
マネーロンダリングを一人で請け負う26歳位?の男性ですが、小説ではとてもそんな若造とは思えない言動と行動です。
シンガポールで働く日本人金融マンがホテルで転落死したところから、謎解きは始まります。

最後には資金の流れが明らかになるのですが、それよりも何よりも、最後の最後に、女性の恐ろしさに気付かされる、ちょっと後味の悪い小説でした。
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『龍の契り』

2016年08月29日 12時45分38秒 | 読書日記
同僚E子さんに借りた服部真澄さんという作家のデビュー作。

香港返還を題材にしたサスペンス小説です。
サッチャー首相に毛沢東、鄧小平など実在する名前も出てきますが、フィクションなのだそう。
ついでに、これはもしや皇太子妃雅子様?と思われる人物まで。

歴史にも社会情勢にも疎い私には、「香港は返還されるんだー」程度にしか思っていませんでしたが、確かにほとんど無条件であんなに栄えている都市をイギリスが手放したことは不思議でした。

小説では「密約の存在」が取り上げられていましたが、実のところはどうなのでしょう。
途中はまるで海外小説の翻訳本を読んでいるような感じでよくわからないところもありましたが、最後に「そういうことだったのか」とお腹に落ちました。
一番の驚きはチャーリー(登場人物の一人)が本当は〇〇だったことでしたが。

こういう風に歴史を見ると、きっと面白いんだろうなぁ。
著者の空想力に関心しました。

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『サバイバル・ウェディング』

2016年08月16日 12時47分34秒 | 読書日記
大橋弘祐氏の作品。
初めての作家さんなのでまったくわからず。
調べてみても、「大手通信会社の広報、マーケティング職を経て、現在は編集者及び作家として活動中。」とだけあって、写真も非公開のようでした。

小説はとにかく面白いです。

さて、主人公は29歳の出版社OL。
寿退職の手続きを済ませてからのまさかの破談。
そこから再びものの会社に戻りたいと懇願して、なんとか女性誌の編集部に入ったものの、編集長から婚活企画として半年以内に結婚、それまでのドキュメンタリーを掲載するという指令が下ります。

女性誌の編集長、41歳の独身男性ナルシストでファッション業界のうんちくを並べるのですが、どこか憎めない。
主人公の理想の結婚(お相手の顔、スタイル、性格、職業、安定感などなど)を追いかける気持ちもよくわかりました。

できることなら、もっと若い時に読みたかったなー(笑)


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『ゆれる』

2016年06月20日 21時50分28秒 | 読書日記
同僚E子さんから借りたハードカバー。
著者は映画監督でもある西川美和氏。
オダギリジョー主演で映画化されたようです。

物語は登場人物の語りで進みます。
なんとなく、湊かなえさんの小説を連想しましたが、ストーリーも面白いし、何と言っても表現力が豊かなのです。
誰でも思うであろう、普通の人間の心理描写の一つ一つに、あぁ、こういう表現もあるのだなぁ…と感心しきり、で一字一句大事に読み進めました。

田舎で小さなガソリンスタンドを経営する頑固で血の気の多い父親、勇。
子供のころから悪がきで勘当同然で家を離れて写真家の道を選んだ次男、猛。
小さな頃から親の言うことをよく聞き、実家をついだ弟思いの長男、稔。
実家のガソリンスタンドで働く兄弟の幼馴染で、猛の元カノ、智恵子。
父親の弟で弁護士の修。

ある日、兄弟と智恵子3人ででかけた渓谷で、智恵子が橋から転落死するのですが、それが事故なのか殺人なのか、実は最後までわかりません。

それぞれの本心が近しい間柄にもかかわらず、お互いにわかっているようでわかっていない、わかっていないようでわかっている、その距離感も面白かったです。
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