乗馬の三大死因というのが、「疝痛」、「骨折」、そして「蹄葉炎」で、結論として、疝痛も骨折も最終的には蹄葉炎に繋がるというものでした。
蹄葉炎の原因には、ホルモンや代謝異常(特に糖代謝)があり、人間で言う2型糖尿病(いわゆる成人病)が原因となるそうです。
人も馬もメタボはダメ、ということです。
2,000の馬を調査したところ、慢性蹄葉炎を持つ馬は7.5%に上り、生涯発生率になると15%にもなるとのことでした。
どんな馬にも起こりうる身近な病気ということでしょうか。
疝痛は腸内環境の悪化によるエンドトキシンが、骨折は負重性に蹄葉炎を引き起こす原因となります。
飼料、適切な運動、そして、早期発見早期治療が大切ということでした。
講義のあとで質問に行きました。
まず、蹄葉炎で蹄壁の血流が途絶えてしまった場合の回復の可能性についてです。
軽度のものであれば、血流が回復する可能性はあるとのことでした。
ただし、血管造影をして状態をみないとわからないとも。
血管造影・・・してみようかな?とも思いましたが、造影剤を使いますから、万が一のことを考えると、きちんとした施設で行った方が良いと私は思います。
クー太郎の蹄骨が5度ほどローテーションして、蟻洞になっていることを伝えると、パックを入れて支えないとダメだと言われました。
最近では、内側や外側などにローテーションしてくるものもあるのだそうです。
パックで痛みが出る場合は、蹄鉗子で部位を特定して、その部分だけをオープンにする、とも言われました。
次に指動脈の亢進という状況について、亢進そのものが血管のダメージに繋がるのか知りたかったのですが、回答では、亢進している原因=炎症の方が問題のようでした。
それから、蹄は血流をよくするために温めた方が良いのか、冷やしたほうが良いのかを聞きました。
最近の動向は、冷やすよりも温めた方が良いというものらしいですが、齋藤先生は、いつもよりも熱があるときは冷やした方が良いと考えていると言われました。
蹄葉炎は治らない病気です。
蹄の負担を軽くして、上手く付き合っていくしかなさそうですが、疑問に思っていたことがクリアになってスッキリしました。