ドルフィンベルベット

高齢馬のケアと徒然日記

『この世でいちばんすばらしい馬』

2011年10月24日 21時09分45秒 | 読書日記

中国の絵本作家、陳江洪(チェン ジャンホン)の作品を平岡 敦氏が翻訳したもの
見ての通り、絵本です。

ストーリーを書きますが、文章は私の言葉ですのでご了承下さい。

主人公ハン・ガンは貧しい家に生まれ、家計を助けるために自らも配達の仕事をしています。
ある日、ものを届けた家に見事な馬が繋がれているのを見て、思わず地面にその絵を書き出しました。
それを見ていた家の主が、筆や絵の具、そして少しのお金をハン・ガンに渡し、思う存分絵を描くようにすすめます。

やがてハン・ガンは宮廷の絵師に招かれますが、書くのは馬ばかり・・・。
しかも、その馬達はみんな無口で繋がれているのです。
その理由を聞くとハン・ガンは、「私の馬はいつか動き出す」というのです。

都に戦が迫った時、その噂を聞きつけたある武将がハン・ガンのもとを訪れ、「この世でいちばんすばらしい馬」を描いて欲しいと伝えます。
ハン・ガンは「やってみます」と言って馬の絵を描きますが、いつまでたっても動き出す様子がありません。

「この絵は失敗です」と言って、それを火鉢にくべようとした瞬間、1頭の馬が躍りだし、武将は喜び勇んで戦地に駆け出しました。
そのとき、ハン・ガンは「馬をいたわってやってください」と言いますが、その声は武将には届きませんでした。

その馬は飼いも食べず水も飲まず休まず、もの凄い強さで武将を守り抜きます。
戦には勝ちましたが、それでもなお、その武将は戦いをやめませんでした。
そんなとき、その馬は、同じように死んでいった馬や傷ついた馬達のことを想い、嘆きます。
そして、戦で血だらけになったその馬は、武将を振り落として駆け出します。

結局、武将は馬を見つけることができず、再びハン・ガンのもとに戻ってきて、馬がどこかへ行ってしまったと伝えます。

ハン・ガンは「それはそのはず。馬はここに戻ってきましたから」と1枚の絵を見せます。
その中には、確かに血だらけの馬が描かれていました。
この絵には5頭の馬しか描かれていなかったのですが、ある日、「6頭になっていた」のです。
「今は仲間たちとのんびり暮らしていることでしょう」というハン・ガンの言葉で終わります。

私は中国の絵本を初めて読んだ気がします。
さすが、絵本だけど奥が深いなぁ・・・と思いました。

コメント (4)
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『殺人鬼フジコの衝動』

2011年10月12日 21時00分44秒 | 読書日記
『殺人鬼フジコの衝動』(真梨幸子著)

昨日は歯医者さんの日でした
少し時間があったので、同じフロアの書店で文庫本を見ていたら…
すごい帯を見て、『衝動』的に買ってしまいました

どんな帯かと言うと

後味悪くて読んで後悔<<<読まないと後悔!
9章のラストまで読んでほっ…と胸をなでおろし、「なかなかだったな」と本を閉じてしまった方、間違っています。
この本はあとがきまでが物語です。繰り返します。あとがきまでが物語です。
頭をガツンと殴られたような衝撃が待っています…!

です。
まんまとハマってしまいました

が、かなりエグイ表現が多いです。
後で知ったことは『孤虫症』の著者でした。
なるほど。どうりで。納得です。

読書日記はコチラ

http://blog.goo.ne.jp/alohadream/e/a8adbd360a47f8e77c84cbd34101c80e

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