
日本株の大復活!? :240313情報
日経平均が4万円台にのり、一気に勢いづいた日本の株式市場、11日には4万円割れで意気消沈しているかと思いきや意外に意気軒高のようです。兜町界隈でも「30年間もデフレに苦しんで来た日本が、デフレを脱却して史上最大の資産インフレ相場が到来したと手放しで喜んでいるようです。
このような現状をどう見るか、国際経済の専門家に見解を問いました。
◼︎ 34年ぶりに高値を更新した日経平均
日経平均が34年ぶりに高値を更新しましたが、これは本当に円安の効果だと思います。
ご存じのように、新NISAというプラスの要素や、ここのところの半導体やAIブームなどによって勢いを得て、めでたく34年ぶりに高値を更新したということです。これはこれで良いことなのですが、この間に、日米でどれだけの株価差がついてしまったのかということを復習しておくのも大事だと思います。
◼︎ 30年で10倍の差がついた日米株価
日米の平均株価は色々ありますが、日本は日経平均で、アメリカはダウ工業平均を取りましょうということです。S&P500など他の指標もありますが、これらを取ってみると、ちょうど評価しやすいです。
1987年、これはブラックマンデーの直前ですが、日本の日経平均は25,000円、アメリカのダウ工業平均はだいたい2,500ドルでした。
そして2024年2月24日、日経平均が39,000円を超え、一方、アメリカのダウ平均は、約39,000ドルとなっています。ということで見てみると、25,000円から39,000円、2,500ドルから39,000ドルとなり、比較がしやすいのですが、日経平均は34年で1.56倍にしかなっていないということですね。
そして、1989年末からすると、その時の高値をようやく超えたので、ほぼ1倍にしかなっていません。一方、アメリカの方は、何と15.6倍になっているわけです。
もちろん、平均株価の値上がりが全てではなく、国の富を必ずしも全て象徴しているというわけでもありません。しかし、日本が1.56倍にしかならない間に、アメリカは15.6倍、つまり日本の10倍成長しているということです。これはもう一目瞭然ですね。
この間の為替レートなど、そのような話は端折りますが、だいたいこのような感じなのです。これを見ると、いかに日本が出遅れているか、この30年間、実質GDPがほとんど成長をしていないという恐ろしい日本経済の停滞が分かります。
◼︎ 日本経済の停滞と明るい未来
これについて言いたいのは、日本人は1950年代から2020年代まで一生懸命働いてきました。0年代当時の日本人に対して、それ以降の日本人が怠け者になったというわけではありません。景気が悪くなった分、むしろ必死に働いたぐらいです。
しかし、経済でこれだけパフォーマンスが違うのは何なのだということです。これはひとえに、日本の経済政策の貧困ですね。これは政治家と日銀、特に財務省の責任が大きいと思います。政治家、役人。役人でも特に財務省と日銀。この責任が大きいですよね。
国のリーダーが、正しいマクロ的な政策をやらないから、日本人は一生懸命働いても空回りして、実質的な経済成長に結びつかない、平均株価の成長率が、アメリカと10倍の差がついてしまったということです。
大変恐ろしいです。しかし、日本のトップはまだ変わっていませんが、今は円安が来ておりますので、日本にとっては非常に良い風、追い風が吹いているということです。
今までは円高だったので、酷い向かい風だったわけです。円高で30年苦しんだ日本経済が、ようやく円安で一息つけるようになってきました。そして、実質的な経済成長があるから、株価も上がるという、健全なパターンに入ってきたということです。
◼︎日経平均、.4万円越えもあまり喜べない理由
しかし、3月4日に日経平均が4万109円23銭をつけて史上最高値を更新しました。年末までにゆっくり4万円くらいになればいいなと思っていたのですが、早くもこの予測が当たってしまいました。史上最高値を更新したのはおめでたい限りですが、株価の値上がりが早すぎます。
懸念点として、最高値を更新した3月4日は7割の銘柄は下がっていて、3割しか上がっていなかったのです。つまり、一部の銘柄だけに集中して、その値上がりが平均株価を最高値にまで上げたということで、これは株式市場全体にとっては健全なことではありません。
今はとにかく生成AI、半導体ブームで、この関連銘柄だけが急騰しています。しかしこのブームが急落する危険性もあり、十分に注意が必要です。もし今、株を買うならAI半導体関連などではなく、石炭・石油・天然ガスなどのエネルギー関連が良いのではないでしょうか。
これらの関連企業の株価は一時期は高かったものの、今は低迷しています。他には、金関係の金鉱山やヘルスケア関連なども良いでしょう。今のブームで注目されていない方向に着目すべきではないかと思います。
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